2026年版・1-7

金融政策の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経済学・経済政策」から、金融政策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-7

中央銀行の金融政策手段に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①買いオペレーションは、中央銀行が国債等を買い入れ、市中の資金量を増加させる操作をいう。
  • ②買いオペレーションは、中央銀行が国債等を買い入れ、市中の資金量を減少させる操作をいう。
  • ③預金準備率を引き上げると、市中銀行の貸出余力は増加し、通貨供給量は拡大する傾向がある。
  • ④政策金利の引き下げという政策は、一般的にはかなり強い金融引き締め的な効果を持つ。
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正解 ①買いオペレーションは、中央銀行が国債等を買い入れ、市中の資金量を増加させる操作をいう。
解説
買いオペレーションとは、中央銀行が公開市場で市中金融機関から国債等を買い入れる操作であり、その代金の支払いを通じて市中に供給される資金量(マネタリーベース)を増加させる効果を持つ。中央銀行が資金供給を増やしたいとき(金融緩和時)に用いられる代表的な政策手段である。

他の選択肢が誤りの理由
②は買いオペレーションは市中への資金供給を増加させる操作であり、減少させるという記述は逆であるため誤りです。③は預金準備率を引き上げると、市中銀行は日銀等に積み立てる準備預金を増やさなければならなくなり貸出に回せる余力が減るため、貸出余力が増加し通貨供給量が拡大するという記述は逆であるため誤りです。④は政策金利の引き下げは、企業や家計が資金を借り入れやすくなる金融緩和的な効果を持つのであり、金融引き締め的な効果を持つという記述は逆であるため誤りです。
問21-7

マネーストック統計におけるM1・M2・M3の区分について、最も妥当な記述はどれか。

  • ①M1は、現金通貨に加えて、定期性預金や外貨預金等までを含む、最も範囲の広い指標である。
  • ②M1とは、現金通貨と預金通貨(要求払預金)を合計したもので、最も範囲の狭い指標である。
  • ③M2の対象となる金融機関の範囲は、実際にはM3の対象金融機関の範囲よりも広い。
  • ④マネーストック統計は、金融機関ではなく、一般政府が保有する通貨量を集計した統計である。
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正解 ②M1とは、現金通貨と預金通貨(要求払預金)を合計したもので、最も範囲の狭い指標である。
解説
マネーストック統計におけるM1は、現金通貨と預金通貨(普通預金・当座預金等の要求払預金)を合計した、決済手段としての機能に着目した最も範囲の狭い指標である。M2・M3はこれに定期性預金等を加えることで、より広い範囲の通貨量を捉える指標となっている。

他の選択肢が誤りの理由
①はM1は現金通貨と要求払預金のみを対象とする最も範囲の狭い指標であり、定期性預金や外貨預金までを含む最も範囲の広い指標であるという記述は誤りです。③は対象金融機関の範囲は、M2よりもM3の方が広い(M3にはゆうちょ銀行や信用組合等も含まれる)とされており、M2の方が広いという記述は逆であるため誤りです。④はマネーストック統計は一般法人・個人・地方公共団体等が保有する通貨量を集計する統計であり、一般政府(中央政府)が保有する通貨量は対象から除かれるため、一般政府の保有額のみを集計するという記述は誤りです。
問31-7

信用創造メカニズムと貨幣乗数に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①預金準備率が低いほど、市中銀行全体を通じた信用創造によって生み出される預金総額は小さくなる。
  • ②貨幣乗数(信用乗数)は、預金準備率の大きさとは実は無関係に、常に一定の値をとる。
  • ③預金準備率が低いほど、市中銀行全体を通じた信用創造によって生み出される預金総額は大きくなる。
  • ④信用創造は、個々の銀行が単独で無限に貸し出しを繰り返すことのみによって生じる現象である。
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正解 ③預金準備率が低いほど、市中銀行全体を通じた信用創造によって生み出される預金総額は大きくなる。
解説
信用創造とは、銀行が受け入れた預金の一部を貸し出し、その貸出金が再び別の銀行に預金され、それがまた貸し出される、という過程が銀行システム全体で繰り返されることで、当初の預金額を上回る預金総額が生み出される仕組みである。預金準備率が低いほど、各銀行が貸し出しに回せる金額の割合が大きくなるため、信用創造によって生み出される預金総額は大きくなる。

