2026年版・1-4

市場の失敗と政府の役割の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経済学・経済政策」から、市場の失敗と政府の役割に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-4

負の外部性(外部不経済)とその是正策に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①負の外部性が存在する財では、市場均衡における生産量は社会的に望ましい水準よりも過小になる。
  • ②ピグー税は、外部性を発生させる主体の私的限界費用を、社会的限界費用よりも高く引き上げるために課される。
  • ③負の外部性の是正策としては、政府による規制や課税以外の手段が用いられることはないとされる。
  • ④負の外部性が存在する財は、私的限界費用が社会的限界費用を下回るため、市場での生産量は過大になりやすい。
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正解 ④負の外部性が存在する財は、私的限界費用が社会的限界費用を下回るため、市場での生産量は過大になりやすい。
解説
負の外部性(公害等)が存在する財では、生産者が負担する私的限界費用が、社会全体が負担する社会的限界費用(私的限界費用に外部不経済の分を加えたもの)を下回る。そのため、生産者は社会的に望ましい水準を超えて生産してしまい、市場に任せると生産量は過大になる。

他の選択肢が誤りの理由
①は負の外部性が存在する財では、市場均衡における生産量は社会的に望ましい水準よりも過大になるのであり、過小になるという記述は誤りです。②はピグー税は、外部性を発生させる主体の私的限界費用を社会的限界費用と一致させる水準まで引き上げることを狙う制度であり、社会的限界費用よりも高く引き上げるという記述は誤りです。③は負の外部性の是正策としては、政府による規制や課税のほかにも、コースの定理が示すような当事者間の自発的な交渉による解決策があり得るため、それ以外の手段が用いられることはないという記述は誤りです。
問21-4

正の外部性(外部経済)が存在する財について、最も妥当な記述はどれか。

  • ①正の外部性が存在する財は、市場に任せると望ましい水準よりも過大に生産される。
  • ②正の外部性への対応策として、政府が補助金を交付することは適切ではないとされている。
  • ③正の外部性が存在する財は、市場に任せると望ましい水準よりも過小にしか生産されない。
  • ④教育や予防接種のように正の外部性を持つ財では、私的限界便益が社会的限界便益を上回る。
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正解 ③正の外部性が存在する財は、市場に任せると望ましい水準よりも過小にしか生産されない。
解説
正の外部性(外部経済)が存在する財では、私的限界便益が社会的限界便益を下回るため、消費者や生産者は社会的に望ましい水準よりも少ない量しか消費・生産しない。教育や予防接種のように、本人以外にも便益が及ぶ財は、市場に任せると過小にしか供給・消費されない傾向がある。

他の選択肢が誤りの理由
①は正の外部性が存在する財では、市場に任せると社会的に望ましい水準よりも過小にしか生産・消費されないのであり、過大に生産されるという記述は誤りです。②は正の外部性への対応策として、政府が補助金を交付し私的限界便益を社会的限界便益に近づけることは標準的な政策手段であり、適切ではないという記述は誤りです。④は正の外部性を持つ財では、私的限界便益が社会的限界便益を下回るのであり、上回るという記述は大小関係が逆であるため誤りです。
問31-4

公共財の性質について、正しいものはどれか。

  • ①公共財は、対価を支払わない者の消費を排除できるという性質(排除性)を持つ。
  • ②公共財とは、消費からの排除が困難な非排除性と、消費が競合しない非競合性を持つ財をいう。
  • ③公共財は、ある人の消費が他の人の消費可能量を減少させるという性質(競合性)を持つ。
  • ④公共財は、フリーライダー(ただ乗り)問題が生じにくく、市場での供給が円滑に進みやすい。
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正解 ②公共財とは、消費からの排除が困難な非排除性と、消費が競合しない非競合性を持つ財をいう。
解説
公共財とは、対価を支払わない者の消費を排除することが難しい非排除性と、ある人の消費が他の人の消費可能量を減らさない非競合性という、2つの性質を併せ持つ財を指す。国防や一般道路などがその代表例とされる。

他の選択肢が誤りの理由
①は公共財は対価を支払わない者の消費を排除しにくい非排除性を特徴とするのであり、排除できるという記述は誤りです。③は公共財はある人の消費が他の人の消費可能量を減少させない非競合性を特徴とするのであり、競合性を持つという記述は誤りです。④は公共財は非排除性のためフリーライダー(対価を支払わずに便益だけを得る者)が生じやすく、市場に委ねると過小供給になりやすいのであり、フリーライダー問題が生じにくく円滑に供給されるという記述は誤りです。
問41-4

共有資源(コモンプール財)の性質に関する記述のうち、最も妥当なものはどれか。

  • ①共有資源は、公共財と同じように、消費における競合性を持たない財だとされる。
  • ②共有資源は、排除性を持つ財であるため、過剰利用の問題は理論上生じにくいとされる。
  • ③共有地の悲劇とは、資源利用への高い対価によって過小利用が生じる現象をいう。
  • ④共有資源は、消費に競合性を持つが、対価を支払わない者を排除しにくい性質を持つ。
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正解 ④共有資源は、消費に競合性を持つが、対価を支払わない者を排除しにくい性質を持つ。
解説
共有資源(コモンプール財)は、ある人の消費が他の人の消費可能量を減少させる競合性を持つ一方、対価を支払わない者の利用を排除することが難しい非排除性も併せ持つ財である。この組み合わせにより、各利用者が自己の利益を優先して過剰に利用してしまう「共有地の悲劇」が生じやすい。

