2026年版・5-8

倒産法制・事業再生の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経営法務」から、倒産法制・事業再生に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-8

破産法・民事再生法・会社更生法の目的や対象に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①民事再生法は法人のみを対象とし、個人が申し立てることは認められていない手続である。
  • ②破産法・民事再生法・会社更生法は、いずれも事業の清算のみを目的とする手続である。
  • ③会社更生法は、株式会社に限らず個人事業主も広く対象とすることができる手続である。
  • ④破産法は清算型手続だが、民事再生法及び会社更生法は事業の再建を目指す手続である。
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正解 ④破産法は清算型手続だが、民事再生法及び会社更生法は事業の再建を目指す手続である。
解説
破産法は債務者の財産を換価して債権者に公平に配当し、法人であればその法人格を消滅させる清算型の倒産処理手続です。これに対し、民事再生法及び会社更生法は、経済的に窮境にある債務者について事業の維持・再建を図ることを目的とする再建型の手続です。民事再生法は法人・個人を問わず広く利用できるのに対し、会社更生法の対象は株式会社に限定されています。

他の選択肢が誤りの理由
②は民事再生法・会社更生法は事業の再建を目的とする再建型の手続であり、清算のみを目的とするものではないため誤りです。③は会社更生法の対象は株式会社に限定されており、個人事業主は対象とならないため誤りです。①は民事再生法は法人だけでなく個人(個人再生手続を含む)も申し立てることができる手続であるため誤りです。
問25-8

民事再生手続における経営者の地位に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①民事再生手続では、原則として従来の経営者が業務遂行権と財産管理処分権を維持し進める。
  • ②民事再生手続を申し立てると、常に管財人が選任され従来の経営者は経営権を失う。
  • ③民事再生手続では、裁判所が選任する監督委員という機関が置かれることは想定されていない。
  • ④民事再生手続における経営者は、いかなる場合でも裁判所や監督委員の監督を受けない。
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正解 ①民事再生手続では、原則として従来の経営者が業務遂行権と財産管理処分権を維持し進める。
解説
民事再生手続は、裁判所が選任する監督委員による監督のもとで、従来の経営者(債務者)がそのまま業務遂行権及び財産の管理処分権を維持して手続を進めるDIP型(Debtor In Possession型)を原則としています。会社更生手続のように管財人に経営権が全面的に移るわけではない点が特徴です。

他の選択肢が誤りの理由
②は民事再生手続は原則として管財人を選任しないDIP型であり、財産の管理処分が著しく失当である等の例外的な場合に限り管理命令によって管財人が選任されるため、常に管財人が選任されるというのは誤りです。③は民事再生手続では裁判所が選任する監督委員が置かれ、再生債務者の業務・財産の管理が適正に行われるよう監督する仕組みが一般的に用いられているため誤りです。④は民事再生手続における経営者は、重要な財産の処分等の一定の行為について監督委員の同意を要するなど監督を受けるため誤りです。
問35-8

会社更生手続における経営権の帰属に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①会社更生手続が開始しても、従来の取締役が退任することなく経営権を持ち続ける。
  • ②会社更生手続が開始すると、会社の経営権は裁判所選任の更生管財人に専属して移る。
  • ③会社更生手続における更生管財人は、株主総会の決議によって選任される機関である。
  • ④会社更生手続では、更生管財人が選任されても旧経営陣との共同経営が原則となる。
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正解 ②会社更生手続が開始すると、会社の経営権は裁判所選任の更生管財人に専属して移る。
解説
会社更生手続では、手続開始決定と同時に裁判所によって更生管財人が選任され、会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分をする権利は更生管財人に専属します。従来の経営陣(取締役等)はその地位を失い、経営から離脱するのが原則です。この点で、経営者が地位を維持する民事再生手続とは大きく異なります。

他の選択肢が誤りの理由
①は会社更生手続が開始すると経営権は更生管財人に専属し、従来の取締役は原則として退任するため誤りです。③は更生管財人は株主総会の決議ではなく裁判所によって選任される機関であるため誤りです。④は更生管財人が選任されると経営権はその管財人に専属するのが原則であり、旧経営陣との共同経営を原則とするものではないため誤りです。
問45-8

