2026年版・3-9

人的資源管理(評価・報酬・育成)の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「企業経営理論」から、人的資源管理(評価・報酬・育成)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-9

目標管理制度(MBO)の一般的な特徴を説明したものとして、次のうち最も適切なものはどれか。

  • ①上司と部下が話し合い期首に個人目標を設定し、期末に達成度を自己統制重視で評価する仕組みである。
  • ②個人目標は上司が一方的に決定し、部下の意向を反映させずにそのまま人事評価へ用いる仕組みである。
  • ③個人目標の内容は部門目標や経営計画と切り離して設定し、組織目標との整合性は特に求めない仕組みである。
  • ④一度設定した個人目標は期中に見直すことを禁じ、期末まで固定したまま運用する仕組みである。
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正解 ①上司と部下が話し合い期首に個人目標を設定し、期末に達成度を自己統制重視で評価する仕組みである。
解説
目標管理制度(MBO)は、上司と部下が話し合いのうえで期首に個人目標を設定し、期末にその達成度を本人の自己統制を重んじながら評価する仕組みです。ドラッカーが提唱した考え方に由来し、組織目標と個人目標を連動させながら部下の主体性を引き出す点に特徴があります。

他の選択肢が誤りの理由
②は目標を上司が一方的に決定し部下の意向を反映しないとしている点で誤りです。MBOは本人の参加と自己統制を重視する仕組みです。③は個人目標を部門目標や経営計画と切り離すとしている点で誤りです。MBOでは組織目標との整合性を確保しながら個人目標を設定します。④は期中の目標の見直しを一切禁じるとしている点で誤りです。実務上は環境変化に応じて目標を調整する運用も行われます。
問23-9

人事考課における評価者の心理的な誤りのうち、「ハロー効果」の説明として最も適切なものはどれか。

  • ①評価対象者の優劣の見極めを避け、極端な評価を避けようとして評価点を中央値付近へ集めてしまう傾向である。
  • ②評価対象者の目立つ長所や短所の印象に引きずられ、他の特性についても同様に評価してしまう傾向である。
  • ③評価対象者との関係悪化を恐れるあまり、実際の働きぶりより甘い評価点をつけてしまう傾向である。
  • ④評価期間全体ではなく、評価の直前に見られた言動の印象だけを重視して評価してしまう傾向である。
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正解 ②評価対象者の目立つ長所や短所の印象に引きずられ、他の特性についても同様に評価してしまう傾向である。
解説
ハロー効果とは、評価対象者の目立つ長所や短所といった印象の強い一面に引きずられて、本来は別々に判断すべき他の特性についても同様に高く、または低く評価してしまう心理的な誤りです。特定の学歴や資格など一つの目立つ情報から、全体の評価をまとめて決めてしまう場合に生じやすいとされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は評価点を中央値付近に集める「中心化傾向」の説明であり、ハロー効果とは異なる誤りです。③は関係悪化を恐れて評価を甘くする「寛大化傾向」の説明であり、これも別の誤りです。④は評価直前の印象だけを重視する近接誤差の説明であり、ハロー効果ではありません。
問33-9

人事考課において評価者が評価点を無難な中央値付近に集めてしまう「中心化傾向」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①部下との人間関係の悪化を懸念し、実際の働きぶりよりも高い評価点をつけてしまう誤りである。
  • ②評価者自身が特に優れた一面の印象に引きずられ、他の特性についても高く評価してしまう誤りである。
  • ③評価対象者の優劣の判断に自信が持てず、極端な評価を避けて無難な評価点に偏ってしまう誤りである。
  • ④評価期間の直前に見られた言動の印象だけを重視し、それ以前の実績を軽視してしまう誤りである。
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正解 ③評価対象者の優劣の判断に自信が持てず、極端な評価を避けて無難な評価点に偏ってしまう誤りである。
解説
中心化傾向とは、評価者が評価対象者の優劣についての判断に自信を持てなかったり、部下との軋轢を避けたいと考えたりすることから、極端に高い評価や低い評価を避け、評価点を尺度の中央付近に集めてしまう誤りです。部下ごとの実力差が評価結果に反映されにくくなり、人事評価の目的である処遇への適正な反映や動機づけの効果が弱まる問題があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は評価を甘くする「寛大化傾向」の説明であり、中心化傾向とは異なる誤りです。②は「ハロー効果」の説明であり、中心化傾向とは異なる誤りです。④は評価直前の印象を重視する「近接誤差」の説明であり、中心化傾向とは異なる誤りです。
問43-9

