2026年版・4-12

仕入・棚卸資産管理の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「運営管理」から、仕入・棚卸資産管理に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-12

小売業がどのように商品を仕入れるかを表す、買取仕入・委託仕入・消化仕入(売上仕入)という3つの形態の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①消化仕入は、商品が販売された時点で仕入が計上される形態で、小売業の在庫リスクを抑えられる。
  • ②買取仕入は、商品が販売された時点で初めて仕入が計上され、売れ残りのリスクは仕入先が負う形態である。
  • ③委託仕入は、小売業が仕入時点で商品の所有権を完全に取得し、売れ残りのリスクをすべて負う形態である。
  • ④消化仕入は、小売業が仕入時点で商品代金の全額を仕入先に一括前払いする形態を指す用語である。
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正解 ①消化仕入は、商品が販売された時点で仕入が計上される形態で、小売業の在庫リスクを抑えられる。
解説
消化仕入(売上仕入)は、商品を店頭に置いていても、実際に販売された時点で初めて仕入(および売上)が計上される仕入形態です。売れ残った商品は仕入先に返品される扱いとなるため、小売業側の在庫リスクを抑えられる点が特徴です。百貨店のアパレル売場等で用いられることがあります。

他の選択肢が誤りの理由
②は販売時点で初めて仕入が計上され仕入先がリスクを負うとしていますが、これは消化仕入の特徴であり買取仕入の説明としては誤りです。買取仕入は仕入時点で小売業が商品の所有権を取得し、売れ残りのリスクも小売業自身が負う形態です。③は仕入時点で所有権を完全取得しリスクを負うとしていますが、これは買取仕入の特徴であり委託仕入の説明としては誤りです。委託仕入は所有権が仕入先に残ったまま商品を預かる形態です。④は仕入時点での代金一括前払いを消化仕入の定義としていますが、消化仕入の本質は販売時点での仕入計上にあり、代金の前払いを意味する用語ではないため誤りです。
問24-12

先入先出法(FIFO)による棚卸資産の評価方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①先入先出法では、後から仕入れた商品から先に払い出されたと仮定して、期末棚卸資産の金額を計算する。
  • ②先入先出法では、先に仕入れた商品から先に払い出されたと仮定して、期末棚卸資産の金額を計算する。
  • ③先入先出法では、仕入の順序にかかわらず、期中の平均的な仕入単価のみを用いて払出単価を計算する。
  • ④先入先出法では、払出のたびに毎回異なる商品を無作為に選び出し、棚卸資産の金額を計算する方法である。
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正解 ②先入先出法では、先に仕入れた商品から先に払い出されたと仮定して、期末棚卸資産の金額を計算する。
解説
先入先出法(FIFO)は、先に仕入れた商品から先に払い出された(販売された)と仮定して、払出原価および期末の棚卸資産の金額を計算する評価方法です。物価が上昇している局面では、期末棚卸資産の金額が比較的新しい(高い)仕入単価に近くなる傾向があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は後から仕入れた商品から先に払い出されると仮定しており、先入先出法とは逆の仮定であるため誤りです。③は平均的な仕入単価のみを用いるとしていますが、これは移動平均法や総平均法の考え方であり、仕入順序を仮定する先入先出法の説明ではないため誤りです。④は払出のたびに無作為に商品を選ぶとしていますが、先入先出法は仕入の順序に基づく規則的な仮定に基づく方法であるため誤りです。
問34-12

商品の払出単価を計算する際に用いる移動平均法と総平均法の違いについての記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①移動平均法は、会計期間終了時に一度だけ平均単価を計算し、期中は前期の単価をそのまま用いる方法である。
  • ②総平均法は、商品を仕入れるたびにその都度平均単価を再計算し、直後の払出単価として用いる方法である。
  • ③移動平均法は仕入のたびに平均単価を再計算するが、総平均法は一定期間の平均単価を期末にまとめ計算する。
  • ④移動平均法と総平均法は、計算方法も算出される払出単価も常に完全に一致する、同一の評価方法である。
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正解 ③移動平均法は仕入のたびに平均単価を再計算するが、総平均法は一定期間の平均単価を期末にまとめ計算する。
解説
移動平均法は、商品を仕入れるたびにその都度平均単価を再計算し、以後の払出単価として用いる方法です。一方、総平均法は、一定期間(会計期間等)における仕入総額を仕入総数量で割ることで、期末にまとめて平均単価を計算する方法です。両者とも平均原価法の一種ですが、平均単価を計算するタイミングが異なります。

