2026年版・1-6

財政政策の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経済学・経済政策」から、財政政策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-6

政府支出乗数の大きさが何によって決まるかについて、最も適切な記述はどれか。

  • ①政府支出乗数は、限界消費性向が大きいほど、その値も大きくなるという関係にある。
  • ②政府支出乗数は、限界消費性向が大きいほど、その値は小さくなるという関係にある。
  • ③政府支出乗数の値は、実際には租税乗数の値の大きさと常に等しい水準になる。
  • ④政府支出乗数は、限界消費性向の大きさにかかわらず、常に1に等しい値をとる。
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正解 ①政府支出乗数は、限界消費性向が大きいほど、その値も大きくなるという関係にある。
解説
政府支出乗数は、限界消費性向をcとすると1/(1-c)で表される。限界消費性向が大きいほど、追加的な所得のうちより多くの部分が消費に回され、その消費がさらに次の所得を生むという波及の連鎖が強く働くため、乗数の値は大きくなる。

他の選択肢が誤りの理由
②は限界消費性向が大きいほど乗数の値は大きくなるのであり、小さくなるという記述は逆であるため誤りです。③は政府支出乗数(1/(1-c))は租税乗数(-c/(1-c))よりも絶対値が大きく、両者は常に等しいわけではないため誤りです。④は政府支出乗数の値は限界消費性向cの大きさによって変化し、cがゼロの特殊な場合を除いて1にはならないため、常に1に等しいという記述は誤りです。
問21-6

租税乗数の性質に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  • ①租税を1単位減税した場合の所得増加幅は、政府支出を同額増やした場合より大きい。
  • ②租税を1単位減税した場合の所得増加幅は、政府支出を同額増やした場合より小さい。
  • ③減税という政策手段は、消費という経路を経ることなく、国民所得に直接的な影響を及ぼす。
  • ④租税乗数の大きさは、限界消費性向の大きさとは無関係に、常に一定の値をとる。
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正解 ②租税を1単位減税した場合の所得増加幅は、政府支出を同額増やした場合より小さい。
解説
租税乗数は-c/(1-c)(cは限界消費性向)で表され、政府支出乗数1/(1-c)よりも絶対値が小さい。これは、減税による可処分所得の増加分のうち、消費に回されるのは限界消費性向c倍の部分のみであり、政府支出のように支出額の全額がそのまま需要として直接効果を持つわけではないためである。

他の選択肢が誤りの理由
①は租税乗数の絶対値は政府支出乗数の絶対値より小さいのであり、減税による所得増加幅が政府支出増加による所得増加幅より大きいという記述は逆であるため誤りです。③は減税は可処分所得の変化を通じて消費に影響を及ぼすのであり、消費という経路を経ずに直接的な影響を及ぼすという記述は誤りです。④は租税乗数の絶対値は限界消費性向の大きさによって変化するため、無関係に一定であるという記述は誤りです。
問31-6

均衡予算乗数の定理について、最も妥当な記述はどれか。

  • ①政府支出と租税を同額増加させると、限界消費性向にかかわらず国民所得も同額増加する。
  • ②政府支出と租税を同額増加させても、国民所得は変化しないというのが定理の内容である。
  • ③均衡予算乗数の定理における乗数の値は、限界消費性向が大きくなるにつれて大きくなる。
  • ④均衡予算乗数の定理は、政府支出の増加額が租税の増加額を上回る場合にのみ成立する。
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正解 ①政府支出と租税を同額増加させると、限界消費性向にかかわらず国民所得も同額増加する。
解説
均衡予算乗数の定理とは、政府支出と租税を同額だけ増加させた場合、限界消費性向の値にかかわらず、国民所得がその増加額と同額だけ増加するという定理である。政府支出の乗数効果(1/(1-c))から租税の乗数効果の絶対値(c/(1-c))を差し引くと、限界消費性向cの値によらず常に1になることから導かれる。

