2026年版・3-10

リーダーシップ論の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「企業経営理論」から、リーダーシップ論に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-10

三隅二不二が提唱したPM理論とはどのような理論か。次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①リーダーシップを目標達成機能(P機能)と集団維持機能(M機能)の2軸で捉え、両方とも強い型を理想とする理論である。
  • ②リーダーの持つ公式の権限の強さのみに着目し、権限の大きさとリーダーシップの有効性は無関係だとする理論である。
  • ③部下の成熟度に応じて、教示的・説得的・参加的・委任的という4つのスタイルを常に柔軟に使い分けるべきとする理論である。
  • ④リーダーが最も苦手とする同僚への評価の高低のみにより、有効なリーダーシップの型が決まるとする理論である。
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正解 ①リーダーシップを目標達成機能(P機能)と集団維持機能(M機能)の2軸で捉え、両方とも強い型を理想とする理論である。
解説
PM理論は、日本の社会心理学者である三隅二不二が提唱したリーダーシップ理論で、リーダーシップの機能を目標達成機能(Performance:P機能)と集団維持機能(Maintenance:M機能)の2軸に分解し、両方の機能がともに強いPM型を最も望ましいリーダーシップのタイプと位置づけます。P機能のみが強いPm型、M機能のみが強いpM型、両方とも弱いpm型と比較され、PM型は業績と部下の満足度の双方を高めやすいとされます。

他の選択肢が誤りの理由
②はリーダーの権限の強さのみに着目する内容であり、P機能とM機能の2軸で捉えるPM理論の説明ではないため誤りです。③は部下の成熟度に応じてスタイルを使い分けるとしており、これはハーシーとブランチャードのSL理論の説明であるため誤りです。④はリーダーが苦手とする同僚への評価に着目するとしており、これはフィードラーの条件適合理論の説明であるため誤りです。
問23-10

ハーシーとブランチャードが提唱したSL理論(状況対応型リーダーシップ理論)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①部下自身の能力と意欲からなる成熟度が低いほど、常に指示を与えず全面的に権限を委任すべきとする理論である。
  • ②部下の成熟度に応じて教示的・説得的・参加的・委任的という4つのスタイルを使い分けるべきとする理論である。
  • ③部下の成熟度の高低にかかわらず、常に同一の指導的なスタイルを一貫させ続けるべきとする理論である。
  • ④リーダーの人間関係への関心と業績への関心を、それぞれ9段階に分けて評価し直そうとする理論である。
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正解 ②部下の成熟度に応じて教示的・説得的・参加的・委任的という4つのスタイルを使い分けるべきとする理論である。
解説
SL理論は、部下の能力と意欲を組み合わせた「成熟度」の水準に応じて、有効なリーダーシップのスタイルは変化すると考える理論です。成熟度が低い段階では具体的な指示を与える教示的スタイル、次いで指示をしつつ働きかける説得的スタイル、さらに部下と話し合う参加的スタイル、最も成熟度が高い段階では権限を委ねる委任的スタイルへと、段階に応じて使い分けるべきとされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は成熟度が低いほど権限を委任すべきとしており、実際には成熟度が低い段階ほど具体的な指示を与える教示的スタイルが有効とされるため、内容が逆であり誤りです。③は常に同一のスタイルを貫くべきとしており、状況に応じてスタイルを変えるべきとするSL理論の趣旨と矛盾します。④は人間関係と業績への関心を9段階で評価するとしており、これはブレイク&ムートンのマネジリアル・グリッドの説明であるため誤りです。
問33-10

ハウスが提唱したパス・ゴール理論の内容を説明したものとして、次のうち最も適切な記述はどれか。

  • ①リーダー自身の生まれ持った先天的な資質のみが、常にリーダーシップの有効性を決定するとする理論である。
  • ②リーダーと部下の関係の善し悪しは、業績にはまったく影響を与えないとあらかじめ結論づけた理論である。
  • ③部下が目標(ゴール)に至る道筋(パス)を明確にし、支援することがリーダーの役割だとする理論である。
  • ④部下への配慮を一切せず、業績目標の達成のみを常にひたすら追求すべきと説くリーダーシップ理論である。
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正解 ③部下が目標(ゴール)に至る道筋(パス)を明確にし、支援することがリーダーの役割だとする理論である。
解説
パス・ゴール理論は、部下が仕事の目標(ゴール)を達成するまでの道筋(パス)を明確にし、その道筋上の障害を取り除いて支援することこそがリーダーの重要な役割であるとする理論です。部下の特性や職務の性質といった状況要因に応じて、指示型・支援型・参加型・達成志向型といったスタイルを使い分けることが有効だと説明されます。

