2026年版・2-4

キャッシュフロー計算書の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「財務・会計」から、キャッシュフロー計算書に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-4

キャッシュフロー計算書における3つの区分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①商品の仕入や販売など、主たる営業活動から生じるキャッシュフローは投資活動の区分に計上される。
  • ②有形固定資産の取得による支出は、財務活動によるキャッシュフローの区分に計上されるものである。
  • ③借入金の返済による支出は、営業活動によるキャッシュフローの区分に計上されるものとされている。
  • ④株式の発行による収入や借入金の返済による支出は、財務活動によるキャッシュフローに区分される。
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正解 ④株式の発行による収入や借入金の返済による支出は、財務活動によるキャッシュフローに区分される。
解説
キャッシュフロー計算書は、営業活動・投資活動・財務活動の3つに区分してキャッシュの増減を表示します。財務活動によるキャッシュフローには、株式の発行による収入、借入金の借入・返済、社債の発行・償還など、資金の調達・返済に関する項目が計上されます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。商品の仕入や販売など主たる営業活動から生じるキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローに区分されます。②は誤りです。有形固定資産の取得による支出は、投資活動によるキャッシュフローに区分されます。③は誤りです。借入金の返済による支出は、財務活動によるキャッシュフローに区分されます。
問22-4

間接法によるキャッシュフロー計算書の作成において、税引前当期純利益に減価償却費を加算する理由として、最も適切なものはどれか。

  • ①減価償却費は支出を伴わない費用であり、利益計算上は費用として差し引かれているが、資金の流出は生じていないため。
  • ②減価償却費は将来発生する資金支出をあらかじめ利益から控除したものであり、加算すると二重の資金流出を防げるため。
  • ③減価償却費を加算することで、有形固定資産の取得による資金支出を営業活動によるキャッシュフローに反映させるため。
  • ④減価償却費は税法上の損金にはならないため、税引前当期純利益に加算して正しい課税所得を再計算する必要があるため。
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正解 ①減価償却費は支出を伴わない費用であり、利益計算上は費用として差し引かれているが、資金の流出は生じていないため。
解説
減価償却費は、固定資産の取得原価を耐用年数にわたって費用配分する会計上の手続きであり、その計上時点では実際に現金が社外へ流出するわけではありません。税引前当期純利益は費用として減価償却費を差し引いた後の金額であるため、キャッシュの動きに引き直すには、資金の流出を伴わないこの費用を利益に加算し直す必要があります。

他の選択肢が誤りの理由
②は「二重の資金流出を防ぐ」という説明が誤りで、減価償却費はそもそも資金の流出を伴わない費用であるという点が加算の理由です。③は誤りです。固定資産の取得による支出そのものは投資活動によるキャッシュフローの区分に計上されるものであり、減価償却費の加算は営業活動の区分で非資金費用を調整する処理です。④は誤りです。減価償却費は原則として税法上も一定の限度額まで損金に算入でき、この加算は課税所得の再計算のためではなく、利益をキャッシュベースに引き直すための調整です。
問32-4

間接法によるキャッシュフロー計算書(営業活動の区分)において、売上債権(売掛金)が当期中に増加した場合の取り扱いとして、最も適切なものはどれか。

  • ①売上債権の増加額は、その分だけ現金が増加したことを意味するため、税引前当期純利益に加算する。
  • ②売上債権の増加額は、まだ回収されていない売上の金額を意味するため、税引前当期純利益から減算する。
  • ③売上債権の増加額は、投資活動によるキャッシュフローの区分でマイナスとして計上するものとされる。
  • ④売上債権の増減は、損益計算書の利益に影響しないため、キャッシュフロー計算書上の調整は不要である。
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正解 ②売上債権の増加額は、まだ回収されていない売上の金額を意味するため、税引前当期純利益から減算する。
解説
間接法では、税引前当期純利益を出発点として、損益計算書上の利益とキャッシュの動きとのズレを調整します。売上債権が増加したということは、売上高として利益に計上された金額の一部が、まだ現金として回収されていないことを意味します。したがって、利益額をキャッシュベースに引き直すために、売上債権の増加額を税引前当期純利益から減算します。

他の選択肢が誤りの理由
①は加算・減算の方向が逆であり誤りです。売上債権の増加は未回収額の増加を意味するため、減算するのが正しい処理です。③は誤りです。売上債権の増減は営業活動から生じるものであり、営業活動によるキャッシュフローの区分で調整します。④は誤りです。売上債権の増減は損益計算書上の利益とキャッシュの動きにズレを生じさせるため、間接法ではこの調整が必要です。
問42-4

