2026年版・8-2

基礎-2 決算書と会計の基本用語の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「最初に覚える土台知識」から、基礎-2 決算書と会計の基本用語に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-2

貸借対照表で常に成り立つ関係を表した式はどれか。

  • ①資産=負債+純資産
  • ②資産+純資産=負債
  • ③資産+負債=純資産
  • ④資産=負債-純資産
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正解 ①資産=負債+純資産
解説
貸借対照表では、常に「資産=負債+純資産」という関係が成り立ちます。
左側(借方)の資産は資金の運用形態を、右側(貸方)の負債と純資産は資金の調達源泉を表しています。同じ資金を別の角度から見ているため左右の合計は必ず一致し、この性質からバランスシートと呼ばれます。
ここでいう純資産とは、資産から負債を差し引いて残る、返済義務のない部分のことです。株主が払い込んだ元手と、これまでに稼いで社内にためた利益(利益剰余金)が中心になります。式を変形した「純資産=資産-負債」の形もあわせて押さえておくと、自己資本比率などの計算につながります。
他の選択肢について

・資産=負債-純資産:純資産を差し引くと、返済不要の自己資金が資産に含まれないことになってしまいます。
・資産+負債=純資産:負債を左側に置いており、資金の運用と調達の対応関係が崩れています。
・資産+純資産=負債:純資産が資産と同じ側にあり、貸借対照表の構造と一致しません。
問28-2

一定期間の収益と費用を対応させ、その期間の利益を示す計算書はどれか。

  • ①貸借対照表
  • ②損益計算書
  • ③株主資本等変動計算書
  • ④キャッシュフロー計算書
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正解 ②損益計算書
解説
損益計算書は、一定期間の収益と費用を対応させて、その期間の利益(もうけ)を示す計算書です。
売上高から順に、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前当期純利益・当期純利益という5つの利益が段階的に計算されるため、どの段階で稼げているのか、あるいはつまずいているのかを読み取れます。
ここで大切なのは、収益と費用を実際にお金が動いた時期ではなく「発生した期間」に割り当てて対応させるという考え方(費用収益対応の原則)です。そのため利益と手元の現金の増減は一致せず、この差を補う資料としてキャッシュフロー計算書が必要になります。
他の選択肢について

・貸借対照表:決算日という一時点の財政状態(資産・負債・純資産の残高)を示すもので、期間の利益は表しません。
・キャッシュフロー計算書:一定期間の現金の増減とその原因を示す計算書で、利益そのものを示すものではありません。
・株主資本等変動計算書:純資産の各項目が期中にどのように動いたかを示す計算書です。
問38-2

キャッシュフロー計算書の3つの区分の組み合わせはどれか。

  • ①生産活動・販売活動・財務活動
  • ②営業活動・販売活動・管理活動
  • ③営業活動・投資活動・財務活動
  • ④投資活動・資金運用活動・納税活動
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正解 ③営業活動・投資活動・財務活動
解説
キャッシュフロー計算書は、営業活動・投資活動・財務活動の3区分で構成されます。
営業活動は本業でどれだけ現金を稼いだか、投資活動は設備や有価証券にどれだけ資金を投じたか、財務活動は借入や返済、増資や配当でどう資金をやりくりしたかを表します。利益が出ていても現金が足りずに行き詰まる黒字倒産を見抜くうえで重要な資料です。
読み方の目安として、営業がプラス、投資がマイナス、財務がマイナスという組み合わせは、本業で稼いだ資金で投資と借入返済をまかなえている健全な姿とされます。3つの符号の並びから会社の局面を推し量るのが、最初の一歩です。
他の選択肢について

・営業・販売・管理:販売費及び一般管理費という損益計算書の費用区分と混同したもので、区分名として存在しません。
・生産・販売・財務:生産と販売はいずれも営業活動に含まれるため、区分の立て方が誤っています。
・投資・資金運用・納税:納税は独立した区分ではなく、法人税等の支払額は原則として営業活動の区分に表示します。
問48-2