従業員の職務遂行における行動特性に着目した「コンピテンシー評価」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①年齢や勤続年数の長さに応じて評価点が自動的に高くなるよう設計された評価制度である。
  • ②業績の数値結果のみを機械的に集計し、行動プロセスは一切評価対象に含めない制度である。
  • ③すべての従業員に対して、勤務態度や協調性といった画一的な情意項目のみで評価を行う制度である。
  • ④高い成果を継続的にあげる従業員に共通してみられる行動特性を基準として評価を行う制度である。
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正解 ④高い成果を継続的にあげる従業員に共通してみられる行動特性を基準として評価を行う制度である。
解説
コンピテンシー評価とは、高い成果を継続的にあげている従業員(ハイパフォーマー)の行動を分析し、そこに共通してみられる行動特性(コンピテンシー)を評価基準として設定し、従業員の職務遂行のプロセスを評価する制度です。単なる結果指標だけでなく、成果に結びつく行動の再現性に着目する点に特徴があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は年齢や勤続年数を基準とする年功的な評価であり、コンピテンシー評価とは異なる考え方です。②は結果のみを評価し行動プロセスを見ないとしており、コンピテンシー評価の趣旨に反します。③は画一的な情意項目のみで評価するとしており、行動特性を基準とするコンピテンシー評価とは異なります。
問53-9

上司だけでなく部下や同僚、さらに自己評価も組み合わせて行う「360度評価(多面評価)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①上司・部下・同僚・自己など複数の立場から評価を集め、多角的に本人の行動を把握しようとする手法である。
  • ②評価の客観性を高めるため、常に評価者を直属の上司一人だけに限定して実施することを原則とする手法である。
  • ③評価結果は本人にはいかなる場合も開示せず、人事部内でのみ厳重に保管することを原則とする手法である。
  • ④業績という数値目標の達成度のみを評価対象とし、行動面の評価は含めないことを原則とする手法である。
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正解 ①上司・部下・同僚・自己など複数の立場から評価を集め、多角的に本人の行動を把握しようとする手法である。
解説
360度評価(多面評価)は、直属の上司だけでなく、部下や同僚、他部門の関係者、さらに本人による自己評価など、複数の立場からの評価を集めて多角的に本人の行動を把握しようとする手法です。上司からは見えにくい日常の言動や対人関係上の課題を把握でき、本人の気づきを促す人材育成の側面でも活用されます。

他の選択肢が誤りの理由
②は評価者を上司一人に限定するとしており、複数の立場から評価を集める360度評価の趣旨と矛盾します。③は評価結果を本人に開示しないとしており、本人の気づきや行動改善を促す目的で結果をフィードバックする一般的な運用と異なります。④は行動面を評価対象に含めないとしており、多面的に行動を把握する360度評価の趣旨と矛盾します。
問63-9

従業員の格付け制度である「職能資格制度」と「職務等級制度」の違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①職能資格制度は担当する職務の価値の大きさそのものを基準に等級を決定する制度である。
  • ②職能資格制度は従業員個人が保有する職務遂行能力を基準に等級を決定する制度である。
  • ③職務等級制度は勤続年数と年齢の長さのみを基準に自動的に等級が上がる制度である。
  • ④職務等級制度は個人が保有する潜在的な能力の高さを基準に等級を決定する制度である。
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正解 ②職能資格制度は従業員個人が保有する職務遂行能力を基準に等級を決定する制度である。
解説
職能資格制度は、従業員個人が保有する職務遂行能力(職能)の高さを基準として等級を決定する制度であり、能力は一度身につけば低下しにくいと考えられるため、年功的な運用になりやすい傾向があります。これに対して職務等級制度は、人ではなく担当する職務そのものの価値の大きさを基準に等級を決定する点が異なります。

他の選択肢が誤りの理由
①は職務の価値そのものを基準とするとしており、これは職務等級制度の説明であるため誤りです。③は勤続年数と年齢のみで自動的に等級が上がるとしており、職務そのものの価値を基準とする職務等級制度の説明として誤りです。④は潜在的な能力の高さを基準とするとしており、担当職務の価値を基準とする職務等級制度の説明として誤りです。
問73-9

人材育成の代表的な手法であるOJTとOff-JTの違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①OJTは職場を離れた研修会場において座学中心に体系的な知識を学ばせる育成手法である。
  • ②Off-JTは業務時間外に従業員が自発的に行う通信教育や資格取得の学習を指す手法である。
  • ③OJTは日常の業務を通じて上司や先輩が実務に即した知識や技能を指導する育成手法である。
  • ④Off-JTは新入社員のみを対象とし、中堅社員以上には実施しないと定められた育成手法である。
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正解 ③OJTは日常の業務を通じて上司や先輩が実務に即した知識や技能を指導する育成手法である。
解説
OJT(On the Job Training)は、日常の業務を通じて上司や先輩が実務に即した知識や技能を指導する育成手法であり、実践的なスキルを効率よく習得できる点に特徴があります。これに対してOff-JT(Off the Job Training)は、職場を離れた研修会場などで座学を中心に体系的な知識を学ばせる育成手法であり、両者は補完的に組み合わせて用いられます。