他の選択肢が誤りの理由
①は預金準備率が低いほど信用創造によって生み出される預金総額は大きくなるのであり、小さくなるという記述は逆であるため誤りです。②は貨幣乗数(信用乗数)は預金準備率の逆数に近い形で表され、その大きさに依存して変化するため、無関係に一定であるという記述は誤りです。④は信用創造は個々の銀行が単独で無限に貸し出しを繰り返すことでは生じず、銀行システム全体を通じた預金と貸出の連鎖によって生じる現象であるため誤りです。
問41-7

貨幣数量説(フィッシャーの交換方程式)について、正しいものはどれか。

  • ①貨幣数量説によれば、貨幣供給量がどれだけ増加しても、物価水準にはいかなる影響も及ぼさない。
  • ②フィッシャーの交換方程式(MV=PY)の流通速度Vは、貨幣供給量Mと等しい値をとる変数である。
  • ③貨幣数量説は、貨幣供給量の変動が実質産出量に対して長期的にも大きな影響を持つと説明する理論である。
  • ④貨幣数量説では、貨幣の流通速度と実質産出量が一定なら、物価水準は貨幣供給量に比例して変動する。
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正解 ④貨幣数量説では、貨幣の流通速度と実質産出量が一定なら、物価水準は貨幣供給量に比例して変動する。
解説
貨幣数量説は、貨幣数量Mと流通速度Vの積が、物価水準Pと実質産出量Yの積に等しい(MV=PY)というフィッシャーの交換方程式を基礎とする。流通速度Vと実質産出量Yが一定であるという仮定のもとでは、物価水準Pは貨幣供給量Mに比例して変動するという結論が導かれる。

他の選択肢が誤りの理由
①は貨幣数量説はまさに貨幣供給量の変化が物価水準に影響を及ぼすことを説明する理論であり、いかなる影響も及ぼさないという記述は理論の趣旨と反するため誤りです。②はフィッシャーの交換方程式における流通速度Vは、一定期間内に貨幣が取引に使用される平均回数を表す変数であり、貨幣供給量Mとは別の独立した変数であるため誤りです。③は伝統的な貨幣数量説は、貨幣供給量の変動は長期的には物価水準等の名目変数に影響するが実質産出量には影響しない(貨幣の中立性)と説明するのが一般的であり、実質産出量に長期的にも大きな影響を持つという記述は誤りです。
問51-7

貨幣市場の均衡から導かれるLM曲線の形状について、最も適切な記述はどれか。

  • ①LM曲線は、貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを描いた、右上がりの曲線である。
  • ②LM曲線は、貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを描いた、右下がりの曲線である。
  • ③国民所得が増加すると、取引的動機に基づく貨幣需要は減少し、LM曲線は右方にシフトする。
  • ④貨幣供給量が増加すると、貨幣市場の均衡を通じて、LM曲線はかえって左方にシフトする。
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正解 ①LM曲線は、貨幣市場を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを描いた、右上がりの曲線である。
解説
LM曲線は、貨幣市場(貨幣需要と貨幣供給)を均衡させる利子率と国民所得の組み合わせを描いた曲線である。国民所得が増加すると取引的動機に基づく貨幣需要が増加し、一定の貨幣供給のもとで需給を均衡させるには利子率が上昇する必要があるため、LM曲線は右上がりの形状となる。

他の選択肢が誤りの理由
②はLM曲線は国民所得の増加とともに均衡利子率が上昇する右上がりの曲線であり、右下がりであるという記述は誤りです。③は国民所得が増加すると取引的動機に基づく貨幣需要はむしろ増加するのであり、減少するという記述は逆であるため誤りです。また、これはLM曲線上の点の移動であって曲線自体のシフトではありません。④は貨幣供給量が増加すると、同じ国民所得のもとでも均衡する利子率が低下するため、LM曲線は右方にシフトするのであり、左方にシフトするという記述は逆であるため誤りです。
問61-7