他の選択肢が誤りの理由
②は均衡予算乗数の定理では国民所得が支出・租税の増加額と同額だけ増加するのであり、変化しないという記述は誤りです。③は均衡予算乗数(1/(1-c)からc/(1-c)を引いた値)は限界消費性向cの値にかかわらず常に1となるのであり、限界消費性向が大きいほど大きくなるという記述は誤りです。④は均衡予算乗数の定理は政府支出と租税を同額だけ増加させる場合に成立するのであり、政府支出の増加額が租税の増加額を上回る場合にのみ成立するという記述は誤りです。
問41-6

財政における自動安定化装置(ビルトイン・スタビライザー)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①累進所得税制度は、好況期には税負担を自動的に軽くし、景気をさらに過熱させる効果を持つ。
  • ②自動安定化装置は、政府が景気の状況を都度判断し、法律を新たに制定することで発動される仕組みである。
  • ③雇用保険(失業給付)制度は、不況期に給付総額が自動的に減少し、景気の落ち込みをさらに悪化させる。
  • ④累進所得税制度は、好況期に税負担を自動的に重くし、景気の過熱を抑える自動安定化装置として機能する。
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正解 ④累進所得税制度は、好況期に税負担を自動的に重くし、景気の過熱を抑える自動安定化装置として機能する。
解説
累進所得税制度のもとでは、好況期に個人の所得が増加すると、より高い税率が自動的に適用されるようになるため、可処分所得の増加が抑えられ、消費の伸びも抑制される。これにより、政府が新たな法律を制定しなくても、景気の過熱を自動的に和らげる自動安定化装置として機能する。

他の選択肢が誤りの理由
①は累進所得税制度は好況期に税負担を自動的に重くすることで景気の過熱を抑える方向に働くのであり、税負担を軽くし景気をさらに過熱させるという記述は逆であるため誤りです。③は雇用保険(失業給付)制度は不況期に失業者が増えることで給付総額が自動的に増加し、可処分所得の落ち込みを緩和する方向に働くのであり、給付総額が減少し景気をさらに悪化させるという記述は逆であるため誤りです。②は自動安定化装置の特徴は、その都度の政府の判断や新たな立法を必要とせず自動的に作動する点にあり、都度の判断や新たな法律の制定を要するという記述は自動安定化装置の趣旨と反するため誤りです。
問51-6

クラウディングアウト効果について、最も妥当な説明はどれか。

  • ①クラウディングアウト効果とは、政府支出の拡大が金利を低下させ、民間投資を増加させる現象を指す。
  • ②クラウディングアウト効果は、政府支出の財源をすべて増税でまかなう場合にのみ発生する。
  • ③政府が国債発行によってその財源を調達すると、金利がやや上昇し、民間投資が抑制されることがある。
  • ④クラウディングアウト効果は、財政政策の効果を、乗数理論の想定よりもさらに大きくする方向に働く。
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正解 ③政府が国債発行によってその財源を調達すると、金利がやや上昇し、民間投資が抑制されることがある。
解説
政府が公共投資などの財源を国債発行によって調達すると、資金の借り手として民間部門と競合し、資金需要が高まることで金利が上昇しやすくなる。金利が上昇すると、金利に敏感な民間投資が抑制されることがあり、この現象をクラウディングアウト効果という。

他の選択肢が誤りの理由
①はクラウディングアウト効果は政府支出の拡大が金利を上昇させ民間投資を抑制する現象であり、金利を低下させ民間投資を増加させるという記述は逆であるため誤りです。②はクラウディングアウト効果は主に国債発行(公債による資金調達)に伴って生じるとされる現象であり、財源をすべて増税でまかなう場合にのみ発生するという記述は誤りです。④はクラウディングアウト効果は民間投資の抑制を通じて財政政策の効果を乗数理論の想定よりも小さくする(相殺する)方向に働くのであり、効果をさらに大きくする方向に働くという記述は逆であるため誤りです。
問61-6