流動資産が1,200万円、流動負債が800万円である企業の流動比率はどれか。

  • ①40%
  • ②60%
  • ③66.7%
  • ④150%
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正解 ④150%
解説
流動比率は「流動資産÷流動負債×100」で計算するため、1,200万円÷800万円×100=150%となります。
流動資産とは現金・預金や売掛金など1年以内に現金化できる資産、流動負債とは買掛金や短期借入金など1年以内に支払わなければならない負債のことです。つまり流動比率は、近いうちに入ってくるお金で、近いうちに出ていくお金をどれだけ賄えるかを示す短期の安全性指標です。一般に200%が理想、最低でも100%以上が望ましいとされ、100%を下回ると短期的な資金繰りに注意が必要と判断されます。
他の選択肢について

・66.7%:分母と分子を逆にして、800万円÷1,200万円と計算した場合の値です。
・60%:流動資産1,200万円を、流動資産と流動負債の合計2,000万円で割った値であり、流動比率の定義とは異なります。
・40%:流動負債800万円を同じく合計2,000万円で割った値で、こちらも計算式の組み立てを誤ったものです。
問58-2

総資本に占める自己資本の割合を示し、長期的な安全性を測る指標はどれか。

  • ①自己資本比率
  • ②固定長期適合率
  • ③売上高営業利益率
  • ④総資本回転率
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正解 ①自己資本比率
解説
自己資本比率は「自己資本÷総資本×100」で求め、総資本のうち返済不要の自己資金がどれだけあるかを示します。
自己資本とは、株主が払い込んだ元手と社内にためた利益など、返済義務のない資金のことです。総資本はこれに他人資本(借入金や買掛金など)を足した合計で、貸借対照表の右側全体に当たります。この比率が高いほど借入への依存が小さく、不況期にも耐えやすい財務体質だと評価されます。財務諸表分析には収益性・効率性・安全性という3つの視点があり、自己資本比率はこのうち安全性、それも長期的な安全性を代表する指標です。
他の選択肢について

・総資本回転率:資本をどれだけ効率よく売上に結び付けたかを示す効率性の指標です。
・売上高営業利益率:売上高に対する本業のもうけの割合を示す収益性の指標です。
・固定長期適合率:固定資産が長期資金で賄われているかをみる指標で、自己資本の比率そのものではありません。
問68-2

売上高から売上原価を差し引いて求める利益を何と呼ぶか。

  • ①営業利益
  • ②売上総利益
  • ③経常利益
  • ④税引前当期純利益
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正解 ②売上総利益
解説
売上高から売上原価を差し引いて求める利益が売上総利益で、粗利益とも呼ばれます。
商品やサービスそのものが持つもうけの厚みを表す利益です。ここでいう売上原価は、その期に売れた分の仕入額や製造原価であって、仕入れた総額ではありません。売れ残った在庫の分は資産として貸借対照表に残ります。ここを取り違えると粗利の計算そのものが狂ってしまうので、最初に押さえておきたいところです。
損益計算書は、売上高から段階的に費用を差し引きながら5つの利益を並べていく構造になっています。売上総利益はその1段目に当たり、以降は営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益と続きます。
他の選択肢について

・営業利益:売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた、本業のもうけを表す利益です。
・経常利益:営業利益に受取利息などを加え、支払利息などを差し引いて求める利益です。
・税引前当期純利益:経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた利益です。
問78-2

売上高1,000万円、変動費600万円、固定費300万円の企業の損益分岐点売上高はどれか。

  • ①900万円
  • ②600万円
  • ③750万円
  • ④500万円
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正解 ③750万円
解説
限界利益は1,000万円-600万円=400万円、限界利益率は400万円÷1,000万円=0.4です。損益分岐点売上高は固定費÷限界利益率で求めるため、300万円÷0.4=750万円となります。
変動費は売上に比例して増える費用(材料費や仕入原価など)、固定費は売上に関係なく毎期一定額かかる費用(家賃や正社員の人件費など)です。売上から変動費を引いた限界利益が、固定費を回収する原資になります。
損益分岐点は利益がちょうどゼロになる売上高で、これを下回れば赤字です。実際の売上高1,000万円は損益分岐点を250万円上回っており、この余裕の度合いを安全余裕率といいます。
他の選択肢について