他の選択肢が誤りの理由
①は職場を離れた研修で体系的な知識を学ばせるとしており、これはOff-JTの説明であるため誤りです。②は業務時間外の自発的な学習を指すとしており、これは自己啓発支援(SD)の説明であってOff-JTの定義ではないため誤りです。④はOff-JTを新入社員限定の手法としており、実際には階層別研修など中堅社員以上にも広く実施されるため誤りです。
問83-9

従業員が自身の異動希望やキャリアの方向性を会社へ申し出る「自己申告制度」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①会社が一方的に決定した異動計画を、従業員に通知するだけの手続きを指す制度である。
  • ②従業員の給与額を、本人の希望する金額へ会社が自動的に合わせて決定する制度である。
  • ③退職を希望する従業員のみを対象として、退職に関する手続きの意思を確認するための制度である。
  • ④従業員が自身の適性やキャリアの希望を会社へ申し出て、配置や育成の参考とする制度である。
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正解 ④従業員が自身の適性やキャリアの希望を会社へ申し出て、配置や育成の参考とする制度である。
解説
自己申告制度とは、従業員が自身の適性についての認識や、将来のキャリアの方向性、異動・昇進に関する希望などを定期的に会社へ申し出て、それを配置転換や能力開発計画を検討する際の参考情報とする制度です。従業員の主体的なキャリア形成を支援するキャリア開発プログラム(CDP)の一環として運用されることが多いとされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は会社が一方的に決めた計画を通知するだけとしており、従業員本人の希望を申し出る自己申告制度の趣旨と矛盾します。②は本人の希望額に給与を自動的に合わせるとしており、給与決定の仕組みとして自己申告制度の内容ではありません。③は退職希望者のみを対象とするとしており、幅広い従業員のキャリア希望を把握する自己申告制度の説明として誤りです。
問93-9

個人やチームの業績を賃金に強く反映させる「成果主義」の人事制度が抱える課題に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①評価対象期間がさらに長期化しやすく、短期的な成果を追い求める傾向がむしろ弱まる点が課題とされる。
  • ②評価結果が賃金へ十分に反映されないため、従業員の働く意欲が低下しやすい点が課題とされる。
  • ③短期的な成果が重視されやすく、長期的な視点に立った人材育成が軽視されがちになる点が課題とされる。
  • ④年功的な賃金制度と比べて、若手従業員の意欲を高める効果が一切見込めない点が課題とされる。
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正解 ③短期的な成果が重視されやすく、長期的な視点に立った人材育成が軽視されがちになる点が課題とされる。
解説
成果主義の人事制度は、短期間で数値化しやすい成果が重視されやすいため、時間のかかる人材育成や、成果に直結しにくい後輩指導・部門間の協力といった行動が軽視されがちになる課題を抱えています。また個人の成果を強調しすぎると、組織内の協働やチームワークが損なわれる懸念も指摘されています。

他の選択肢が誤りの理由
①は短期的な成果志向がむしろ弱まるとしており、成果主義では短期志向が強まりやすいとされる一般的な指摘と逆の内容であるため誤りです。②は評価結果が賃金へ反映されないとしており、評価と賃金を強く連動させる成果主義の定義そのものと矛盾します。④は若手の意欲を高める効果が一切見込めないとしており、実力を早期に処遇へ反映できる点は成果主義の利点として指摘されるため言い過ぎで誤りです。
問103-9

退職金の算定方式の一つである「ポイント制退職金制度」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①退職時の基本給に対し、勤続年数に応じた一定の支給率を掛け合わせて金額を算定していく方式である。
  • ②退職金を一切支給せず、その代わりに毎月の給与へ上乗せする形で分割して支払う方式である。
  • ③在職中に会社が積み立てた掛金の運用実績に応じて、将来受け取る金額が変動していく方式である。
  • ④毎年の等級や役職、評価結果に応じ付与されるポイントを勤続年数分累計し金額を算定する方式である。
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正解 ④毎年の等級や役職、評価結果に応じ付与されるポイントを勤続年数分累計し金額を算定する方式である。
解説
ポイント制退職金制度は、従業員の等級や役職、各年度の人事評価結果などに応じて毎年ポイントを付与し、退職時までに積み上がったポイントの累計値に単価を乗じて退職金額を算定する方式です。退職時の基本給に連動させる方式と比べて、在職中の貢献度をより直接的に金額へ反映できる点に特徴があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は退職時の基本給に支給率を掛け合わせる算定方式であり、これは基本給連動方式の説明であってポイント制の定義ではないため誤りです。②は退職金を支給せず給与へ上乗せするとしており、ポイント制退職金制度自体の説明になっていないため誤りです。③は掛金の運用実績で金額が変動するとしており、これは確定拠出型の企業年金制度の説明であってポイント制退職金の定義ではないため誤りです。

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