公債の中立命題(リカードの中立命題)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①公債の中立命題によれば、公債発行による減税は、どのような財源であっても消費を確実に増加させる。
  • ②公債の中立命題は、人々が将来の増税を全く予想しないという仮定のもとで成立する理論である。
  • ③公債の中立命題によれば、公債発行は租税による資金調達と比べて、常に景気刺激効果が大きい。
  • ④公債の中立命題では、公債発行による減税が将来の増税を意味すると予想されれば消費を増やさない。
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正解 ④公債の中立命題では、公債発行による減税が将来の増税を意味すると予想されれば消費を増やさない。
解説
公債の中立命題(リカードの中立命題)によれば、政府が公債発行によって減税を行っても、人々がその公債の償還のために将来増税が行われると合理的に予想するならば、生涯を通じた可処分所得の見通しは変わらないため、消費は増加しないとされる。

他の選択肢が誤りの理由
①は公債の中立命題は、将来の増税が予想される場合には消費が増加しないことを示すものであり、財源にかかわらず消費を確実に増加させるという記述は定理の趣旨と反するため誤りです。②は公債の中立命題は、人々が将来の増税を合理的に予想することを前提として成立する理論であり、増税を全く予想しないという仮定のもとで成立するという記述は逆であるため誤りです。③は公債の中立命題によれば、公債発行による資金調達と租税による資金調達は消費への影響という点で同等(中立的)であるとされ、公債発行の方が常に景気刺激効果が大きいという記述は定理の結論と反するため誤りです。
問71-6

租税の分類(直接税・間接税、累進課税)について、正しいものはどれか。

  • ①所得税の累進課税制度とは、所得が高くなるほど高い税率が適用される仕組みをいう。
  • ②所得税の累進課税制度は、所得の水準にかかわらず常に一定の税率が適用される仕組みである。
  • ③消費税のような間接税は、税を納める義務者と実質的な税負担者が一致する税である。
  • ④所得税は、代表的な間接税の1つであり、消費税は代表的な直接税の1つである。
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正解 ①所得税の累進課税制度とは、所得が高くなるほど高い税率が適用される仕組みをいう。
解説
所得税に採用されている累進課税制度とは、課税対象となる所得の水準が高くなるにつれて、適用される税率も段階的に高くなっていく仕組みをいう。これにより、所得の多い人ほど所得に占める税負担の割合が重くなり、所得の再分配機能を果たすとされる。

他の選択肢が誤りの理由
②は累進課税制度は所得水準に応じて税率が変化する仕組みであり、所得の水準にかかわらず一定の税率が適用されるという記述は比例税(フラットタックス)の説明であるため誤りです。③は間接税は納税義務者(事業者等)と実質的な税負担者(消費者等)が異なることを特徴とするのであり、両者が一致するという記述は直接税の説明であるため誤りです。④は所得税は納税義務者と税負担者が一致する直接税の代表例であり、消費税は両者が異なる間接税の代表例であるため、この記述は直接税と間接税を取り違えており誤りです。
問81-6

日本の財政法における国債発行の原則に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①財政法は、国の歳出をすべて国債の発行によって賄うことを原則として定めている。
  • ②財政法は、歳出を租税等でまかなうのを原則とし、建設国債のみを例外的に認めている。
  • ③赤字国債(特例国債)については、財政法上、毎年度当然に発行することが認められている。
  • ④建設国債については、財政法上、いかなる場合であっても発行が禁止されている。
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正解 ②財政法は、歳出を租税等でまかなうのを原則とし、建設国債のみを例外的に認めている。
解説
財政法第4条は、国の歳出は公債(国債)または借入金以外の歳入、すなわち租税等をもって賄うことを原則とし、公共事業費等の財源に充てる場合に限り、国会の議決を経た金額の範囲内で公債を発行できるという例外(建設国債)を定めている。

