2026年版・5-5

特許権・実用新案権の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経営法務」から、特許権・実用新案権に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-5

特許権の存続期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①特許権の存続期間は、原則として、特許出願をした日から20年をもって終了する。
  • ②特許権の存続期間は、原則として特許権の設定登録の日から20年をもって終了する。
  • ③特許権の存続期間は、発明が完成した日を起算点として計算されるのが原則である。
  • ④特許権の存続期間は、出願人が希望すれば更新登録を重ねて延長し続けられる。
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正解 ①特許権の存続期間は、原則として、特許出願をした日から20年をもって終了する。
解説
特許法67条1項により、特許権の存続期間は、原則として特許出願の日から20年をもって終了します。存続期間の起算点が登録日ではなく出願日である点は、商標権(登録日から10年)と異なり間違えやすいので注意が必要です。

他の選択肢が誤りの理由
②は起算点は特許権の設定登録の日ではなく特許出願の日であるため誤りです。③は起算点は発明の完成日ではなく特許出願の日であるため誤りです。④は特許権は商標権と異なり更新登録の制度を持たず、原則として出願から20年で確定的に消滅するため誤りです(医薬品等の一部について別途延長登録制度はあるが、更新を重ねて半永久的に存続させる制度ではない)。
問25-5

医薬品分野における特許権の存続期間の延長登録制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①医薬品の特許権については、存続期間の延長という制度自体が一切認められていない。
  • ②安全性等の審査で実施できなかった期間を考え、最大5年間、存続期間を延長できる。
  • ③延長登録によって、特許権の存続期間を無制限に延長することが認められている。
  • ④存続期間の延長登録は、医薬品の製造販売承認の有無にかかわらず常に認められる。
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正解 ②安全性等の審査で実施できなかった期間を考え、最大5年間、存続期間を延長できる。
解説
特許法67条により、医薬品や農薬のように安全性等の確保を目的とする法律の規定による許可等を得るのに長期間を要し、その間特許発明を実施できなかった場合には、その実施できなかった期間について、最大5年を限度として存続期間の延長登録を受けることができます。これにより出願から最長25年まで保護が及ぶ場合があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は医薬品分野には特許法67条に基づく存続期間の延長登録制度が現に設けられており、認められていないというのは誤りです。③は延長が認められる期間には上限があり、実施できなかった期間を基礎として算定される最大5年が上限であって、無制限に延長できるわけではないため誤りです。④は延長登録を受けるには、政令で定める処分(製造販売承認等)を受けたことなど所定の要件を満たす必要があり、承認の有無にかかわらず常に認められるわけではないため誤りです。
問35-5

実用新案権の存続期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①実用新案権の存続期間は、実用新案登録の日から10年をもって終了する。
  • ②実用新案権の存続期間は、特許権と同じく出願の日から20年をもって終了する。
  • ③実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から10年をもって終了する。
  • ④実用新案権の存続期間は、更新登録により半永久的に存続させることができる。
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正解 ③実用新案権の存続期間は、実用新案登録出願の日から10年をもって終了する。
解説
実用新案法15条により、実用新案権の存続期間は実用新案登録出願の日から10年をもって終了します。実用新案は物品の考案について早期に権利を付与する制度であるため、特許権(出願日から20年)に比べて存続期間が短く設定されています。

他の選択肢が誤りの理由
②は実用新案権の存続期間は特許権より短い10年であり、20年ではないため誤りです。①は起算点は登録の日ではなく登録出願の日であるため誤りです。④は実用新案権には商標権のような更新登録制度はなく、出願から10年の経過により確定的に消滅するため誤りです。
問45-5

実用新案制度の無審査主義及び保護対象に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①実用新案制度における保護対象には、物品の形状・構造に関する考案は含まれない。
  • ②実用新案登録出願も特許出願と同様に、出願のたびに新規性・進歩性の実体審査を受ける。
  • ③実用新案制度は、物を生産する方法に関する考案を主な保護対象とする制度である。
  • ④実用新案登録出願は、新規性等の実体審査を経ずに、方式審査等を経て登録される。
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正解 ④実用新案登録出願は、新規性等の実体審査を経ずに、方式審査等を経て登録される。
解説
実用新案制度は、早期の権利付与を重視し、方式要件や基礎的要件のみを審査し、新規性・進歩性といった実体的な登録要件の審査(実体審査)を行わない無審査主義を採用しています。これにより出願から短期間で登録を受けることができますが、権利の安定性は特許権に比べて低くなります。