他の選択肢が誤りの理由
①はリーダーの先天的資質のみが有効性を決定するとしており、状況要因に応じたスタイルの使い分けを重視するパス・ゴール理論の考え方と矛盾します。②はリーダーと部下の関係が業績に影響しないとしており、関係の質を重要な状況要因の一つとして位置づける考え方と矛盾します。④は業績目標の達成のみを追求すべきとしており、部下への支援を重視するパス・ゴール理論の趣旨と矛盾します。
問43-10

バーンズやバスが体系化した「変革型リーダーシップ」の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①目標の達成度に応じた報酬の付与と、未達成時の是正措置のみをひたすら常に徹底して行う点に特徴がある。
  • ②部下との交換関係の明確化のみに焦点を当て続け、組織の変革は目的としない点に特徴がある。
  • ③リーダー自身は現状維持のみを志向し続け、新たな変化を積極的には起こさない点に特徴がある。
  • ④魅力的なビジョンを示し、部下の価値観に働きかけて内発的な動機づけを高めようとする点に特徴がある。
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正解 ④魅力的なビジョンを示し、部下の価値観に働きかけて内発的な動機づけを高めようとする点に特徴がある。
解説
変革型リーダーシップは、リーダーが組織の将来像となる魅力的なビジョンを示し、部下の価値観や意識そのものに働きかけることで内発的な動機づけを引き出し、組織の変革や部下の能力開発を促そうとするリーダーシップの型です。バーンズが提唱し、バスが理論として体系化しました。

他の選択肢が誤りの理由
①は達成度に応じた報酬付与と是正措置のみを徹底するとしており、これは条件付きの交換関係を重視する交換型(取引型)リーダーシップの特徴であるため誤りです。②は交換関係の明確化のみに焦点を当て組織変革を目的としないとしており、これも交換型リーダーシップの特徴の説明であるため誤りです。③はリーダーが現状維持を志向するとしており、組織の変革を志向する変革型リーダーシップの趣旨と正反対であるため誤りです。
問53-10

変革型リーダーシップと対比される「交換型(取引型)リーダーシップ」の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①目標の達成度に応じて報酬を与え、未達成の場合には是正的に関与する条件付きの関係を築く点に特徴がある。
  • ②部下の価値観そのものへ強く継続的に働きかけ、組織全体の変革を主導していこうとする点に特徴がある。
  • ③リーダー自身が模範となる自己犠牲的な行動を示し続け、部下への奉仕を常に最優先とし続ける点に特徴がある。
  • ④部下の成熟度を見極めながら、指示から委任へと段階的にスタイルを移行させていく点に特徴がある。
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正解 ①目標の達成度に応じて報酬を与え、未達成の場合には是正的に関与する条件付きの関係を築く点に特徴がある。
解説
交換型(取引型)リーダーシップは、リーダーが部下に対して目標の達成度に応じた報酬(昇給や称賛など)を提示し、目標が未達成の場合には是正的に関与するという、条件付きの交換関係(ギブアンドテイク)を通じて動機づけを図るリーダーシップの型です。日常の業務を安定的に遂行させる場面で有効とされます。

他の選択肢が誤りの理由
②は部下の価値観に働きかけ組織変革を主導するとしており、これは変革型リーダーシップの特徴の説明であるため誤りです。③は自己犠牲的な行動で部下に奉仕するとしており、これはサーバント・リーダーシップの特徴の説明であるため誤りです。④は部下の成熟度に応じてスタイルを段階的に移行させるとしており、これはハーシーとブランチャードのSL理論の説明であるため誤りです。
問63-10

