2026年版・3-2

競争戦略論の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「企業経営理論」から、競争戦略論に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-2

ポーターが提唱した3つの基本戦略(競争戦略)の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

  • ①垂直統合戦略、水平統合戦略、多角化戦略という3つを基本戦略として位置づける。
  • ②コストリーダーシップ戦略、垂直統合戦略、多角化戦略という3つを基本戦略として位置づける。
  • ③コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つを基本戦略として位置づける。
  • ④市場浸透戦略、新製品開発戦略、新市場開拓戦略の3つを基本戦略として位置づける。
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正解 ③コストリーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略の3つを基本戦略として位置づける。
解説
ポーターは、業界内で競争優位を築くための基本戦略として、業界全体を対象に最低コストを追求する「コストリーダーシップ戦略」、業界全体を対象に独自の価値を付加する「差別化戦略」、特定のセグメントに絞り込む「集中戦略」の3つを提示しました。集中戦略はさらにコスト集中と差別化集中に分けられます。

他の選択肢が誤りの理由
①は垂直統合・水平統合・多角化という企業の成長や事業展開の方向性に関する用語であり、ポーターの3つの基本戦略とは異なります。②はコストリーダーシップ戦略以外は基本戦略に含まれない用語(垂直統合戦略・多角化戦略)を挙げており誤りです。④はアンゾフの成長ベクトルにおける戦略類型であり、ポーターの基本戦略とは異なる枠組みです。
問23-2

ポーターの「5フォース(5つの競争要因)分析」を構成する要因の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。

  • ①新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手・売り手の交渉力、業界内の競争の5つである。
  • ②為替リスク、金利リスク、信用リスク、流動性リスク、カントリーリスクの5つである。
  • ③強み、弱み、機会、脅威、競合の存在という5つの要因から業界の競争構造を分析する。
  • ④経済価値、希少性、模倣困難性、組織、代替可能性という5つの要因から総合的に分析する。
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正解 ①新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手・売り手の交渉力、業界内の競争の5つである。
解説
ポーターの5フォース(5つの競争要因)分析は、新規参入の脅威、代替品の脅威、買い手の交渉力、売り手の交渉力、業界内の既存企業間の競争という5つの要因から業界の収益構造や競争の激しさを分析するフレームワークです。これら5つの力が強いほど、業界内の企業が獲得できる収益は圧迫されやすくなります。

他の選択肢が誤りの理由
②は財務や与信管理で用いられるリスクの分類であり、5フォース分析の要因ではありません。③はSWOT分析の要素に業界内の競合を加えたような組み合わせであり、5フォース分析の5要因とは異なります。④はVRIOフレームワークに市場や代替可能性の観点を混ぜた組み合わせであり、5フォース分析の要因ではありません。
問33-2

「コストリーダーシップ戦略」の特徴に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①特定の顧客セグメントに経営資源を集中させ、その中でシェアを高めようとする戦略である。
  • ②他社が持たない独自の価値を製品やサービスに付加し、顧客の評価を高めようとする戦略である。
  • ③複数の事業分野に同時に進出し、事業間の相互のリスク分散を図ろうとする戦略である。
  • ④業界内で最低水準のコストを実現し、価格競争力によって競争優位を築こうとする戦略である。
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正解 ④業界内で最低水準のコストを実現し、価格競争力によって競争優位を築こうとする戦略である。
解説
コストリーダーシップ戦略は、規模の経済や生産効率の向上などを通じて業界内で最も低い水準のコスト構造を実現し、価格競争力を武器に競争優位を築こうとする戦略です。低コストを実現できれば、価格競争が生じた場面でも利益を確保しやすく、価格引き下げによる対抗もしやすくなります。

他の選択肢が誤りの理由
①は特定のセグメントに資源を集中する「集中戦略」の説明であり、コストリーダーシップ戦略の説明としては誤りです。②は独自の価値による差別化を狙う「差別化戦略」の説明であり誤りです。③は複数事業への進出によるリスク分散であり、多角化戦略に関する説明であってコストリーダーシップ戦略とは異なります。
問43-2

ポーターが提示した基本戦略の一つ「差別化戦略」の内容に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①業界内で最も低いコスト構造を実現し、価格の安さを武器に競争優位を築こうとする戦略である。
  • ②業界内の他社と比べ、品質・機能・ブランドなど独自の価値で顧客の評価を高める戦略である。
  • ③特定の顧客層や地域など限定した範囲に経営資源を集中的に投入しようとする戦略である。
  • ④既存の製品を新しい市場へ投入し、新たな顧客層の開拓を目指していこうとする戦略である。
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正解 ②業界内の他社と比べ、品質・機能・ブランドなど独自の価値で顧客の評価を高める戦略である。
解説
差別化戦略は、品質・機能・デザイン・ブランドイメージ・アフターサービスなど、価格以外の側面で他社にはない独自の価値を顧客に提供し、価格競争に巻き込まれずに競争優位を築こうとする戦略です。顧客がその独自性に価値を認めれば、割高な価格を設定しても選ばれやすくなります。