ケインズの流動性選好説における貨幣需要の3つの動機について、正しいものはどれか。

  • ①投機的動機に基づく貨幣需要は、利子率が低いほど小さくなるという関係にある。
  • ②投機的動機に基づく貨幣需要は、利子率が低いほど大きくなるという関係にある。
  • ③取引的動機に基づく貨幣需要は、国民所得の水準とは無関係に、常に一定である。
  • ④予備的動機に基づく貨幣需要は、専ら将来の利子率の変動に備えるために生じる需要である。
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正解 ②投機的動機に基づく貨幣需要は、利子率が低いほど大きくなるという関係にある。
解説
投機的動機に基づく貨幣需要とは、債券等の資産価格の先行きに関する予想に基づいて生じる貨幣需要である。利子率が低い(債券価格が高い)局面では、今後利子率が上昇し債券価格が値下がりする(損失を被る)と予想されやすいため、資産を債券ではなく貨幣のまま保有しようとする需要が高まり、投機的動機に基づく貨幣需要は大きくなる。

他の選択肢が誤りの理由
①は利子率が低いほど投機的動機に基づく貨幣需要は大きくなるのであり、小さくなるという記述は逆であるため誤りです。③は取引的動機に基づく貨幣需要は、日々の取引に必要な貨幣需要であり、国民所得の水準が高いほど取引額も増えるため所得の増加関数となるのであり、所得の水準と無関係に一定であるという記述は誤りです。④は予備的動機に基づく貨幣需要は、病気や事故など将来の不測の支出に備えるために生じる需要であり、利子率の変動に備えるための需要ではないため誤りです。
問71-7

流動性の罠と呼ばれる状況について、最も妥当な説明はどれか。

  • ①流動性の罠に陥った状況では、貨幣供給量をわずかに増加させただけで、利子率が大きく低下する。
  • ②流動性の罠のもとでは、LM曲線は垂直に近い形状となってしまい、財政政策の効果が失われる。
  • ③流動性の罠に陥ると、貨幣供給量を増やしても利子率は低下せず、金融政策の効果が乏しくなる。
  • ④流動性の罠という状況は、利子率が極めて高い水準にあるときにのみ生じる現象である。
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正解 ③流動性の罠に陥ると、貨幣供給量を増やしても利子率は低下せず、金融政策の効果が乏しくなる。
解説
流動性の罠とは、利子率がすでに極めて低い水準(下限)まで低下しており、中央銀行が貨幣供給量をさらに増加させても、人々が資産を投機的動機によりすべて貨幣のまま保有しようとするため、利子率がそれ以上低下せず、金融緩和政策が国民所得の押し上げに結びつかなくなる状況をいう。

他の選択肢が誤りの理由
①は流動性の罠のもとでは貨幣供給量を増やしても利子率がほとんど反応しなくなるのであり、わずかな増加で利子率が大きく低下するという記述は誤りです。②は流動性の罠はLM曲線が水平に近づく状況に対応し、この場合は財政政策の効果が(クラウディングアウトが生じにくくなるため)むしろ強まるとされ、LM曲線が垂直になり財政政策の効果が失われるという記述は誤りです。④は流動性の罠は利子率が極めて低い水準にあるときに生じる現象であり、高い水準にあるときに生じるという記述は逆であるため誤りです。
問81-7

量的緩和政策等の非伝統的金融政策について、最も妥当な記述はどれか。

  • ①量的緩和政策は、政策金利をさらに引き下げる余地が十分にある状況でのみ用いられる政策である。
  • ②量的緩和政策の操作目標は、伝統的な金融政策と同様に、政策金利の水準そのものである。
  • ③量的緩和政策は、中央銀行のバランスシートの規模を縮小させる効果を持つ政策である。
  • ④量的緩和政策は、政策金利がゼロ近傍まで低下した状況で、資金供給量を拡大する政策をいう。
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正解 ④量的緩和政策は、政策金利がゼロ近傍まで低下した状況で、資金供給量を拡大する政策をいう。
解説
量的緩和政策は、政策金利がすでにゼロ近傍まで低下し、それ以上の利下げによる緩和余地が乏しくなった状況において、中央銀行が金融機関から国債等を大量に買い入れることで、金利以外の操作目標である資金供給量(中央銀行当座預金残高等)そのものを拡大する非伝統的な金融緩和政策である。