他の選択肢が誤りの理由
①は期中に前期の単価をそのまま用いるとしていますが、移動平均法は仕入のたびに平均単価を再計算する方法であるため誤りです。②は仕入のたびに平均単価を再計算するとしていますが、これは移動平均法の特徴であり総平均法の説明としては誤りです。総平均法は期末にまとめて計算します。④は両者の払出単価が常に完全に一致するとしていますが、計算のタイミングが異なるため、通常は算出される単価も異なるため誤りです。
問44-12

在庫として保有する商品が一定期間内に何回入れ替わったかを示す、商品回転率に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①商品回転率は、数値が低いほど在庫の効率的な運用ができていることを示す指標であるとされている。
  • ②商品回転率は、売上高や売上原価とは無関係に、店舗の売場面積のみから算出される指標である。
  • ③商品回転率は、一度算出した後は業態や商品カテゴリーが変わっても比較する意味を持たない指標とされる。
  • ④商品回転率は、一定期間の売上高を平均在庫高で割って算出し、数値が高いほど効率的な在庫運用を示す。
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正解 ④商品回転率は、一定期間の売上高を平均在庫高で割って算出し、数値が高いほど効率的な在庫運用を示す。
解説
商品回転率は、一定期間(通常1年間)の売上高または売上原価を平均在庫高で割って算出する指標で、在庫として保有する商品が期間内に何回転(入れ替わり)したかを示します。一般に数値が高いほど、少ない在庫で効率的に販売できていることを意味します。業態や取扱商品の性質によって適正水準は異なります。

他の選択肢が誤りの理由
①は数値が低いほど効率的であるとしていますが、実際には数値が高いほど効率的な在庫運用を示す指標であるため誤りです。②は売場面積のみから算出されるとしていますが、実際には売上高(または売上原価)と平均在庫高から算出される指標であるため誤りです。③は業態やカテゴリーが変わると比較する意味を持たないとしていますが、実際には同業態・同カテゴリー間の比較や、時系列での変化の把握に活用される指標であるため誤りです。
問54-12

商品回転率と粗利益率を掛け合わせて算出する、交差比率に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①交差比率は商品回転率と粗利益率を掛け合わせて算出し、数値が高いほど在庫効率と収益性が優れていることを示す。
  • ②交差比率は商品回転率と粗利益率を足し合わせて算出され、数値が低いほど収益性が優れていることを示す指標である。
  • ③交差比率は仕入原価と販売価格との差額のみで算出され、在庫の回転状況とは一切関係しない指標である。
  • ④交差比率は、粗利益率が低い商品ほど必ずより高い数値になる、粗利益率のみに依存する指標とされている。
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正解 ①交差比率は商品回転率と粗利益率を掛け合わせて算出し、数値が高いほど在庫効率と収益性が優れていることを示す。
解説
交差比率は、商品回転率と粗利益率を掛け合わせて算出する指標です。粗利益率が高くても在庫の回転が遅ければ、また回転が速くても粗利益率が低ければ、収益性は必ずしも高くありません。交差比率を用いることで、在庫効率と収益性の両面を合わせて商品や部門の評価を行うことができます。

他の選択肢が誤りの理由
②は掛け合わせではなく足し合わせて算出するとし、また数値が低いほど優れているとしていますが、実際には掛け合わせて算出し数値が高いほど優れているとされる指標であるため誤りです。③は仕入原価と販売価格の差額のみで算出されるとしていますが、実際には商品回転率も掛け合わせる指標であるため誤りです。④は粗利益率のみに依存するとしていますが、実際には商品回転率も同時に反映される指標であるため誤りです。
問64-12