他の選択肢が誤りの理由
①は最も低いコスト構造の実現による優位を狙う「コストリーダーシップ戦略」の説明であり誤りです。③は特定の範囲に資源を集中する「集中戦略」の説明であり誤りです。④はアンゾフの成長ベクトルにおける新市場開拓戦略の説明であり、ポーターの基本戦略である差別化戦略の説明とは異なります。
問53-2

業界内で競争優位を築くための基本戦略の一つ「集中戦略」について、最も適切な記述はどれか。

  • ①業界全体を対象として、最も低いコストの実現によって競争優位を築こうとする戦略である。
  • ②業界内の複数企業と幅広く提携し、共同で規模の経済を追求しようとする戦略である。
  • ③特定の顧客層や地域に経営資源を集中させ、その中で優位を築こうとする戦略である。
  • ④業界全体を対象として、独自の価値を付加することで競争優位を築こうとする戦略である。
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正解 ③特定の顧客層や地域に経営資源を集中させ、その中で優位を築こうとする戦略である。
解説
集中戦略は、業界全体ではなく特定の顧客層や地域、製品分野といった限定したセグメントに経営資源を集中的に投入し、その狭い範囲の中で優位な地位を築こうとする戦略です。コスト面で優位を狙う「コスト集中」と、独自性で優位を狙う「差別化集中」に分けられます。

他の選択肢が誤りの理由
①は業界全体を対象に最も低いコストを狙う「コストリーダーシップ戦略」の説明であり誤りです。②は複数企業との提携によるスケールメリットの追求であり、集中戦略とは異なる考え方です。④は業界全体を対象に独自の価値を狙う「差別化戦略」の説明であり誤りです。
問63-2

業界への新規参入を妨げる「参入障壁」を高める要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①規模の経済が働き、既存企業に対して大規模な設備投資が新規参入の条件になっている。
  • ②製品の標準化が進んでおり、どの企業の製品も顧客にとって代替がしやすくなっている。
  • ③業界内の企業数が多く、価格や品質による競争が常に激しく行われている状況にある。
  • ④流通チャネルが多数存在し、新規参入者でも容易に販売網を確保できる状況にある。
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正解 ①規模の経済が働き、既存企業に対して大規模な設備投資が新規参入の条件になっている。
解説
参入障壁は、新規に業界へ参入しようとする企業にとっての進出のしにくさを指し、規模の経済が強く働き大規模な設備投資が必要になる業界ほど、新規参入企業には不利な条件となり参入障壁が高くなります。他にも巨額の初期投資、独自の流通チャネルの確保の難しさ、既存企業のブランド力などが参入障壁を高める要因になります。

他の選択肢が誤りの理由
②は製品の標準化により代替が容易になるとしており、これは新規参入者にとって既存製品への切り替えを促す要因であり、参入障壁を高める要因の説明としては誤りです。③は既存企業間の競争の激しさに関する説明であり、参入障壁そのものを高める要因の説明ではありません。④は新規参入者でも容易に販売網を確保できるとしており、参入障壁が低くなる状況の説明であるため誤りです。
問73-2

業界内の既存企業間の競争を激化させやすい要因に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①業界の成長率が高く、既存企業各社が新規需要の獲得だけで売上を伸ばせる業界である。
  • ②撤退障壁が低く、業績が悪化した企業が速やかに業界から退出できる業界である。
  • ③製品の差別化が進んでおり、各社が独自の顧客層をすでに確保している業界である。
  • ④競合他社の数が多く、各社の規模や戦略に大きな同質性が見られる業界の状況である。
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正解 ④競合他社の数が多く、各社の規模や戦略に大きな同質性が見られる業界の状況である。
解説
業界内の既存企業間の競争は、競合の数が多く各社の規模や戦略、製品内容などに大きな同質性が見られる業界ほど激化しやすいとされます。似た条件の企業が並び立つと、価格や販促などで差をつけようとする競争が生じやすくなるためです。