キャッシュフロー計算書における直接法と間接法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①直接法・間接法のいずれによっても、投資活動および財務活動によるキャッシュフローの表示方法が異なる。
  • ②間接法は、主要な取引ごとに総額でキャッシュの収入・支出を表示するため、資金の流れを把握しやすいとされる。
  • ③直接法は営業収入や仕入支出等の取引ごとに総額で表示し、間接法は税引前当期純利益に調整を加えて表示する。
  • ④間接法によって作成した場合、営業活動によるキャッシュフローの合計額は、直接法による場合と異なる金額になる。
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正解 ③直接法は営業収入や仕入支出等の取引ごとに総額で表示し、間接法は税引前当期純利益に調整を加えて表示する。
解説
直接法は、営業収入・仕入による支出・人件費の支出など、主要な取引ごとに総額でキャッシュの収入・支出を表示する方法です。一方、間接法は、税引前当期純利益を出発点として、減価償却費の加算や売上債権・棚卸資産等の増減による調整を加えることで、営業活動によるキャッシュフローを表示する方法です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。直接法・間接法の違いは営業活動によるキャッシュフローの表示方法のみに関するものであり、投資活動および財務活動によるキャッシュフローの表示方法はどちらの方法でも同じです。②は直接法の特徴を間接法の説明として述べており誤りです。主要な取引ごとに総額で表示するのは直接法の特徴です。④は誤りです。直接法と間接法は表示方法が異なるだけであり、営業活動によるキャッシュフローの合計額はどちらの方法で作成しても一致します。
問52-4

ある企業の当期の資料は次のとおりである。間接法による営業活動によるキャッシュフローとして正しい金額はどれか。税引前当期純利益:3,000万円、減価償却費:400万円、売上債権の増加額:200万円、棚卸資産の減少額:150万円、仕入債務の減少額:100万円。

  • ①3,550万円
  • ②2,450万円
  • ③3,400万円
  • ④3,250万円
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正解 ④3,250万円
解説
間接法による営業活動によるキャッシュフローは、税引前当期純利益を出発点として、非資金費用の加算や資産・負債の増減を調整して求めます。本問では、税引前当期純利益3,000万円に減価償却費400万円を加算し、売上債権の増加額200万円を減算し(未回収の増加のため)、棚卸資産の減少額150万円を加算し(在庫の現金化のため)、仕入債務の減少額100万円を減算します(支払いの増加のため)。3,000+400-200+150-100=3,250万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の3,550万円は、資産・負債の増減による調整の符号(加算・減算)をすべて逆にしてしまった場合に生じる金額です。②の2,450万円は、非資金費用である減価償却費を加算ではなく誤って減算してしまった場合に生じる金額です。③の3,400万円は、減価償却費の加算のみを行い、売上債権・棚卸資産・仕入債務の増減による調整を行わなかった場合に生じる金額です。
問62-4

次のうち、キャッシュフロー計算書の投資活動によるキャッシュフローの区分に計上される項目として、最も適切なものはどれか。

  • ①投資有価証券の取得による支出
  • ②従業員に対する給料の支払額
  • ③株主に対する配当金の支払額
  • ④短期借入金の純増減額による収入
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正解 ①投資有価証券の取得による支出
解説
投資有価証券をはじめとする有価証券や、有形固定資産・無形固定資産の取得・売却による収入・支出は、投資活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。従業員に対する給料の支払額は、企業の主たる営業活動に伴う人件費の支出であり、営業活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。③は誤りです。株主に対する配当金の支払額は、株主への資金の還元であり、財務活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。④は誤りです。短期借入金の純増減額は、資金の調達・返済に関する項目であり、財務活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。
問72-4

次のうち、キャッシュフロー計算書の財務活動によるキャッシュフローの区分に計上される項目として、最も適切なものはどれか。

  • ①商品の仕入による支出
  • ②社債の発行による収入
  • ③有形固定資産の売却による収入
  • ④法人税等の支払額
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正解 ②社債の発行による収入
解説
社債や株式の発行、借入金の借入・返済など、資金の調達・返済に関する取引は、財務活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。社債の発行による収入は、その典型例です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。商品の仕入による支出は、主たる営業活動に伴う支出であり、営業活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。③は誤りです。有形固定資産の売却による収入は、投資活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。④は誤りです。法人税等の支払額は、原則として営業活動によるキャッシュフローの区分に計上されます。
問82-4