帳簿上の在庫数量と実際の在庫数量を照合する実地棚卸と、そこで判明する棚卸差異(ロス)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①実地棚卸で判明する棚卸差異は、常に帳簿上の数量よりも実際の数量が多くなる形でのみ発生するとされる。
  • ②実地棚卸によって、万引きや記録誤りが原因で生じた帳簿上の数量と実際の数量との差(ロス)を把握できる。
  • ③実地棚卸は、開店直後の短時間のみで完了させることが法令上義務づけられている棚卸の方法である。
  • ④帳簿棚卸のみを行えば実際の在庫数量を常に正確に把握できるため、実地棚卸を行う必要は生じないとされる。
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正解 ②実地棚卸によって、万引きや記録誤りが原因で生じた帳簿上の数量と実際の数量との差(ロス)を把握できる。
解説
実地棚卸は、実際に店舗や倉庫の商品を数え、帳簿上の在庫数量と照合する作業です。万引きや検品ミス、記録誤りなどが原因で、帳簿上の数量と実際の数量との間に差(棚卸差異、いわゆるロス)が生じることがあり、実地棚卸によってこれを把握し、原因の分析や対策につなげることができます。

他の選択肢が誤りの理由
①は差異が実際の数量が多くなる形でのみ発生するとしていますが、万引き等により実際の数量が帳簿より少なくなる形の差異も生じるため誤りです。③は開店直後の短時間で完了させることが法令上義務づけられているとしていますが、そのような法令上の義務はなく誤りです。④は帳簿棚卸のみで正確な実際の数量を把握できるとしていますが、記録誤りや万引き等による差異は帳簿棚卸だけでは把握できないため、実地棚卸による確認が必要であり誤りです。
問74-12

在庫の発注方式のうち、定期発注方式と定量発注方式(発注点方式)の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①定期発注方式では、在庫量が事前に定めた発注点を下回った時点で、その都度あらかじめ定めた数量を発注する。
  • ②定量発注方式では、あらかじめ定めた発注間隔ごとに、そのつど需要予測に基づいて発注数量を計算し直す。
  • ③定期発注方式は一定間隔ごとに発注量を計算し直すが、定量発注方式は在庫が発注点を下回れば一定量を発注する。
  • ④定期発注方式と定量発注方式は、発注のタイミングも発注数量の決め方も常に同一である、同じ発注方式の別名である。
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正解 ③定期発注方式は一定間隔ごとに発注量を計算し直すが、定量発注方式は在庫が発注点を下回れば一定量を発注する。
解説
定期発注方式は、あらかじめ定めた一定の間隔(週1回、月1回等)ごとに、その時点の需要予測等に基づいて発注数量を都度計算し直す方式です。一方、定量発注方式(発注点方式)は、在庫量があらかじめ定めた一定の水準(発注点)を下回った時点で、あらかじめ定めた一定の数量を発注する方式です。重要度の高い商品には定期発注方式、多品種で管理の手間を抑えたい商品には定量発注方式が用いられやすいとされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は発注点を下回った時点で発注するとしており、これは定量発注方式の特徴であって定期発注方式の説明としては誤りです。②は発注のたびに需要予測に基づき数量を計算し直すとしていますが、これは定期発注方式の特徴であって定量発注方式の説明としては誤りです。定量発注方式の発注数量はあらかじめ一定の量に定められています。④は両者が発注のタイミングも数量の決め方も同一な同じ方式であるとしていますが、実際には両者は異なる考え方に基づく別の方式であるため誤りです。
問84-12

小売業者と仕入先との取引条件として用いられる、リベートに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①リベートは、仕入先が商品の品質不良を理由に、仕入時点で即座に代金を減額する仕組みのみを指す用語である。
  • ②リベートは、消費者が商品購入後に受け取る、購入金額に応じたポイント還元制度のみを指す用語である。
  • ③リベートは、法令によって全業種で金額や算定方法が一律に定められている、標準化された制度である。
  • ④リベートは、一定期間の取引量や協力への謝礼として、仕入先から小売業者へ事後的に支払われる金銭等である。
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正解 ④リベートは、一定期間の取引量や協力への謝礼として、仕入先から小売業者へ事後的に支払われる金銭等である。
解説
リベートは、一定期間における取引量の実績や、販売促進への協力などに応じて、仕入先(メーカーや卸売業者)から小売業者に対して取引後に支払われる金銭等の割戻しです。仕入先にとっては取引拡大や関係強化の手段となり、小売業者にとっては仕入コストの実質的な引き下げにつながります。

