2026年版・4-7

サプライチェーンマネジメントの一問一答

中小企業診断士(一次試験)「運営管理」から、サプライチェーンマネジメントに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-7

サプライチェーンマネジメント(SCM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①自社工場内の生産ラインだけを対象にして、機械の配置を最適化する活動のことである。
  • ②原材料の調達から生産・販売までの流れを、企業の枠を越え統合的に管理する考え方である。
  • ③自社の財務諸表を分析し、株主に対する利益還元の方針を決定するための考え方のことである。
  • ④製品の広告宣伝や販売促進の手法のみを検討する、マーケティング上の考え方である。
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正解 ②原材料の調達から生産・販売までの流れを、企業の枠を越え統合的に管理する考え方である。
解説
サプライチェーンマネジメント(SCM)は、原材料の調達、生産、物流、販売、そして消費者に至るまでの一連のモノ・情報・お金の流れを、一つの企業内にとどまらず、取引先や協力企業も含めた企業の枠を越えて統合的に管理し、サプライチェーン全体の効率とスピードを最適化しようとする経営管理の考え方です。

他の選択肢が誤りの理由
①は自社工場内のレイアウト最適化に限定した説明であり、企業の枠を越えた最適化を目指すSCMの範囲より狭いため誤りです。③は財務諸表分析や株主還元方針の説明であり、SCMとは異なる分野です。④は広告宣伝など販売促進のみに限定した説明であり、SCMがモノの流れ全体を対象とする点と異なるため誤りです。
問24-7

サプライチェーンにおけるブルウィップ効果に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①小売店の需要変動が、卸売業者やメーカーへとさかのぼるにつれ、次第に小さく収束する現象である。
  • ②サプライチェーンの参加者間で需要情報を共有すればするほど、かえって需要変動が拡大してしまう現象である。
  • ③小売店における需要のわずかな変動が、川上の卸売業者やメーカーへとさかのぼるほど増幅される現象である。
  • ④サプライチェーン全体の在庫量が常に一定に保たれ、需要変動の影響を全く受けなくなる現象である。
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正解 ③小売店における需要のわずかな変動が、川上の卸売業者やメーカーへとさかのぼるほど増幅される現象である。
解説
ブルウィップ効果とは、サプライチェーンの末端である小売店における需要のわずかな変動が、卸売業者、メーカー、さらに原材料の供給者へと川上にさかのぼるにつれて、まとめ発注や需要予測の不確実性などにより次第に大きく増幅されていく現象です。名前の由来は、鞭(むち)を振った際に手元の小さな動きが先端で大きく振れる様子に似ていることにあります。

他の選択肢が誤りの理由
①は変動が小さく収束するとしていますが、実際には川上にさかのぼるほど変動が拡大するため誤りです。②は需要情報の共有が変動を拡大させるとしていますが、実際には情報共有の不足こそがブルウィップ効果の主な発生原因の一つであり、記述は逆であるため誤りです。④は在庫量が常に一定に保たれるとしていますが、ブルウィップ効果はむしろ在庫量の変動を増幅させる現象であるため誤りです。
問34-7

サプライチェーンにおけるデカップリングポイントに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①複数の仕入先から同一部品を購入する際に、価格を比較検討するための基準となる指標のことである。
  • ②製品の輸送手段を陸運・海運・空運のいずれにするかを決定するための評価指標のことである。
  • ③工場内の複数のライン間で、生産数量の配分比率を自動的に決定するアルゴリズムのことである。
  • ④見込生産部分と受注生産部分の境目に置かれる在庫のことで、この位置より川下は受注に応じて動く。
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正解 ④見込生産部分と受注生産部分の境目に置かれる在庫のことで、この位置より川下は受注に応じて動く。
解説
デカップリングポイントとは、需要予測に基づいてあらかじめ生産・在庫する見込生産の部分と、顧客からの実際の注文に応じて動く受注生産の部分との境目に置かれる在庫のことです。この位置をどこに設定するかによって、リードタイムの短さと在庫リスクの小ささのバランスが決まり、生産方式(受注生産・見込生産・受注組立生産など)の設計に直結します。

他の選択肢が誤りの理由
①は仕入先の価格比較に関する指標の説明であり、デカップリングポイントとは異なる概念です。②は輸送手段の選定基準の説明であり、デカップリングポイントとは異なる概念です。③は生産数量配分のアルゴリズムの説明であり、デカップリングポイントとは異なる概念です。
問44-7