グリーンリーフが提唱した「サーバント・リーダーシップ」の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①リーダーは部下への奉仕を一切行わず、自らの権限の拡大のみをひたすら追求すべきとする考え方である。
  • ②リーダーがまず部下に奉仕し支援することを通じて、結果として組織の目標達成を導こうとする考え方である。
  • ③組織の階層構造そのものを完全に撤廃し、リーダーという役割自体を不要とみなそうとする考え方である。
  • ④部下の意欲や能力にかかわらず、常に同一の命令的な指示のみをひたすら与え続けるべきとする考え方である。
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正解 ②リーダーがまず部下に奉仕し支援することを通じて、結果として組織の目標達成を導こうとする考え方である。
解説
サーバント・リーダーシップは、グリーンリーフが提唱した考え方で、リーダーがまず部下に奉仕し、その成長や自律を支援する姿勢を通じて信頼関係を築き、結果として組織全体の目標達成へとつなげようとするリーダーシップのあり方です。リーダーが部下を支配し統率するという従来型の発想とは異なり、支援を通じて部下の自発的な貢献を引き出す点に特徴があります。

他の選択肢が誤りの理由
①はリーダーが自らの権限拡大のみを追求するとしており、部下への奉仕を出発点とするサーバント・リーダーシップの考え方と正反対であるため誤りです。③はリーダーという役割自体を不要とするとしており、リーダーの存在を前提として部下への奉仕のあり方を説くサーバント・リーダーシップの趣旨と異なるため誤りです。④は常に命令的な指示のみを与えるべきとしており、部下を支援し自律を促すサーバント・リーダーシップの考え方と矛盾するため誤りです。
問73-10

フィードラーが提唱したリーダーシップの条件適合理論(コンティンジェンシー・モデル)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①リーダーが最も苦手な同僚(LPC)を高く評価するほど、常にあらゆる状況で業績が向上すると説いた理論である。
  • ②部下の成熟度という単一の要因のみによって、有効なリーダーシップのスタイルが常に一意に決まってしまうとする理論である。
  • ③リーダーとメンバーの関係、タスク構造、職位パワーという状況要因とLPC得点の組み合わせで有効性が決まる理論である。
  • ④リーダーの人間関係への関心と業績への関心を、それぞれ9段階の格子であらためて分類し直そうと試みる理論である。
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正解 ③リーダーとメンバーの関係、タスク構造、職位パワーという状況要因とLPC得点の組み合わせで有効性が決まる理論である。
解説
フィードラーの条件適合理論は、リーダーが最も苦手とする同僚をどう評価するかを示すLPC(Least Preferred Coworker)得点によってリーダーのタイプを人間関係志向(高LPC)とタスク志向(低LPC)に分類し、それが「リーダーとメンバーの関係」「タスク構造の明確さ」「リーダーの職位パワー」という3つの状況要因と組み合わさることで、どちらのタイプが有効になるかが変わると説いた理論です。

他の選択肢が誤りの理由
①は高LPCのリーダーがあらゆる状況で業績を向上させるとしており、状況要因との組み合わせによって有効性が変わるとする条件適合理論の趣旨と矛盾します。②は部下の成熟度という単一要因のみで決まるとしており、これはハーシーとブランチャードのSL理論の説明であるため誤りです。④は人間関係と業績への関心を9段階の格子で分類するとしており、これはブレイク&ムートンのマネジリアル・グリッドの説明であるため誤りです。
問83-10

ブレイクとムートンが提唱した「マネジリアル・グリッド」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①部下の成熟度を横軸に、リーダーの経験年数を縦軸にとって理想の組み合わせを探ろうとする理論である。
  • ②リーダーが最も苦手な同僚への評価の高低のみによって、有効なスタイルを一つに定めようとする理論である。
  • ③組織の規模と業種という2つの軸によって、最適なリーダーシップの型があらかじめ固定的に決まる理論である。
  • ④人間への関心と業績への関心という2つの軸をそれぞれ9段階で評価し、両方が高い型を理想とする理論である。
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正解 ④人間への関心と業績への関心という2つの軸をそれぞれ9段階で評価し、両方が高い型を理想とする理論である。
解説
マネジリアル・グリッドは、ブレイクとムートンが提唱したリーダーシップのモデルで、「人間への関心」と「業績への関心」という2つの軸をそれぞれ9段階の格子(グリッド)上に位置づけ、両方の関心がともに高い(9,9)型を「チーム型」として最も望ましいリーダー像に位置づけます。三隅二不二のPM理論と発想の枠組みが近い、西欧発のリーダーシップ理論として知られています。