破産手続における破産管財人に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①破産管財人には、破産財団に属する財産を管理・処分する権限が一切与えられない。
  • ②破産管財人は、債務者(破産者)自身が引き続き務めることが原則である。
  • ③破産手続が開始すると、破産財団の管理処分権は破産管財人に専属することになる。
  • ④破産管財人の選任は、破産者と主要な債権者との合意によって行われるものである。
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正解 ③破産手続が開始すると、破産財団の管理処分権は破産管財人に専属することになる。
解説
破産手続開始の決定がされると、破産者の財産(破産財団)の管理及び処分をする権利は、裁判所により選任される破産管財人に専属します(破産法78条)。破産管財人は、破産財団に属する財産を換価し、債権者への配当の原資とする職務を担う中立的な機関です。

他の選択肢が誤りの理由
②は破産管財人は債務者本人ではなく、裁判所によって選任される弁護士等の第三者が就任するのが通常であるため誤りです。①は破産財団の管理処分権はまさに破産管財人に専属するのであり、権限が一切与えられないというのは誤りです。④は破産管財人は裁判所によって選任される機関であり、破産者と債権者との合意によって選任されるものではないため誤りです。
問55-8

破産法上の否認権制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①否認権制度は、破産手続開始前に行われた行為の効力には一切影響を及ぼさない制度である。
  • ②否認権は、破産手続開始後に破産者が行った行為についてのみ行使することができる。
  • ③否認権の行使によっても、いったん第三者に移転した財産を破産財団に取り戻すことはできない。
  • ④否認権制度には、債権者を害する行為の否認と、債権者間の平等を害する行為の否認がある。
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正解 ④否認権制度には、債権者を害する行為の否認と、債権者間の平等を害する行為の否認がある。
解説
否認権制度は、破産手続開始前に破産者が行った行為の効力を否定し、逸出した財産を破産財団に回復させる制度です。破産者の財産を積極的に減少させて債権者全体を害する行為を対象とする詐害行為否認と、特定の債権者にのみ弁済をする等して債権者間の平等を害する行為を対象とする偏頗行為否認とに大別されます。

他の選択肢が誤りの理由
②は否認権の対象となるのは、破産手続開始「後」ではなく開始「前」に破産者が行った行為であるため誤りです。③は否認権が行使され認められると、逸出した財産や利益を破産財団に回復させる効果が生じるため、取り戻すことができないというのは誤りです。①は否認権制度はまさに破産手続開始前の行為の効力を否定し、財産を破産財団に取り戻すための制度であり、効力に影響を及ぼさないというのは誤りです。
問65-8

支払不能後の相殺に関する破産法上の規律に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①破産者に対する債務者が、支払不能後に他人の破産債権を取得して行う相殺は制限される。
  • ②破産手続が開始される前の相殺は、破産手続との関係で常に無制限に認められる。
  • ③破産債権者による相殺権の行使は、破産法上いかなる場面でも認められていない。
  • ④支払不能後に生じた事情による相殺制限は、破産債権者間の公平とは無関係な規律である。
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正解 ①破産者に対する債務者が、支払不能後に他人の破産債権を取得して行う相殺は制限される。
解説
破産法71条・72条は、破産者に対して債務を負担する者が、支払不能になった後に破産者に対する債権を他人から取得し、これを自働債権として相殺することなどを制限しています。支払不能後にあえて破産債権を買い集めて相殺により優先的な満足を得ようとする行為を防ぎ、破産債権者間の公平を確保する趣旨です。

他の選択肢が誤りの理由
②は破産法は支払不能後や破産手続開始後の一定の相殺について制限を設けており、常に無制限に認められるわけではないため誤りです。③は破産債権者は、破産手続によらずに相殺をすることが原則として認められており(破産法67条)、相殺権の行使が一切認められないというのは誤りです。④は相殺制限の趣旨はまさに破産債権者間の公平を確保することにあるため、無関係な規律というのは誤りです。
問75-8

会社法上の特別清算に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①特別清算は、破産手続と同様に個人事業主も対象に含めて利用できる手続である。
  • ②特別清算は株式会社のみ対象で、清算に著しい支障がある場合に利用される。
  • ③特別清算の手続を進めるにあたり、債権者の同意を得る必要は一切ない。
  • ④特別清算においては、破産手続と同様に否認権の制度が設けられる。
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正解 ②特別清算は株式会社のみ対象で、清算に著しい支障がある場合に利用される。
解説
特別清算は会社法に基づく清算型の手続であり、対象は株式会社に限られます。清算中の株式会社に債務超過の疑いがある場合や、清算の遂行に著しい支障を来す事情がある場合に、裁判所の監督のもとで進められます。破産手続に比べて簡易・柔軟に進められる一方、和解型の特別清算では債権者の同意を得ることが手続を円滑に進める鍵となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は特別清算は会社法上の制度であり、対象は株式会社に限られ、個人事業主は対象に含まれないため誤りです。③は特別清算(特に協定型)を円滑に進めるには債権者集会での協定案の可決等、債権者の同意に相当する手続が重要な意味を持つため誤りです。④は特別清算には破産手続のような否認権の制度は設けられておらず、この点も破産手続との相違点とされているため誤りです。
問85-8