VMI(ベンダー管理在庫、Vendor Managed Inventory)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①購入者側が自社の在庫水準を管理し、供給者に発注のタイミングと数量を都度指示する仕組みである。
  • ②供給者側が、購入者の販売・在庫情報をもとに、購入者の在庫補充を主体的に管理する仕組みである。
  • ③複数の供給者が共同で倉庫を保有し、在庫の保管コストのみを均等に分担する仕組みである。
  • ④製品の品質水準を、供給者ではなく購入者だけが単独で検査・保証する仕組みのことである。
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正解 ②供給者側が、購入者の販売・在庫情報をもとに、購入者の在庫補充を主体的に管理する仕組みである。
解説
VMI(Vendor Managed Inventory)は、通常は購入者側が行う発注業務を、供給者(ベンダー)側が購入者から共有された販売実績や在庫情報をもとに主体的に判断し、購入者の在庫を補充する仕組みです。購入者側は発注業務の負担が軽減され、供給者側も需要動向をより早く把握できるという利点があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は購入者が発注を指示する従来型の仕組みの説明であり、供給者が主体となるVMIとは主体が逆であるため誤りです。③は共同倉庫の保管コスト分担に関する説明であり、VMIとは異なる仕組みです。④は品質保証の主体に関する説明であり、VMIが在庫管理の仕組みである点と異なるため誤りです。
問54-7

CPFR(Collaborative Planning, Forecasting and Replenishment)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①複数の企業が共同で1つの工場を建設し、生産設備を共有して稼働させる取り組みのことである。
  • ②製品に不具合が見つかった際、リコール(回収)手順を業界横断で統一するための取り組みである。
  • ③取引先ごとに異なる伝票様式を、業界標準の様式に統一するためだけの取り組みのことである。
  • ④小売業者とメーカー間で、販売・需要予測・補充計画を共同策定し精度を高める取り組みである。
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正解 ④小売業者とメーカー間で、販売・需要予測・補充計画を共同策定し精度を高める取り組みである。
解説
CPFRは、小売業者とメーカーなど、サプライチェーンでつながる企業同士が、それぞれ独自に立てていた販売計画・需要予測・在庫補充計画を、情報を共有しながら共同で策定していく取り組みです。需要予測の精度を高め、ブルウィップ効果を抑制し、欠品や過剰在庫を減らすことを狙いとしています。

他の選択肢が誤りの理由
①は工場や設備の共同保有に関する説明であり、CPFRとは異なる取り組みです。②はリコール手順の統一に関する説明であり、CPFRとは異なる取り組みです。③は伝票様式の統一のみに限定した説明であり、CPFRが計画・予測・補充を共同で策定する取り組みである点と異なるため誤りです。
問64-7

サプライチェーンの分析枠組みであるSCORモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①Plan(計画)、Source(調達)、Make(製造)、Deliver(納品)、Return(返品)の5工程で捉える枠組みである。
  • ②Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)という4つのプロセスでサプライチェーンを捉える枠組みである。
  • ③Strength(強み)、Challenge(課題)、Opportunity(機会)、Risk(リスク)の4要素を分析する枠組みである。
  • ④Speed(速度)、Cost(コスト)、Order(受注)、Result(成果)という4要素のみでサプライチェーンを評価する枠組みである。
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正解 ①Plan(計画)、Source(調達)、Make(製造)、Deliver(納品)、Return(返品)の5工程で捉える枠組みである。
解説
SCOR(Supply Chain Operations Reference)モデルは、サプライチェーンの業務プロセスを、計画(Plan)、調達(Source)、製造(Make)、納品(Deliver)、返品(Return)という共通の5つのプロセスに分解して整理する分析の枠組みです。企業間でプロセスや指標の定義をそろえることで、自社のサプライチェーンの評価や他社とのベンチマーク比較がしやすくなります。

他の選択肢が誤りの理由
②はPDCAサイクルの説明であり、SCORモデルとは異なる枠組みです。③はSWOT分析の要素に似せた誤った組み合わせであり、SCORモデルの5プロセスとは異なります。④はSCORモデルで定義されている用語ではなく、正しい5プロセスの組み合わせとは異なるため誤りです。
問74-7

小売業における需要変化への迅速な対応を目指すQR(クイックレスポンス)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①POSデータを生産・供給側に伝え、リードタイムを短縮し需要変化に素早く対応する取り組みである。
  • ②店舗の陳列棚の高さを顧客の身長に合わせて調整し、購買率を高めようとする取り組みのことである。
  • ③製品の返品率を、季節ごとに一定の範囲内に収まるよう規制するための業界内の自主ルールのことである。
  • ④複数の小売業者が共同で行う、株主総会の招集通知に関する事務手続きの効率化のことである。
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正解 ①POSデータを生産・供給側に伝え、リードタイムを短縮し需要変化に素早く対応する取り組みである。
解説
QR(クイックレスポンス)は、主にアパレル業界を中心に広まった考え方で、POSシステムで得られる実際の販売情報を生産・供給側にすばやく伝達し、生産・調達・物流のリードタイムを短縮することで、流行や天候による需要変化に素早く対応し、欠品や売れ残りを減らそうとする取り組みです。食品・日用品業界における同様の考え方はECR(効率的消費者対応)と呼ばれます。

