2026年版・3-11

マーケティングの基礎概念の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「企業経営理論」から、マーケティングの基礎概念に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-11

企業のマーケティングに対する考え方の変遷における「マーケティング・コンセプト」の段階に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①顧客のニーズを起点に製品を設計し、競合よりも効果的に顧客満足を実現しようとする考え方の段階である。
  • ②製品をとにかく効率よく大量生産すれば常に売れるという、生産効率を最優先する考え方の段階である。
  • ③自社製品の品質や性能の高さを追求すれば、放っておいても常に顧客に選ばれるという考え方の段階である。
  • ④作った製品をいかに強力に売り込むかという、販売活動そのものを常に最優先する考え方の段階である。
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正解 ①顧客のニーズを起点に製品を設計し、競合よりも効果的に顧客満足を実現しようとする考え方の段階である。
解説
マーケティング・コンセプトの段階とは、企業活動の出発点を自社の生産や製品ではなく顧客のニーズに置き、標的とする市場が求めるものを的確に把握したうえで、競合他社よりも効果的・効率的に顧客満足を実現しようとする考え方です。生産志向・製品志向・販売志向という自社中心の発想から、顧客志向・市場志向へと発展した段階として位置づけられます。

他の選択肢が誤りの理由
②は生産効率を最優先するとしており、これは生産志向の段階の説明であるため誤りです。③は製品の品質や性能を高めれば自然に売れるとしており、これは製品志向の段階の説明であるため誤りです。④は販売活動そのものを最優先するとしており、これは販売志向の段階の説明であるため誤りです。
問23-11

マーケティング戦略の立案手順であるSTPのうち、「セグメンテーション」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①限られた経営資源を、どの標的市場に対しどれだけ重点的に投入するかを決定する活動である。
  • ②多様なニーズを持つ市場を、一定の基準に基づいて同質なニーズを持つ集団に分割する活動である。
  • ③自社製品を競合する他社製品と比べて、顧客の頭の中でどう位置づけるかを設計する活動である。
  • ④製品・価格・流通・プロモーションという4つの要素を体系的に組み合わせて計画を立てる活動である。
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正解 ②多様なニーズを持つ市場を、一定の基準に基づいて同質なニーズを持つ集団に分割する活動である。
解説
セグメンテーション(市場細分化)とは、年齢や地域、ライフスタイルといった一定の基準を用いて、多様なニーズを持つ市場全体を、比較的同質なニーズを持つ顧客の集団(セグメント)へと分割する活動です。市場を細分化することで、自社の経営資源を効果的に投入できる標的市場を見極めやすくなります。

他の選択肢が誤りの理由
①は経営資源をどの市場に投入するか決定する活動であり、これはターゲティングの説明であるため誤りです。③は競合と比べた自社製品の位置づけを設計する活動であり、これはポジショニングの説明であるため誤りです。④は4つの要素を組み合わせて計画を立てる活動であり、これはマーケティングミックス(4P)の説明であるため誤りです。
問33-11

マーケティングミックスの代表的な枠組みである4Pの構成要素に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①顧客にとっての価値、顧客が負担する費用、購入のしやすさ、双方向のやり取りという4つの要素を組み合わせる考え方である。
  • ②サービスを提供する人材、提供の手順、店舗などの物的な環境という3つの要素を既存の枠組みに追加する考え方である。
  • ③提供する製品そのものに加え、価格の設定、流通の仕組み、販売促進活動という4つの要素を組み合わせる考え方である。
  • ④市場を細分化する基準、狙う顧客層の選び方、競合に対する位置づけという3つの手続きを組み合わせる考え方である。
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正解 ③提供する製品そのものに加え、価格の設定、流通の仕組み、販売促進活動という4つの要素を組み合わせる考え方である。
解説
4Pは、マッカーシーが体系化したとされる企業側の視点によるマーケティングミックスの枠組みで、製品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)という4つの要素を組み合わせて標的市場に働きかける考え方です。この4要素をどう組み合わせるかによって、企業は自社の戦略を具体化していきます。