他の選択肢が誤りの理由
①は業界の成長率が高く新規需要の獲得だけで各社が売上を伸ばせるとしており、既存企業同士がシェアを奪い合う必要が薄れるため、むしろ競争を穏やかにする方向に働く状況です。②は撤退障壁が低く不振企業が速やかに退出できるとしており、過剰供給が解消されやすいため競争を穏やかにする方向に働きます。③は各社が独自の顧客層を確保し製品差別化が進んでいるとしており、価格競争に陥りにくいため競争を穏やかにする方向に働く状況です。
問83-2

ポーターの「バリューチェーン(価値連鎖)分析」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①企業の財務諸表を分析し、収益性・安全性・成長性を評価するための会計上の手法である。
  • ②企業活動を主活動と支援活動に分け、生み出す付加価値の連鎖を分析する手法である。
  • ③市場を複数のセグメントに分割し、自社が狙うべき標的市場を選定するための手法である。
  • ④競合他社の製品を分解し、コストや性能を比較するための技術的な分析の手法である。
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正解 ②企業活動を主活動と支援活動に分け、生み出す付加価値の連鎖を分析する手法である。
解説
バリューチェーン(価値連鎖)分析は、企業活動を購買物流・製造・出荷物流・販売マーケティング・サービスといった「主活動」と、調達・技術開発・人事労務管理・全般管理といった「支援活動」に分解し、それぞれの活動がどのように付加価値を生み出しているかを分析する手法です。自社の強み・弱みの所在を活動単位で把握できます。

他の選択肢が誤りの理由
①は収益性・安全性・成長性を評価する財務諸表分析の説明であり、バリューチェーン分析とは異なる手法です。③は標的市場を選定するためのセグメンテーション・ターゲティングの説明であり、バリューチェーン分析とは異なります。④は競合製品を分解して比較する技術的な分析の説明であり、自社の活動を分析するバリューチェーン分析とは異なります。
問93-2

ポーターが指摘した「スタックミドル(中途半端な状態)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①コストリーダーシップ戦略と差別化戦略を高い水準で同時に両立できている状態を指す。
  • ②業界内のすべての競合に対して、価格と品質の両面で優位に立てている状態を指す。
  • ③基本戦略のいずれも徹底できず、コストでも差別化でも競争優位を築けない状態を指す。
  • ④特定の市場セグメントに資源を集中させ、その中で確固たる地位を築いている状態を指す。
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正解 ③基本戦略のいずれも徹底できず、コストでも差別化でも競争優位を築けない状態を指す。
解説
スタックミドルとは、コストリーダーシップ戦略・差別化戦略・集中戦略のいずれの基本戦略も中途半端にしか実行できず、低コストによる優位も独自性による優位も築けないまま業界内で埋没してしまう状態を指します。ポーターは、基本戦略はいずれか一つを明確に選び徹底すべきであり、中途半端な戦略は収益性の低下を招くと指摘しました。

他の選択肢が誤りの理由
①はコストリーダーシップと差別化を高い水準で両立できているとしており、スタックミドルが示す「いずれも実現できていない」状態とは逆の望ましい状態です。②は価格と品質の両面で優位に立てているとしており、スタックミドルとは逆の状態です。④は集中戦略によって確固たる地位を築けている状態であり、いずれの基本戦略も徹底できていないスタックミドルとは異なります。
問103-2

ファイブフォース分析における「買い手の交渉力」が強まりやすい状況に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①買い手の購入量が大きく、価格や取引条件に関する情報を買い手が十分に持っている状況である。
  • ②買い手が少数の供給企業に依存しており、他社の製品へ切り替える手段を持たない状況である。
  • ③業界内の製品が高度に差別化されており、買い手が代替品を選びにくくなっている状況である。
  • ④売り手側の製品が買い手の事業にとって不可欠で、代替の入手先がほとんど存在しない状況である。
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正解 ①買い手の購入量が大きく、価格や取引条件に関する情報を買い手が十分に持っている状況である。
解説
買い手の交渉力は、買い手の購入量(取引規模)が大きく価格交渉力を持ちやすいことに加え、価格や品質、代替品に関する情報を買い手が豊富に持っている場合に強まりやすいとされます。有力な買い手は価格引き下げや品質向上を売り手に要求しやすい立場に立ちます。

他の選択肢が誤りの理由
②は買い手が少数の供給企業に依存し切り替え手段を持たないとしており、これはむしろ売り手側の交渉力が強まる状況の説明であるため誤りです。③は代替品を選びにくい状況としており、これも買い手が不利になり売り手の交渉力が強まる方向の説明であるため誤りです。④は売り手の製品が買い手にとって不可欠で代替の入手先が乏しいという、売り手の交渉力が強まる状況の説明であり、買い手の交渉力の説明としては誤りです。

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