中小企業活性化協議会による中小企業の再生支援に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①中小企業活性化協議会は、中小企業の再生支援ではなく新規創業の支援のみを行う機関である。
  • ②中小企業活性化協議会による支援を受けるには、必ず裁判所への法的倒産手続の申立てが前提となる。
  • ③中小企業活性化協議会は、収益力に問題を抱える中小企業に対し、私的整理による再生支援等を行う。
  • ④中小企業活性化協議会による支援策は、大企業向けの制度であり中小企業は対象としていない。
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正解 ③中小企業活性化協議会は、収益力に問題を抱える中小企業に対し、私的整理による再生支援等を行う。
解説
中小企業活性化協議会は、収益力の改善や事業再生に取り組む中小企業を支援するために各都道府県の商工会議所等に設置されている公的機関です。裁判所を通さない私的整理の枠組みの中で、専門家の派遣や再生計画の策定支援などを行い、中小企業の実情に応じた再生を後押ししています。

他の選択肢が誤りの理由
②は中小企業活性化協議会による支援は裁判所を利用しない私的整理を中心とするものであり、法的倒産手続の申立てを前提とするものではないため誤りです。①は中小企業活性化協議会の主要な機能の一つは収益力改善・事業再生の支援であり、創業支援のみに限られるものではないため誤りです。④は名称のとおり中小企業を対象とする支援機関であり、大企業向けの制度ではないため誤りです。
問95-8

事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①事業再生ADRは、対象債権者を問わずすべての債権者を一律に法的に拘束する制度である。
  • ②事業再生ADRは、必ず裁判所の判決によって手続の成立が確定される制度である。
  • ③事業再生ADRを利用するためには、あらかじめ破産手続開始の申立てをしておく必要がある。
  • ④事業再生ADRは、経済産業大臣の認証を受けた第三者機関が関与する私的整理の手法である。
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正解 ④事業再生ADRは、経済産業大臣の認証を受けた第三者機関が関与する私的整理の手法である。
解説
事業再生ADRは、産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認証を受けた第三者機関(認証紛争解決事業者)が中立的な立場で関与し、債務者と債権者との間の私的整理による事業再生を支援する裁判外の手続です。法的整理に比べて非公表で進めやすく、対象を主要な金融債権者に絞ることができる等の特徴があります。

他の選択肢が誤りの理由
②は事業再生ADRは裁判外の手続であり、裁判所の判決によって成立が確定されるものではないため誤りです。③は事業再生ADRは法的倒産手続によらずに私的に再生を図る手法であり、あらかじめ破産手続開始の申立てをしておくことは前提とされていないため誤りです。①は事業再生ADRによる合意は、原則として合意した債権者のみを拘束するものであり、合意していないすべての債権者を一律に法的拘束するものではないため誤りです。
問105-8

破産手続における別除権に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①抵当権等の担保権を有する債権者は、破産手続によらずにその権利を行使できるのが原則である。
  • ②別除権を有する債権者は、担保目的物についても破産手続に参加しなければ一切権利行使できない。
  • ③別除権とは、破産手続開始後に新たに取得した担保権に基づいて認められる特別な権利をいう。
  • ④別除権を有する債権者は、破産手続上、他の破産債権者と全く同順位で扱われるにすぎない。
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正解 ①抵当権等の担保権を有する債権者は、破産手続によらずにその権利を行使できるのが原則である。
解説
破産法上、破産財団に属する財産について特別の先取特権、質権又は抵当権を有する者は、その権利の目的である財産について別除権を有し、破産手続によらないでその権利を行使することができます(破産法2条9項、65条)。担保権者は破産手続の中で配当を待つのではなく、担保目的物を実行して優先的に債権の回収を図ることができます。

他の選択肢が誤りの理由
②は別除権を有する債権者は破産手続によらずに担保目的物について権利行使できる点に別除権の意義があり、破産手続への参加を要するというのは誤りです。③は別除権の基礎となる担保権は、破産手続開始前から有していたものが通常であり、開始後に新たに取得した担保権に基づく特別な権利という説明は誤りです。④は別除権者は担保目的物について優先的に回収を図ることができる点で、一般の破産債権者とは異なる優先的な地位にあるため、全く同順位というのは誤りです。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。