他の選択肢が誤りの理由
①は顧客価値・コスト・利便性・コミュニケーションの4要素であり、これはローターボーンが提唱した顧客視点の4Cの説明であるため誤りです。②は人材・プロセス・物的証拠を含む要素であり、これはサービス業向けに拡張された7Pの一部の説明であるため誤りです。④は市場細分化・標的選定・位置づけというSTPの3手続きの組み合わせであり、4Pの構成要素とは異なるため誤りです。
問43-11

ローターボーンが提唱した、顧客視点からマーケティングミックスを捉え直す「4C」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①企業側の視点による製品・価格・流通・プロモーションという4要素を、そのまま維持し踏襲した枠組みである。
  • ②サービス業に特化するため、人材・手順・物的環境という3つの要素のみを追加した枠組みである。
  • ③市場細分化・標的設定・位置づけという3つの要素にのみ絞り込んで再び整理し直した枠組みである。
  • ④顧客にとっての価値、顧客が負担する費用、入手のしやすさ、顧客との対話という4要素からなる枠組みである。
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正解 ④顧客にとっての価値、顧客が負担する費用、入手のしやすさ、顧客との対話という4要素からなる枠組みである。
解説
4Cは、ローターボーンが提唱した、4Pに対応する顧客視点のマーケティングミックスの枠組みです。企業視点のProduct(製品)は顧客視点のCustomer Value(顧客価値)、Price(価格)はCost(顧客が負担するコスト)、Place(流通)はConvenience(入手の利便性)、Promotion(プロモーション)はCommunication(顧客とのコミュニケーション)にそれぞれ対応し、顧客の立場からマーケティング活動を見直す視点を提供します。

他の選択肢が誤りの理由
①は企業側視点の4要素をそのまま踏襲するとしており、顧客視点へ捉え直す4Cの趣旨と矛盾します。②はサービス業向けに人材等を追加する枠組みだとしており、これは7Pの説明であって4Cの説明ではないため誤りです。③はSTPの3要素に絞り込むとしており、4Cの構成要素の説明になっていないため誤りです。
問53-11

市場細分化(セグメンテーション)を行う際に用いられる代表的な基準に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①地理的変数、人口動態変数、心理的変数、行動変数など複数の切り口を組み合わせて用いることが一般的である。
  • ②市場細分化の基準は、年齢という単一の人口動態変数だけに、常に例外なく限定しなければならない。
  • ③細分化の基準は企業が独自にだけ決めればよく、顧客のニーズとの関連性はまったく一切問われない。
  • ④細分化された各セグメントの人数は、常に必ずすべてぴったり等しくなるように機械的に区切っていく必要がある。
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正解 ①地理的変数、人口動態変数、心理的変数、行動変数など複数の切り口を組み合わせて用いることが一般的である。
解説
市場細分化の基準には、地域や気候などの地理的変数、年齢や性別、所得などの人口動態変数、価値観やライフスタイルといった心理的変数、購買頻度や使用状況などの行動変数があり、実務では単一の基準だけでなくこれらを組み合わせて、有効なセグメントを見出すことが一般的です。有効なセグメントであるためには、測定可能性や到達可能性、十分な規模といった条件も満たす必要があるとされます。

他の選択肢が誤りの理由
②は年齢という単一の基準に必ず限定するとしており、複数の切り口を組み合わせる実務上の一般的な進め方と矛盾します。③は顧客ニーズとの関連性を問わず企業が独自に決めればよいとしており、ニーズの同質性に基づいてセグメントを見出す市場細分化の目的と矛盾します。④は各セグメントの人数を機械的に均等化するとしており、ニーズの同質性に基づいて区分するという市場細分化の考え方とは異なります。
問63-11