他の選択肢が誤りの理由
①は品質不良を理由とした仕入時点での即時の代金減額としていますが、これは値引きや返品等の別の仕組みであり、事後的に支払われるリベートの説明としては誤りです。②は消費者向けのポイント還元制度としていますが、リベートは仕入先と小売業者間の取引条件であるため誤りです。③は法令によって全業種で一律に定められた制度としていますが、そのような法令上の一律の定めはなく、個々の取引契約によって定められるため誤りです。
問94-12

棚卸資産を決算時にどのように評価するかを定める、低価法の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①低価法では、棚卸資産の取得原価と期末の時価を比較し、いずれか低い金額を貸借対照表上の評価額とする。
  • ②低価法では、棚卸資産の取得原価と期末時点の時価を比較し、常に取得原価を貸借対照表上の評価額とする。
  • ③低価法では、時価が取得原価を上回った場合に限り、その上回った差額を評価益として計上する処理を行う。
  • ④低価法は、棚卸資産の評価には一切用いられず、有形固定資産の評価にのみ適用される会計処理である。
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正解 ①低価法では、棚卸資産の取得原価と期末の時価を比較し、いずれか低い金額を貸借対照表上の評価額とする。
解説
低価法は、棚卸資産の期末評価にあたり、取得原価と期末時点の正味売却価額(時価)とを比較し、いずれか低い方の金額を貸借対照表上の評価額とする会計処理です。時価が取得原価を下回った場合には評価損を計上し、収益性の低下を財務諸表に反映させます。

他の選択肢が誤りの理由
②は常に取得原価を評価額とするとしていますが、これは原価法の考え方であり、時価が低い場合に時価を採用する低価法の説明としては誤りです。③は時価が取得原価を上回った場合に評価益を計上するとしていますが、低価法は時価が取得原価を下回った場合の評価損を認識する処理であり、上回った場合に評価益を計上するものではないため誤りです。④は棚卸資産には用いられないとしていますが、低価法はまさに棚卸資産の期末評価に用いられる会計処理であるため誤りです。
問104-12

在庫を持ちすぎず、かつ品切れも起こさない、適正在庫水準の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①在庫は多ければ多いほど欠品を防げるため、保管コストや資金負担を考慮せず極力積み増すべきと考えられる。
  • ②適正在庫水準は、欠品による機会損失、過剰在庫による保管コストや資金負担のバランスを踏まえ検討される。
  • ③在庫は少なければ少ないほど良いため、欠品による機会損失の大きさを考慮する必要は一切ないとみられる。
  • ④適正在庫水準は、取扱商品の特性や需要変動にかかわらず、すべての商品で常に同一の水準とすべきである。
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正解 ②適正在庫水準は、欠品による機会損失、過剰在庫による保管コストや資金負担のバランスを踏まえ検討される。
解説
適正在庫水準は、在庫が少なすぎることで生じる欠品による機会損失(販売機会の喪失)と、在庫が多すぎることで生じる保管コストや資金の固定化といった過剰在庫のデメリットとのバランスを踏まえて検討されます。商品の特性(需要の安定性、リードタイム、季節性等)に応じて、適切な水準は異なります。

他の選択肢が誤りの理由
①は保管コストや資金負担を考慮せず在庫を極力積み増すべきとしていますが、過剰在庫にはコスト面のデメリットがあるため誤りです。③は欠品による機会損失を考慮する必要はないとしていますが、欠品は販売機会の喪失につながるため、その大きさを考慮する必要があり誤りです。④はすべての商品で常に同一の水準とすべきとしていますが、実際には商品特性や需要変動に応じて適正水準を個別に検討するため誤りです。

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