他の選択肢が誤りの理由
①は量的緩和政策は政策金利の引き下げ余地がほぼ失われた状況で用いられる政策であり、引き下げる余地が十分にある状況でのみ用いられるという記述は誤りです。②は量的緩和政策の操作目標は政策金利ではなく資金供給量(マネタリーベース等)であり、これが伝統的な金融政策との違いであるため、操作目標が政策金利の水準そのものであるという記述は誤りです。③は量的緩和政策は中央銀行が資産(国債等)を買い入れることでバランスシートの規模を拡大させる政策であり、縮小させるという記述は逆であるため誤りです。
問91-7

公開市場操作における売りオペレーションに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①売りオペレーションは、中央銀行が保有する国債等を市中に売却し、資金量を吸収する操作である。
  • ②売りオペレーションは、中央銀行が市中から国債等を買い入れ、市中の資金量を供給する操作である。
  • ③売りオペレーションが実施されると、市中に出回る資金量が増加し、金利は低下する傾向がある。
  • ④売りオペレーションは、景気が過熱している局面ではなく、景気後退局面で主に用いられる手段である。
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正解 ①売りオペレーションは、中央銀行が保有する国債等を市中に売却し、資金量を吸収する操作である。
解説
売りオペレーションとは、中央銀行が保有する国債等を市中金融機関に売却する操作であり、その代金を市中金融機関から受け取ることを通じて、市中に出回る資金量を吸収(減少)させる効果を持つ。景気の過熱やインフレ懸念が強まった局面で、金融引き締めの手段として用いられる。

他の選択肢が誤りの理由
②は中央銀行が市中から国債等を買い入れ資金を供給する操作は買いオペレーションの説明であり、売りオペレーションと取り違えているため誤りです。③は売りオペレーションが実施されると市中に出回る資金量は減少し、資金の希少性が高まることで金利は上昇する傾向があるため、資金量が増加し金利が低下するという記述は逆であるため誤りです。④は売りオペレーションは景気の過熱を抑えたい局面で用いられる金融引き締めの手段であり、景気後退局面で主に用いられるという記述は誤りです。
問101-7

金融政策の波及経路(トランスミッション・メカニズム)について、最も妥当な記述はどれか。

  • ①金融緩和によって利子率が低下すると、企業の設備投資は抑制され、国民所得は減少する経路がたどられる。
  • ②金融政策全体としては、利子率を経由する経路以外に、国民所得へ波及する経路は一切存在しない。
  • ③金融緩和によって利子率が低下すると、企業の設備投資が刺激され、国民所得が増加する経路がある。
  • ④金融引き締め政策は、一般に自国通貨の減価(為替レートの下落)を通じて、純輸出を増加させる効果を持つ。
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正解 ③金融緩和によって利子率が低下すると、企業の設備投資が刺激され、国民所得が増加する経路がある。
解説
金融緩和政策により利子率が低下すると、資金調達コストが下がるため、企業は設備投資をより積極的に行うようになる。この設備投資の増加は総需要を押し上げ、乗数効果を通じて国民所得を増加させるという波及経路(金利チャネル)が、金融政策の代表的な伝達経路の一つとされる。

他の選択肢が誤りの理由
①は利子率の低下は資金調達コストを引き下げ設備投資を刺激する方向に働くのであり、設備投資が抑制され国民所得が減少するという記述は逆であるため誤りです。②は金融政策には利子率を経由する経路のほかにも、為替レートを通じた経路や資産価格を通じた経路など複数の波及経路が存在するとされ、利子率経由の経路以外を一切持たないという記述は誤りです。④は金融引き締め政策は、内外の金利差を通じて資金が自国に流入しやすくなることなどから、一般に自国通貨の増価(為替レートの上昇)をもたらす方向に働くとされ、通貨の減価(下落)を通じるという記述は誤りです。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。