標的市場の選び方(ターゲティング)における市場カバレッジ戦略のうち、特定の一つのセグメントに経営資源を集中させる「集中型マーケティング」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①市場全体をひとまとまりとみなし、単一の製品と単一のミックスのみで全顧客に対応する戦略である。
  • ②経営資源の限られた中小企業などが、特定の一つのセグメントに資源を集中して強みを発揮する戦略である。
  • ③複数のセグメントを識別したうえで、それぞれに異なるマーケティングミックスを用意していく戦略である。
  • ④セグメンテーションの手続き自体を省略し、思いつきだけで場当たり的に販売活動を行う戦略である。
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正解 ②経営資源の限られた中小企業などが、特定の一つのセグメントに資源を集中して強みを発揮する戦略である。
解説
集中型マーケティングは、経営資源が限られる中小企業などが、細分化した市場の中から特定の一つ、または少数のセグメントを選び、そこへ経営資源を集中的に投入することで、そのセグメントにおける強い競争優位を築こうとする戦略です。特定分野への深い専門性を築きやすい一方、そのセグメントの需要変化の影響を強く受けるリスクも伴います。

他の選択肢が誤りの理由
①は市場全体を単一の製品で対応するとしており、これは無差別型マーケティングの説明であるため誤りです。③は複数セグメントにそれぞれ異なるミックスを用意するとしており、これは差別型マーケティングの説明であるため誤りです。④はセグメンテーションの手続き自体を省略するとしており、STPの手順を前提とする集中型マーケティングの説明になっていないため誤りです。
問73-11

自社製品を競合製品と比較して顧客の知覚の中にどう位置づけるかを設計する「ポジショニング」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①自社の生産設備の稼働率をいかに高めていくかだけを検討する、生産管理上の活動にすぎない。
  • ②市場全体を同質なニーズを持つ集団へと分割するための、細分化の基準を選んで定めていく活動である。
  • ③顧客の知覚の中で自社製品が競合製品と比べどのような特徴的な位置を占めるかを計画する活動である。
  • ④自社の流通チャネルにおける在庫の水準を、需要の予測に基づいて随時調整する活動である。
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正解 ③顧客の知覚の中で自社製品が競合製品と比べどのような特徴的な位置を占めるかを計画する活動である。
解説
ポジショニングとは、選定した標的市場の顧客の知覚(頭の中)において、自社製品が競合製品と比べてどのような特徴的な位置を占めるかを計画し、明確な差別化を図る活動です。代表的な2つの評価軸を用いて自社製品や競合製品の位置関係を視覚化する知覚マップ(ポジショニングマップ)がしばしば分析に用いられます。

他の選択肢が誤りの理由
①は生産設備の稼働率を検討するとしており、生産管理上の活動でありポジショニングの説明ではないため誤りです。②は市場細分化の基準を選定する活動だとしており、これはセグメンテーションの説明であるため誤りです。④は流通チャネルの在庫水準の調整だとしており、物流・在庫管理上の活動でありポジショニングの説明ではないため誤りです。
問83-11

レビットが指摘した「マーケティング近視眼(マーケティング・マイオピア)」の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①自社の技術力の高さのみを過度に重視し、価格競争を一切行わないようにすべきという考え方である。
  • ②自社の事業領域を現在提供している製品カテゴリーの範囲内に、厳密に限定し続けるべきという考え方である。
  • ③市場調査を一切行わず、経営者自身の直感のみに基づいて意思決定を行うべきという考え方である。
  • ④自社の事業を製品そのものではなく、顧客が求める本質的な便益の観点から定義すべきという考え方である。
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正解 ④自社の事業を製品そのものではなく、顧客が求める本質的な便益の観点から定義すべきという考え方である。
解説
マーケティング近視眼とは、レビットが指摘した考え方で、企業が自社の事業を「何を作っているか」という製品の視点だけで狭く定義してしまうと、顧客が本当に求めている本質的な便益を見失い、代替技術の台頭などの環境変化に対応できなくなる危険性を指摘するものです。事業は製品ではなく、顧客が得たい便益の観点から定義すべきだと説きます。