他の選択肢が誤りの理由
②は実用新案登録出願は無審査主義が採られており、特許出願のような新規性・進歩性の実体審査を経ずに登録されるため誤りです。③は実用新案の保護対象は物品の形状、構造又はこれらの組合せに係る考案であり、方法に関する考案は保護対象に含まれないため誤りです。①は物品の形状・構造に関する考案はまさに実用新案制度の中心的な保護対象であり、含まれないというのは誤りです。
問55-5

特許を受けるための実体的要件に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①特許を受けるには、発明の新規性、進歩性、産業上の利用可能性が必要とされる。
  • ②特許を受けるためには、発明の産業上利用可能性は考慮する必要がないとされる。
  • ③特許を受けるには新規性のみが要件とされ、進歩性の有無は問われないとされる。
  • ④特許を受けるための要件は、出願人が中小企業であるかどうかによって異なる。
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正解 ①特許を受けるには、発明の新規性、進歩性、産業上の利用可能性が必要とされる。
解説
特許法上、特許を受けるためには、産業上利用することができる発明であること(産業上利用可能性)、出願前に公知になっていないこと(新規性)、当業者が容易に発明をすることができたものでないこと(進歩性)等の要件を満たす必要があります(特許法29条等)。これらの要件を欠く発明には特許権は付与されません。

他の選択肢が誤りの理由
②は産業上利用可能性は特許を受けるための基本的な要件の一つであり、考慮不要というのは誤りです。③は新規性を満たしていても、当業者が容易に想到できる発明であれば進歩性を欠くとして特許を受けられないため、進歩性を問わないというのは誤りです。④は特許を受けるための実体的要件は出願人の企業規模にかかわらず共通して適用されるため誤りです(なお、出願料等の減免措置は中小企業向けに設けられていますが、特許を受けるための実体的要件そのものが変わるわけではありません)。
問65-5

職務発明制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①職務発明については、特許を受ける権利は契約等の定めにかかわらず使用者に帰属する。
  • ②契約等で特許を受ける権利を使用者に帰属させた場合、従業者は相当の利益を受ける。
  • ③職務発明に関して従業者が受ける相当の利益は、必ず金銭以外の方法で与えられる。
  • ④職務発明という制度では、使用者が特許を受ける権利を取得することを認めていない。
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正解 ②契約等で特許を受ける権利を使用者に帰属させた場合、従業者は相当の利益を受ける。
解説
平成27年改正特許法35条により、契約、勤務規則その他の定めにより、職務発明について特許を受ける権利を初めから使用者等に取得させることを定めたときは、その特許を受ける権利は発生した時から使用者等に帰属します。この場合、発明をした従業者等は、相当の金銭その他の経済上の利益(相当の利益)を受ける権利を有します。

他の選択肢が誤りの理由
①は職務発明について特許を受ける権利が使用者に帰属するのは、契約や勤務規則等であらかじめそのように定めた場合に限られ、定めがなければ発明者である従業者に原始的に帰属するため誤りです。③は相当の利益は金銭に限らず、ストックオプションの付与や留学の機会の提供等、金銭以外の経済上の利益による付与も認められているため、金銭以外に限定されるという点も含め誤りです。④は職務発明制度は、契約等の定めによって使用者が特許を受ける権利を原始取得することを認めており、一切認めていないというのは誤りです。
問75-5

特許出願における新規性喪失の例外規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①発明を自ら公開した場合には、いかなる場合であっても新規性を回復する手段は存在しない。
  • ②新規性喪失の例外規定の適用を受けるには、発明の公開から3年以内に出願すれば足りるとされる。
  • ③発明が公開された日から1年以内なら、所定の手続を経て新規性喪失の例外を受けられ得る。
  • ④新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続は、出願と同時に行う必要は全くない。
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正解 ③発明が公開された日から1年以内なら、所定の手続を経て新規性喪失の例外を受けられ得る。
解説
特許法30条により、特許を受ける権利を有する者の行為等に起因して発明が公知となった場合、その発明が最初に公開された日から1年以内に特許出願をし、出願時にその旨を記載した書面を提出し、出願後30日以内に証明書を提出する等の要件を満たせば、その公開された発明は新規性の判断において公知の発明でなかったものとみなされます。

