2026年版・7-8

事業承継・M&A支援策の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「中小企業経営・中小企業政策」から、事業承継・M&A支援策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-8

中小企業における経営者の高齢化を背景とした事業承継の円滑化を図るために制定された経営承継円滑化法が定める支援措置の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

  • ①事業承継税制、金融支援、遺留分に関する民法特例の3つを支援措置として定めている。
  • ②事業承継税制と金融支援の2つのみを支援措置として定めており、民法の特例は含まない。
  • ③遺留分に関する民法特例のみを定めており、税制上の優遇措置は含まれていない。
  • ④金融支援と遺留分に関する民法特例の2つのみを支援措置として定めている。
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正解 ①事業承継税制、金融支援、遺留分に関する民法特例の3つを支援措置として定めている。
解説
経営承継円滑化法は、中小企業の事業承継を円滑に進めるため、事業承継税制の前提となる認定、金融支援(信用保証の特例・日本政策金融公庫等からの融資の特例)、遺留分に関する民法特例という3種類の支援措置を柱として定めています。これらは併用も可能で、後継者が計画的に承継を進められるよう総合的な枠組みを提供しています。

他の選択肢が誤りの理由
②は金融支援と税制支援の2つのみとしており、遺留分に関する民法特例が抜け落ちているため誤りです。③は遺留分の民法特例のみを挙げ、税制支援と金融支援の存在を否定しており誤りです。④も金融支援と民法特例の2つのみとしており、事業承継税制の存在を欠くため誤りです。
問27-8

法人版事業承継税制における「一般措置」と「特例措置」の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①一般措置は贈与税・相続税のいずれも猶予割合が100%であり、特例措置は80%にとどまる。
  • ②特例措置では対象株式の上限がなく、一般措置では総株式数の3分の2が上限となる点で異なる。
  • ③特例措置の適用を受けるには、複数ではなく単独の後継者のみへ承継することが要件とされる。
  • ④一般措置には適用期限が設けられているが、特例措置には適用期限が設けられていない点が特徴である。
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正解 ②特例措置では対象株式の上限がなく、一般措置では総株式数の3分の2が上限となる点で異なる。
解説
特例措置は、一般措置に比べて要件を大幅に緩和した時限的な制度です。一般措置では対象株式数が発行済議決権株式総数の3分の2までに制限され、相続税の猶予割合も80%にとどまりますが、特例措置ではこの上限が撤廃され、全株式を対象として贈与税・相続税ともに100%の猶予を受けられます。

他の選択肢が誤りの理由
①は猶予割合の説明が一般措置と特例措置で逆になっており誤りです。100%猶予となるのは特例措置で、一般措置は相続税について80%までの猶予にとどまります。③は特例措置では複数の後継者(最大3人)への承継が認められており、単独の後継者に限定されないため誤りです。④は適用期限が設けられているのは特例措置であり、一般措置には期限がないため、記述が逆であり誤りです。
問37-8

法人版事業承継税制(特例措置)の適用を受けるための手続として、最も適切なものはどれか。

  • ①特例承継計画の提出期限と、実際の贈与・相続を実行すべき適用期限は、常に同一の日付とされている。
  • ②特例承継計画の提出は一切不要であり、贈与・相続の実行後にまとめて認定申請を行えば足りる。
  • ③特例承継計画の提出期限は令和9年9月末まで延長されたが、実行期限自体は変更されていない。
  • ④贈与・相続の実行期限は、計画の提出期限が延長されるたびに自動的に同じ期間だけ延長される。
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正解 ③特例承継計画の提出期限は令和9年9月末まで延長されたが、実行期限自体は変更されていない。
解説
特例措置の適用を受けるには、まず都道府県知事に特例承継計画を提出して確認を受け、その後、実際に株式の贈与・相続を実行する必要があります。令和8年度税制改正により、特例承継計画の提出期限は令和9年9月30日まで延長されましたが、贈与・相続を実行すべき適用期限(令和9年12月31日)は据え置かれており、両者は別の期日として管理する必要があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は計画の提出期限と実行期限が同一であるとしていますが、実際には異なる年月日が定められているため誤りです。②は特例措置の適用には事前の特例承継計画の提出が必須であり、事後の一括申請では認められないため誤りです。④は計画の提出期限が延長されても、贈与・相続の実行期限が自動的に連動して延長されるわけではないため誤りです。
問47-8