ある企業の当期の営業活動によるキャッシュフローは5,500万円、投資活動によるキャッシュフローは△2,000万円であった。フリーキャッシュフローとして正しい金額はどれか。

  • ①7,500万円
  • ②5,500万円
  • ③3,500万円
  • ④2,000万円
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正解 ③3,500万円
解説
フリーキャッシュフローは、一般に営業活動によるキャッシュフローと投資活動によるキャッシュフローを合計して求めます(企業が自由に使える資金を示す指標です)。本問では、営業活動によるキャッシュフロー5,500万円に投資活動によるキャッシュフロー△2,000万円を加えて、5,500万円+(△2,000万円)=3,500万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の7,500万円は、投資活動によるキャッシュフローがマイナスであるにもかかわらず、符号を無視して単純に絶対値同士を加算してしまった場合に生じる金額です。②の5,500万円は、営業活動によるキャッシュフローのみでフリーキャッシュフローを計算し、投資活動によるキャッシュフローを考慮していない金額です。④の2,000万円は、投資活動によるキャッシュフローの絶対値のみを答えてしまった金額です。
問92-4

減価償却に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①減価償却費を計上すると、その計上額に相当する分だけ企業から社外へ現金が流出するとされている。
  • ②減価償却費は、キャッシュフロー計算書上、投資活動によるキャッシュフローの区分で加算される。
  • ③減価償却費の計上を通じ、資金を社外に流出させずに取得原価を内部留保する効果があるとされる。
  • ④減価償却費の計上額が多いほど、必ず当期の営業活動によるキャッシュフローの金額は小さくなる。
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正解 ③減価償却費の計上を通じ、資金を社外に流出させずに取得原価を内部留保する効果があるとされる。
解説
減価償却費は非資金費用であり、費用として利益を減少させる一方で現金の社外流出を伴いません。そのため、減価償却費を計上して得た利益の中に相当する資金を留保することで、社外に資金を流出させずに固定資産の取得原価相当額を企業内部に留保する効果があるとされ、これを自己金融効果(内部金融効果)と呼びます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。減価償却費の計上自体は会計上の費用配分の手続きであり、計上時点で現金が社外へ流出するわけではありません。②は誤りです。間接法のキャッシュフロー計算書では、減価償却費は営業活動によるキャッシュフローの区分で、税引前当期純利益に加算されます。④は誤りです。減価償却費は非資金費用として税引前当期純利益に加算し直されるため、その計上額の大小が営業活動によるキャッシュフローの金額を直接減少させるとは限りません。
問102-4

損益計算書上は黒字(当期純利益がプラス)であるにもかかわらず、資金繰りに行き詰まり倒産する、いわゆる「黒字倒産」が生じうる理由に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①売上高を計上していても、代金が売掛金のまま未回収であれば、利益はあっても現金は増えないため。
  • ②会計上の利益と実際のキャッシュフローは、会計基準上、常に完全に一致するように調整されるため。
  • ③減価償却費を計上すると、その計上額だけ現金が社外に流出し、資金繰りを圧迫するためとされる。
  • ④黒字倒産は、営業活動によるキャッシュフローが常にマイナスである企業でのみ発生しうる現象である。
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正解 ①売上高を計上していても、代金が売掛金のまま未回収であれば、利益はあっても現金は増えないため。
解説
黒字倒産は、損益計算書上は利益が計上されていても、その裏付けとなる現金が実際には十分に入ってきていないために生じます。典型的には、売上高は計上されているものの、その代金が売掛金のまま回収されていなかったり、棚卸資産として在庫に滞留していたりすることで、利益と手元資金の増減が一致しないことが原因となります。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。会計上の利益とキャッシュフローは、発生主義と現金主義の違いなどにより一致しないのが通常であり、この乖離こそが黒字倒産の原因となり得ます。③は誤りです。減価償却費は非資金費用であり、その計上によって現金が社外に流出するわけではありません。④は誤りです。黒字倒産は、営業活動によるキャッシュフローが一時的にプラスであっても、借入金の返済など多額の資金需要に資金繰りが追いつかない場合にも生じうるものであり、常にマイナスである企業に限られる現象ではありません。

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