他の選択肢が誤りの理由
①は技術力のみを重視し価格競争を一切行わないとしており、マーケティング近視眼が指摘する事業の定義の問題とは異なる内容であるため誤りです。②は事業領域を現在の製品カテゴリーの範囲に限定すべきとしており、製品中心の狭い事業定義そのものを問題視するマーケティング近視眼の趣旨と正反対であるため誤りです。③は市場調査を一切行わないとしており、マーケティング近視眼が論じる事業定義の問題と直接関係しない内容であるため誤りです。
問93-11

顧客との長期的な関係の構築を重視する「リレーションシップ・マーケティング」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①顧客生涯価値を重視し、既存顧客との継続的な関係を築いて長期的な利益を高めようとする考え方である。
  • ②新規顧客の獲得のみに経営資源を集中させ、既存顧客への対応は最小限にとどめる考え方である。
  • ③一回限りの取引額を最大化することのみを常に目的とし、取引後の顧客対応は一切行わない考え方である。
  • ④すべての顧客に対して常に画一的な対応を行い、顧客ごとの違いを一切考慮しない考え方である。
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正解 ①顧客生涯価値を重視し、既存顧客との継続的な関係を築いて長期的な利益を高めようとする考え方である。
解説
リレーションシップ・マーケティングは、一回限りの取引額の最大化ではなく、顧客が生涯を通じて自社にもたらす利益の総額である顧客生涯価値(LTV)に着目し、既存顧客との信頼関係を長期的に築くことで、継続的な取引や好意的な口コミを通じた利益の拡大を図ろうとする考え方です。新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストより高くなりやすいことも、この考え方が重視される背景とされます。

他の選択肢が誤りの理由
②は新規顧客獲得のみに集中し既存顧客への対応を最小限にするとしており、既存顧客との関係を重視するリレーションシップ・マーケティングの趣旨と正反対であるため誤りです。③は一回限りの取引額の最大化のみを目的とするとしており、長期的な関係構築を重視する考え方と矛盾します。④はすべての顧客に画一的に対応するとしており、顧客ごとの関係性を重視するリレーションシップ・マーケティングの趣旨と異なります。
問103-11

サービス業向けにマーケティングミックスを拡張した「7P」において、伝統的な4Pに追加される要素に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①提供する製品そのもの、価格の設定、流通の仕組みという3要素を、より細かく分解し直したものが追加要素である。
  • ②サービスを提供する人材の対応、提供される手順、店舗などの物的な環境という3つの要素が新たに追加される。
  • ③市場を細分化する基準、狙う顧客層の選び方、競合に対する位置づけという3つの要素がそのまま追加される。
  • ④広告活動、人的販売、報道機関向けの働きかけという既存の販売促進活動のみが細分化されて追加される。
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正解 ②サービスを提供する人材の対応、提供される手順、店舗などの物的な環境という3つの要素が新たに追加される。
解説
7Pは、ブームスとビットナーが、形のないサービス財の特性(無形性・同時性・変動性・消滅性)を踏まえてマーケティングミックスを拡張した枠組みで、伝統的な4Pに、サービスを提供する従業員の対応(People)、サービスが提供される手順や仕組み(Process)、店舗の内装や設備といった物的環境の手がかり(Physical Evidence)という3要素を追加したものです。

他の選択肢が誤りの理由
①は既存の4Pの3要素を分解し直したものだとしており、7Pで新たに追加される要素の内容と異なるため誤りです。③はSTPの3要素がそのまま追加されるとしており、7Pに追加される要素(人材・プロセス・物的証拠)とは異なるため誤りです。④は販売促進活動のみが細分化されるとしており、7Pで追加される要素の内容と異なるため誤りです。

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