経営承継円滑化法における遺留分に関する民法特例(除外合意・固定合意)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①固定合意とは、後継者に贈与された自社株式を遺留分算定の基礎財産から完全に除外する合意である。
  • ②除外合意を行うには、後継者以外の推定相続人全員による同意は不要であり後継者単独の判断のみで足りる。
  • ③この特例は上場企業を含むすべての株式会社を対象としており、非上場の中小企業には限定されない。
  • ④除外合意は贈与株式を基礎財産から除外する合意、固定合意は評価額を合意時の価額に固定する合意である。
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正解 ④除外合意は贈与株式を基礎財産から除外する合意、固定合意は評価額を合意時の価額に固定する合意である。
解説
経営承継円滑化法の遺留分に関する民法特例には、後継者が先代経営者から贈与された自社株式の価額を遺留分算定の基礎財産から除外する「除外合意」と、その価額を合意時点の評価額であらかじめ固定する「固定合意」の2種類があります。いずれも旧代表者の推定相続人全員及び後継者の合意と経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可を得て効力が生じます。

他の選択肢が誤りの理由
①は除外合意の内容を固定合意の説明として述べており、2つの合意の内容が入れ替わっているため誤りです。②はこの特例の適用には後継者以外の推定相続人全員の合意が必要であり、後継者単独では足りないため誤りです。③はこの特例が対象とするのは非上場の中小企業の株式であり、上場企業は対象としていないため誤りです。
問57-8

事業承継に伴う資金調達を後押しする金融支援の中身について、最も適切なものはどれか。

  • ①中小企業信用保険法の特例による信用保証枠の拡大と、公庫等からの低利融資の2つが柱である。
  • ②金融支援の対象は個人事業主のみに限られ、法人である中小企業は対象に含まれていない。
  • ③金融支援を受けるには、事業承継税制の認定を同時に受けていることが必須の前提条件となる。
  • ④金融支援の前提となる認定は経済産業大臣ではなく、各金融機関が独自の基準で行うものである。
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正解 ①中小企業信用保険法の特例による信用保証枠の拡大と、公庫等からの低利融資の2つが柱である。
解説
経営承継円滑化法の金融支援は、事業承継に伴い必要となる資金を調達しやすくするための措置で、既存の信用保証枠とは別枠の保証を受けられる中小企業信用保険法の特例と、日本政策金融公庫等からの低利融資を受けられる特例の2つを柱としています。都道府県知事の認定を受けることで利用が可能になります。

他の選択肢が誤りの理由
②は金融支援の対象は個人事業主だけでなく法人である中小企業も含まれるため誤りです。③は金融支援は事業承継税制の認定とは別個に受けることができ、税制の認定が必須の前提条件ではないため誤りです。④は金融支援の前提となる認定を行うのは都道府県知事であり、金融機関が独自基準で行うものではないため誤りです。
問67-8

M&A支援機関登録制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①登録を受けるには、中小M&Aガイドラインの遵守を宣言し、自社HPにその宣言を掲載する必要がある。
  • ②登録を受けたFA・仲介業者へ支払われる手数料は、案件の規模にかかわらず必ず定額でなければならない。
  • ③中小M&Aガイドラインは、譲渡側・譲受側向けの基本事項に加え、支援機関向けの行動指針も示している。
  • ④登録FA・仲介業者の一覧は公表されており、中小企業が支援機関を選ぶ際の判断材料として活用できる。
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正解 ②登録を受けたFA・仲介業者へ支払われる手数料は、案件の規模にかかわらず必ず定額でなければならない。
解説
M&A支援機関登録制度は、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を整備するため、中小M&Aガイドラインの遵守を宣言した支援機関を国が登録・公表する制度です。手数料の定め方自体を一律に規制するものではなく、中小M&Aガイドラインは手数料の考え方の目安を示すにとどまるため、「必ず定額でなければならない」という記述は誤りです。

他の選択肢が正しい理由
①は登録要件として中小M&Aガイドラインの遵守宣言とホームページ掲載が求められているという正しい説明です。③は中小M&Aガイドラインが中小企業向けの基本事項と支援機関向けの行動指針の両方を示しているという正しい説明です。④は登録FA・仲介業者の一覧が公表され、中小企業の支援機関選びに活用できるという正しい説明です。
問77-8

事業承継・引継ぎ支援センターの役割に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①民間のM&A仲介会社が、国から委託を受けることなく独自に運営している相談窓口である。
  • ②後継者が決まっている企業の株式評価のみを専門に行う機関であり、相談内容は限定されている。
  • ③後継者不在企業と譲受け希望企業とのマッチング等を、全国47都道府県で無料で行っている。
  • ④相談を受けられるのは株式会社のみに限られ、個人事業主からの相談は受け付けていない。
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正解 ③後継者不在企業と譲受け希望企業とのマッチング等を、全国47都道府県で無料で行っている。
解説
事業承継・引継ぎ支援センターは、後継者不在などの事業承継の悩みを抱える中小企業・小規模事業者を支援するため、全国47都道府県に設置されている公的相談窓口です。親族内承継に関する相談だけでなく、後継者不在企業と譲受けを希望する企業とのM&Aマッチング支援などを原則無料で行っています。