他の選択肢が誤りの理由
①は部下の成熟度とリーダーの経験年数を軸とするとしており、人間への関心と業績への関心を軸とするマネジリアル・グリッドの説明ではないため誤りです。②は苦手な同僚への評価のみでスタイルを定めるとしており、これはフィードラーの条件適合理論の説明であるため誤りです。③は組織の規模と業種の2軸で固定的に決まるとしており、マネジリアル・グリッドの2軸(人間への関心・業績への関心)の内容と異なるため誤りです。
問93-10

強い個人的な魅力によって部下を惹きつける「カリスマ的リーダーシップ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①リーダー個人の理念やビジョンへの強い共感を通じて、部下から高い信頼と献身を引き出す点に特徴がある。
  • ②リーダーは常に部下との条件付きの交換関係のみに徹し、理念やビジョンは一切示さないという点に特徴がある。
  • ③組織の意思決定を複数のリーダーへあえて分散して担わせ続け、特定個人には依存しない点に特徴がある。
  • ④リーダーが部下への奉仕にひたすら徹し続け、自らの理念や意見をあえて前面に出さない点に特徴がある。
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正解 ①リーダー個人の理念やビジョンへの強い共感を通じて、部下から高い信頼と献身を引き出す点に特徴がある。
解説
カリスマ的リーダーシップは、リーダー個人が持つ強い理念やビジョン、卓越した言動が部下から強い共感と信頼を呼び起こし、部下の高い献身や自発的な努力を引き出す点に特徴があります。危機的な状況や変革期に組織を強力に牽引できる一方で、リーダー個人への依存度が過度に高まると、後継者育成が難しくなったり、リーダーの判断の誤りが是正されにくくなったりするリスクも指摘されます。

他の選択肢が誤りの理由
②は条件付きの交換関係のみに徹し理念を示さないとしており、強い理念やビジョンへの共感を軸とするカリスマ的リーダーシップの特徴と矛盾します。③は意思決定を複数のリーダーで分散するとしており、特定個人の強い魅力に依拠するカリスマ的リーダーシップの前提と異なります。④はリーダーが自らの理念を前面に出さないとしており、明確な理念やビジョンの発信を特徴とするカリスマ的リーダーシップの説明として誤りです。
問103-10

特定の個人に権限を集中させず、状況に応じてメンバー間でリーダーシップの機能を分担する「シェアド・リーダーシップ」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①特定の役職者のみが常にリーダーシップを発揮し続け、他のメンバーは一切その役割を担わないという考え方である。
  • ②課題の性質に応じて、専門知識を持つメンバーが必要な場面でリーダーシップの機能を分担して担う考え方である。
  • ③リーダーの権限をさらに強化し続け、あらゆる意思決定をリーダー一人へ集中させるべきとする考え方である。
  • ④部下の成熟度の高低のみに応じて、教示的から委任的まで段階的にスタイルを変えるべきとする考え方である。
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正解 ②課題の性質に応じて、専門知識を持つメンバーが必要な場面でリーダーシップの機能を分担して担う考え方である。
解説
シェアド・リーダーシップは、公式な役職に基づく特定の一人がリーダーシップを独占するのではなく、直面する課題の性質に応じて専門知識や強みを持つメンバーが、その時々に必要なリーダーシップの機能を分担して担う考え方です。専門性が高度化し変化の速い環境において、チーム全体の適応力を高める効果が期待されるとされます。

他の選択肢が誤りの理由
①は特定の役職者のみが発揮し他のメンバーは担わないとしており、複数メンバーで機能を分担するシェアド・リーダーシップの趣旨と正反対であるため誤りです。③はリーダー一人へ権限をさらに集中させるべきとしており、権限や機能の分担を志向するシェアド・リーダーシップの考え方と矛盾します。④は部下の成熟度のみに応じてスタイルを変えるとしており、これはハーシーとブランチャードのSL理論の説明であるため誤りです。

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