・900万円:変動費600万円と固定費300万円を単純に合計した総費用であり、損益分岐点の計算式とは異なります。
・600万円:変動費の金額そのもので、固定費を回収する視点が抜けています。
・500万円:固定費を変動費率0.6で割るなど、限界利益率ではない値で割った場合に生じる誤りです。
問88-2

減価償却に関する説明として正しいものはどれか。

  • ①決算日ごとに時価で評価し直す
  • ②購入代金を支払った期に全額計上する
  • ③売却時に帳簿価額との差額を計上する
  • ④取得原価を使用期間に配分する
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正解 ④取得原価を使用期間に配分する
解説
減価償却は、固定資産の取得原価を、その資産を使用する期間(耐用年数)にわたって費用として配分する手続です。
機械や建物は何年にもわたって収益を生むため、購入した年に全額を費用にすると、その年だけ利益が極端に減り期間比較ができなくなります。費用収益対応の原則に基づく処理であり、現金の支出を伴わない費用である点も押さえておきたい特徴です。
計算方法には、毎期同じ金額を計上する定額法と、期首の帳簿価額に一定の率を掛けて計算する定率法があります。定率法は初期の負担が大きく、年を追うごとに費用が小さくなっていくのが特徴です。
他の選択肢について

・売却時に差額を計上する:固定資産売却損益の処理であり、毎期行う減価償却とは別の手続です。
・時価で評価し直す:時価評価は一部の金融商品などに限られ、通常の固定資産は取得原価を基礎として償却します。
・支払った期に全額計上する:これでは期間損益が大きく歪むため、減価償却が必要とされる理由そのものに反します。
問98-2

複式簿記における借方と貸方について正しいものはどれか。

  • ①借方が左側、貸方が右側を指す
  • ②借方が右側、貸方が左側を指す
  • ③借入金と貸付金だけの区分である
  • ④決算日だけ金額が一致すればよい
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正解 ①借方が左側、貸方が右側を指す
解説
複式簿記では借方が左側、貸方が右側を意味し、1つの取引を必ず左右に同額で記録します。
この仕組みにより、すべての仕訳の借方合計と貸方合計は常に一致し、記帳の誤りを発見しやすくなります(貸借平均の原理)。「借」「貸」という文字には貸し借りの意味はなく、単に左右を表す約束事だと割り切って覚えるのが近道です。覚え方としては、「かりかた」の「り」が左へ払い、「かしかた」の「し」が右へ払う、という語呂が広く使われています。
たとえば現金で商品を仕入れたなら、借方に仕入、貸方に現金と書きます。これが仕訳の最小単位です。
他の選択肢について

・借方が右側、貸方が左側:左右が逆であり、仕訳の書き方が根本から入れ替わってしまいます。
・借入金と貸付金だけの区分:文字の印象に引きずられた誤解で、実際にはすべての勘定科目に左右の区分があります。
・決算日だけ一致すればよい:一致は取引ごとに常に成り立つ原則であり、決算時に限られるものではありません。
問108-2

営業利益に受取利息などを加え、支払利息などを差し引いて求める利益を何と呼ぶか。

  • ①売上総利益
  • ②経常利益
  • ③特別利益
  • ④当期純利益
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正解 ②経常利益
解説
営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いて求めるのが経常利益です。
営業外収益・営業外費用とは、本業ではないものの毎期繰り返し生じる損益のことで、受取利息、受取配当金、支払利息などが代表例です。営業利益が本業のもうけを示すのに対し、経常利益は資金の調達や運用まで含めた、経常的な企業活動全体のもうけを示します。
借入が多い企業は支払利息の負担で経常利益が営業利益を下回りやすく、この2つの利益の開き方は財務体質を映す鏡になります。決算書を読むときに営業利益と経常利益を並べて見ると、その会社が借入にどれだけ頼っているかが見えてきます。
他の選択肢について

・売上総利益:売上高から売上原価を差し引いた、損益計算書の1段目の利益です。
・特別利益:固定資産売却益のように、その期だけ臨時に生じた利益を表す収益の区分です。
・当期純利益:税引前当期純利益から法人税等を差し引いた、最終的に会社に残る利益です。

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