他の選択肢が誤りの理由
②は新規性喪失の例外規定の適用を受けられる出願の期間は公開から1年以内であり、3年以内ではないため誤りです。①は新規性喪失の例外規定によって、自ら公開した発明であっても要件を満たせば新規性を喪失しなかったものとみなす救済が用意されているため、回復手段が存在しないというのは誤りです。④は例外規定の適用を受けるには、特許出願の際にその旨を記載した書面を提出する必要があり、出願時の手続を要しないというのは誤りです。
問85-5

パリ条約に基づく優先権制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①パリ条約による優先権の期間は、特許・実用新案・意匠・商標のすべてで統一されている。
  • ②特許及び実用新案について認められる優先期間は、最初の出願の日から6か月である。
  • ③パリ条約による優先権は、意匠及び商標については一切主張することができない。
  • ④特許及び実用新案について認められる優先期間は、最初の出願の日から12か月である。
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正解 ④特許及び実用新案について認められる優先期間は、最初の出願の日から12か月である。
解説
パリ条約に基づく優先権制度では、同盟国の一国に最初の出願をした後、一定の期間内に他の同盟国に出願すれば、新規性等の判断において最初の出願日にされたものとして扱われます。この優先期間は、特許及び実用新案については12か月、意匠及び商標については6か月とされています。

他の選択肢が誤りの理由
②は特許及び実用新案の優先期間は12か月であり、6か月ではないため誤りです(6か月は意匠・商標の期間です)。③はパリ条約による優先権は意匠及び商標についても認められており、期間が6か月と短いだけで主張自体ができないわけではないため誤りです。①は優先期間は権利の種類によって異なり、特許・実用新案は12か月、意匠・商標は6か月と統一されていないため誤りです。
問95-5

特許出願の出願公開制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①特許出願は、原則として、出願日から1年6か月を経過した時点で出願公開される。
  • ②特許出願の内容は、出願人が公開を希望しない限り公開されることは一切ない。
  • ③出願公開がされても、第三者による実施に対して出願人が補償金を請求する制度はない。
  • ④出願公開の制度は、実用新案登録出願には設けられていないが特許出願には存在する。
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正解 ①特許出願は、原則として、出願日から1年6か月を経過した時点で出願公開される。
解説
特許法64条により、特許出願は原則として出願の日から1年6か月を経過したときに出願公開され、その内容が特許公報に掲載されて第三者にも公にされます。出願人が早期の公開を望む場合は、出願公開の請求をしてより早く公開させることもできます。

他の選択肢が誤りの理由
②は出願公開は出願人の希望の有無にかかわらず、原則として出願から1年6か月の経過により行われるため誤りです。③は出願公開後に警告を行った場合等には、出願人は公開後から特許権の設定登録前までに業として発明を実施した者に対し、実施料相当額の補償金の支払を請求できる制度(特許法65条)が設けられているため誤りです。④は実用新案登録出願は無審査で早期に登録されるため出願公開の制度自体が置かれておらず、逆に特許出願には出願公開制度が存在するため、設問の記述は制度の有無が実際と逆であり誤りです。
問105-5

実用新案権の権利行使に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①実用新案権は無審査で登録されるため、権利行使に際して特段の配慮は一切不要とされる。
  • ②実用新案技術評価書は、実用新案登録出願時に特許庁が必ず職権で作成し添付するものである。
  • ③実用新案権者は、権利行使にあたり実用新案技術評価書を相手方に提示することが求められる。
  • ④実用新案権者が正当な評価書を提示しないまま権利行使しても、何ら責任を問われない。
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正解 ③実用新案権者は、権利行使にあたり実用新案技術評価書を相手方に提示することが求められる。
解説
実用新案権は新規性・進歩性等の実体審査を経ずに登録されるため権利内容が不安定になりやすく、実用新案法29条の2により、実用新案権者が権利を行使するに当たっては、あらかじめ相手方に実用新案技術評価書を提示して警告をすることが求められています。実用新案技術評価書は特許庁の審査官が新規性・進歩性等について評価した書類です。

他の選択肢が誤りの理由
①は無審査で登録されるからこそ、濫用的な権利行使を防ぐために評価書の提示等の配慮が制度上求められており、不要というのは誤りです。②は実用新案技術評価書は特許庁が職権で自動的に作成するものではなく、何人でも特許庁長官に対して評価を請求することによって作成されるため誤りです。④は評価書提示等をせずに権利行使をし、後にその実用新案登録が無効にされた場合、権利行使をした者は相手方に生じた損害を賠償する責任を負う旨が定められているため誤りです。

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