他の選択肢が誤りの理由
②は店舗什器の配置に関する説明であり、QRとは異なる取り組みです。③は返品率の自主規制に関する説明であり、QRとは異なる取り組みです。④は株主総会に関する事務手続きの説明であり、サプライチェーン上の取り組みであるQRとは無関係です。
問84-7

物流業務を専門業者に包括的に委託する3PL(サードパーティロジスティクス)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①荷主企業が物流子会社を新規に設立し、自社グループ内だけで配送業務を完結させる形態のことである。
  • ②荷主と運送会社の間で、1回限りのスポット輸送を単発で契約する形態のことを指す用語である。
  • ③荷主に代わり、物流業務の企画から運営までを専門の物流事業者が包括的に受託する形態である。
  • ④複数の荷主が共同で1台のトラックを予約し、輸送費用を均等に折半する形態のみを指す用語である。
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正解 ③荷主に代わり、物流業務の企画から運営までを専門の物流事業者が包括的に受託する形態である。
解説
3PL(Third Party Logistics)は、荷主企業自身でもなく、単なる運送会社(セカンドパーティ)でもない第三者の専門物流事業者が、物流戦略の企画・設計から倉庫管理・配送運営に至るまでを包括的に受託する形態です。荷主企業は物流業務を専門業者に任せることで、自社の経営資源を本業に集中させやすくなります。

他の選択肢が誤りの理由
①は自社グループ内で完結させる物流子会社の説明であり、第三者に委託する3PLの定義とは異なるため誤りです。②は単発のスポット輸送契約の説明であり、包括的な受託を特徴とする3PLとは異なります。④は共同配送の一形態のみに限定した説明であり、3PLが物流業務全般を包括的に受託する概念である点と異なるため誤りです。
問94-7

制約条件理論(TOC:Theory of Constraints)の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①サプライチェーン全体の産出量は、能力の高い工程(ボトルネック)の処理能力で決定されるという考え方である。
  • ②サプライチェーン全体の産出量は、能力の低い工程(ボトルネック)の処理能力で制約されるという考え方である。
  • ③サプライチェーンを構成するすべての工程の能力を均等にそろえることは、原理的に不可能であるとする考え方である。
  • ④サプライチェーン全体の産出量は、各工程が持つ能力の合計値によって単純に決定されるという考え方である。
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正解 ②サプライチェーン全体の産出量は、能力の低い工程(ボトルネック)の処理能力で制約されるという考え方である。
解説
制約条件理論(TOC)は、生産やサプライチェーンの全体の産出量(スループット)は、その中で最も処理能力が低い工程、すなわちボトルネック工程の能力によって制約されるという考え方です。全体最適を実現するには、まずボトルネック工程を特定し、その能力を最大限に活用し、必要に応じて能力を強化することが重要とされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は能力が最も高い工程が全体を決定するとしていますが、実際には最も能力が低い工程が制約となるため、記述が逆であり誤りです。③はすべての工程の能力を均等にそろえることが不可能だと断定していますが、これはTOCの主眼(ボトルネックの特定と活用)とは異なる主張であるため誤りです。④は各工程の能力を単純に合計するとしていますが、実際にはボトルネック工程の能力が全体を制約するため誤りです。
問104-7

サプライチェーンにおける調達リスクへの対応に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①特定の1社にのみ発注を集中させ、価格交渉力を最大化することが、調達リスク対策として常に最優先される。
  • ②重要な部材について複数の仕入先を確保しておくことは、コスト増につながるため、いかなる場合も避けるべきである。
  • ③自然災害等で特定の仕入先からの調達が途絶える事態に備え、複数調達先の確保や代替品の検討が有効である。
  • ④調達リスクは為替変動のみによって生じるものであり、仕入先の被災や倒産は調達リスクには含まれない。
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正解 ③自然災害等で特定の仕入先からの調達が途絶える事態に備え、複数調達先の確保や代替品の検討が有効である。
解説
サプライチェーンにおける調達リスクへの対応としては、地震などの自然災害や仕入先の経営破綻といった不測の事態により特定の調達先から部材が届かなくなる事態に備え、あらかじめ複数の仕入先を確保しておいたり、代替可能な部品・材料を検討しておいたりすることが有効な対策とされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は1社への発注集中を常に最優先すべきとしていますが、これは供給途絶時のリスクを高めるため、リスク対策としては適切とはいえず誤りです。②は複数調達先の確保をいかなる場合も避けるべきとしていますが、重要部材ほど複数調達によるリスク分散が有効であるため誤りです。④は調達リスクを為替変動のみに限定していますが、実際には仕入先の被災や倒産なども調達リスクに含まれるため誤りです。

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