他の選択肢が誤りの理由
①は民間が独自に運営しているのではなく、国の委託を受けた機関が運営する公的な相談窓口であるため誤りです。②は株式評価のみに特化した機関ではなく、事業承継全般やM&Aマッチングまで幅広く扱うため誤りです。④は株式会社に限らず個人事業主からの相談も受け付けているため誤りです。
問87-8

事業承継やM&Aに関連する補助金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①事業承継やM&Aを機に経営革新等に挑戦する中小企業等の設備投資費用を補助する枠がある。
  • ②M&Aの実施に際して専門家に支払う手数料等の費用の一部を補助する枠が設けられている。
  • ③廃業を選択した事業者の再チャレンジに要する費用の一部を補助する枠も設けられている。
  • ④補助の対象は登録M&A支援機関を一切介さず個人間のみで完結させたM&Aのみに限られる。
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正解 ④補助の対象は登録M&A支援機関を一切介さず個人間のみで完結させたM&Aのみに限られる。
解説
事業承継・M&A補助金は、事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦を後押しする制度で、経営革新等に取り組む費用を補助する枠、M&Aに係る専門家活用費用を補助する枠、廃業・再チャレンジに要する費用を補助する枠など複数の類型で構成されています。専門家活用枠の申請区分ではM&A支援機関登録制度に登録された支援機関の活用が前提となる場合があり、「登録支援機関を一切介さないM&Aのみに限られる」という記述は実態と逆であるため誤りです。

他の選択肢が正しい理由
①は経営革新等に挑戦する中小企業の設備投資等を補助する枠が設けられているという正しい説明です。②はM&Aに係る専門家への手数料等の費用を補助する枠が設けられているという正しい説明です。③は廃業・再チャレンジに要する費用を補助する枠も設けられているという正しい説明です。
問97-8

個人事業者向けの事業承継税制(個人版事業承継税制)の対象資産に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①対象資産は事業用の宅地・建物・一定の減価償却資産であり、自社株式は含まれない。
  • ②対象となる資産は自社株式のみに限られており、事業用の宅地や建物は含まれない。
  • ③この制度は法人版事業承継税制と全く同一の対象資産・猶予割合で運用されている。
  • ④この制度の適用を受けるためには、後継者が必ず複数人存在していなければならない。
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正解 ①対象資産は事業用の宅地・建物・一定の減価償却資産であり、自社株式は含まれない。
解説
個人版事業承継税制は、個人事業者の事業用資産に係る贈与税・相続税の納税を猶予・免除する制度です。対象となるのは事業用の宅地等・建物・一定の機械装置等の減価償却資産であり、株式を対象とする法人版事業承継税制とは対象資産の性質が異なります。

他の選択肢が誤りの理由
②は対象資産の説明が法人版と個人版で入れ替わっており、個人版の対象は自社株式ではなく事業用資産であるため誤りです。③は対象資産の範囲が法人版(自社株式)と個人版(事業用資産)で異なっており、全く同じ制度設計ではないため誤りです。④は個人版の適用に後継者が複数人であることは要件とされていないため誤りです。
問107-8

後継者を誰に求めるかによる事業承継の分類について、最も適切な説明はどれか。

  • ①事業承継の類型は親族内承継のみとされ、従業員承継や社外への引継ぎは含まれない。
  • ②事業承継の類型は、親族内承継、従業員等承継、社外への引継ぎ(M&A等)に大別される。
  • ③従業員等への承継は法律上禁止されているため、実務で選択されることは一切ない。
  • ④社外への引継ぎ(M&A等)は大企業同士の再編のみに限られ、中小企業では利用できない。
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正解 ②事業承継の類型は、親族内承継、従業員等承継、社外への引継ぎ(M&A等)に大別される。
解説
中小企業の事業承継は、子や親族に承継する親族内承継、役員・従業員等に承継する従業員承継、株式譲渡や事業譲渡等により社外の第三者に引き継ぐM&A等の3類型に大別されます。近年は後継者不在等を背景に、親族内承継の割合が低下し、従業員承継やM&Aによる第三者承継の重要性が高まっています。

他の選択肢が誤りの理由
①は事業承継の類型を親族内承継のみに限定しており、従業員承継やM&Aによる社外への引継ぎという類型を欠くため誤りです。③は従業員等への承継が法律上禁止されているという事実はなく、実際に広く行われている類型であるため誤りです。④はM&Aによる事業承継は大企業に限られたものではなく、中小企業でも事業承継・引継ぎ支援センターやM&A支援機関登録制度等を通じて広く活用されているため誤りです。

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