他の選択肢が誤りの理由
①は財政法は国の歳出を租税等でまかなうことを原則としているのであり、国債発行によってすべて賄うことを原則とするという記述は原則と例外を取り違えているため誤りです。③は赤字国債(特例国債)は財政法上の原則(公債発行によらないこと)の例外であるため、財政法とは別に毎年度、特例法を制定することによって初めて発行が可能となるのであり、財政法上当然に発行が認められているという記述は誤りです。④は建設国債は財政法第4条ただし書きにより明示的に発行が認められている例外であり、いかなる場合であっても発行が禁止されているという記述は誤りです。
問91-6

財政政策における政策のラグ(遅れ)について、最も妥当な説明はどれか。

  • ①財政政策は、実際には金融政策と比較すると、政策の決定から効果発現までのラグが常に短い。
  • ②財政政策における認知のラグとは、政策を決定してから、効果が実際に現れるまでの時間差を指す。
  • ③財政政策には、景気変動を認識する認知のラグと、決定・実施に要する実行のラグとが存在する。
  • ④財政政策には、実行のラグは存在するが、政策の効果が波及するまでのラグは存在しない。
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正解 ③財政政策には、景気変動を認識する認知のラグと、決定・実施に要する実行のラグとが存在する。
解説
財政政策には、景気の変動を政府が把握し問題を認識するまでにかかる認知のラグと、政策を決定し実際に予算措置や事業実施に移すまでにかかる実行のラグ(決定のラグ・実施のラグ)という、複数の時間的な遅れが存在する。

他の選択肢が誤りの理由
①は財政政策は法律や予算の議決といった政治プロセスを要するため、機動的に発動しやすい金融政策と比べて一般に決定や実施のラグが長いとされ、常に短いという記述は誤りです。②は認知のラグとは景気変動という問題の存在を認識するまでの時間差を指すのであり、政策決定から効果発現までの時間差は実行のラグや効果のラグの説明であるため誤りです。④は財政政策には実行のラグに加えて、政策が実施された後にその効果が経済全体に波及するまでの時間差(効果のラグ)も存在するため、効果が波及するまでのラグは存在しないという記述は誤りです。
問101-6

裁量的財政政策(フィスカル・ポリシー)の限界に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①裁量的財政政策は、政治的な意思決定を経ることなく、機械的かつ即座に発動される政策である。
  • ②裁量的財政政策には、政策の効果が及ぶまでの時間的なラグというものは一切存在しない。
  • ③裁量的財政政策は、自動安定化装置と全く同一の概念であり、両者の間に相違点はない。
  • ④裁量的財政政策は、政治的な意思決定を経る必要があるため、機動的な発動が難しい場合がある。
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正解 ④裁量的財政政策は、政治的な意思決定を経る必要があるため、機動的な発動が難しい場合がある。
解説
裁量的財政政策(フィスカル・ポリシー)は、景気の状況に応じて政府がその都度、政府支出や租税の水準を政治的に決定し発動する政策であるため、法律の改正や予算の議決といった政治的な意思決定プロセスを経る必要があり、機動的・迅速に発動することが難しい場合がある。

他の選択肢が誤りの理由
①は裁量的財政政策はその都度の政治的な意思決定を経て発動されるのであり、意思決定を経ることなく機械的かつ即座に発動されるという記述は、政治的な決定を経ずに自動的に作動する自動安定化装置の説明と取り違えているため誤りです。②は裁量的財政政策にも、他の財政政策と同様に認知のラグや実行のラグ、効果のラグが存在するのであり、時間的なラグが一切存在しないという記述は誤りです。③は裁量的財政政策はその都度の政治的判断を要する政策であるのに対し、自動安定化装置は新たな判断を要さず自動的に作動する仕組みであり、両者は区別される概念であるため、同一の概念で相違点はないという記述は誤りです。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。