他の選択肢が誤りの理由
①は共有資源は競合性を持つ財であり、公共財(非競合性を持つ財)とは性質が異なるため、競合性を持たないという記述は誤りです。②は共有資源は排除性を持たない(非排除性を持つ)ために過剰利用の問題が生じやすいのであり、排除性を持つため問題が生じにくいという記述は誤りです。③は共有地の悲劇とは、対価が課されず所有権も明確でないために資源が過剰に利用されてしまう現象を指すのであり、高い対価によって過小利用されるという記述は原因も結果も誤りです。
問51-4

情報の非対称性が引き起こす逆選択(アドバース・セレクション)について、正しいものはどれか。

  • ①逆選択とは、契約締結後に、当事者の一方が努力水準を下げるなど行動を変化させる問題を指す。
  • ②逆選択の問題は、売り手と買い手の間で情報が完全に対称である場合にのみ発生する。
  • ③中古車市場では、売り手が品質を知り買い手が知らない場合、低品質の車ばかり出回りやすい。
  • ④保険市場における逆選択とは、健康な人ほど進んで保険に加入しようとする現象を指す。
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正解 ③中古車市場では、売り手が品質を知り買い手が知らない場合、低品質の車ばかり出回りやすい。
解説
逆選択(アドバース・セレクション)とは、契約を結ぶ前の段階で、情報を多く持つ側と少ない側との間の非対称性によって、質の低い財やリスクの高い主体ばかりが市場に残ってしまう現象である。中古車市場で、品質の良し悪しを知る売り手に対し買い手がそれを知らない場合、買い手は平均的な価格しか提示できず、品質の良い車を売りたい売り手は市場から撤退し、品質の低い車ばかりが出回りやすくなる。

他の選択肢が誤りの理由
①は契約締結後に行動を変化させる問題はモラルハザードの説明であり、契約前の選別に関する問題である逆選択とは異なる段階の問題であるため誤りです。②は逆選択は情報が非対称である場合に生じる問題であり、情報が完全に対称である場合には生じにくいため、対称である場合にのみ発生するという記述は誤りです。④は保険市場における逆選択とは、健康リスクの高い人ほど保険に加入しようとする現象を指すのであり、健康な人ほど加入しようとするという記述は逆であるため誤りです。
問61-4

情報の非対称性が引き起こすモラルハザードについて、最も妥当な説明はどれか。

  • ①自動車保険加入後、運転者が事故防止への注意を怠りがちになるのは、モラルハザードの例である。
  • ②モラルハザードとは、契約が締結される前の段階で生じる、質の異なる財の選別に関する問題を指す。
  • ③モラルハザードは、契約当事者の行動を相手方が完全に観察できる場合に、深刻な問題となりやすい。
  • ④保険契約における自己負担割合(免責制度)の導入は、モラルハザードをかえって深刻化させる。
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正解 ①自動車保険加入後、運転者が事故防止への注意を怠りがちになるのは、モラルハザードの例である。
解説
モラルハザードとは、契約を締結した後に、相手から行動を観察されにくいことを利用して、当事者の一方が努力水準を下げるなど、契約前とは異なる行動をとってしまう現象である。自動車保険に加入した運転者が、事故を起こしても保険で補償されると考え、事故防止のための注意を怠りがちになることは、その典型例である。

他の選択肢が誤りの理由
②は契約締結前の段階で生じる、質の異なる財の選別に関する問題は逆選択の説明であり、契約締結後に生じるモラルハザードとは時点が異なるため誤りです。③はモラルハザードは相手方が行動を完全には観察できない(情報の非対称性がある)からこそ深刻化する問題であり、完全に観察できる場合に深刻な問題となるという記述は誤りです。④は自己負担割合(免責制度)の導入は、契約者にも一定のコスト負担を残すことで注意水準の低下を防ぐ、モラルハザードを緩和するための代表的な仕組みであり、かえって深刻化させるという記述は誤りです。
問71-4

コースの定理について、正しいものはどれか。

  • ①コースの定理は、外部性の問題を解決するためには、必ず政府による課税や規制が必要であると示す。
  • ②コースの定理が成立するための前提としては、当事者間の取引費用が十分に大きいことが挙げられる。
  • ③コースの定理によれば、外部性の問題解決に際し、当初の権利配分によって効率性は変化するとされる。
  • ④コースの定理によれば、取引費用が十分小さければ、外部性は当事者間の交渉で効率的に解決され得る。
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正解 ④コースの定理によれば、取引費用が十分小さければ、外部性は当事者間の交渉で効率的に解決され得る。
解説
コースの定理とは、外部性が存在する場合でも、当事者間の交渉にかかる取引費用が十分に小さく、権利関係が明確であれば、当事者間の自発的な交渉によって、政府の介入なしに効率的な資源配分が実現され得るという考え方である。

他の選択肢が誤りの理由
①はコースの定理は取引費用が小さければ当事者間の交渉のみで効率的な解決が可能であることを示すものであり、必ず政府による課税や規制が必要であるという記述は定理の趣旨と逆であるため誤りです。②はコースの定理が成立するための前提は取引費用が十分に小さいことであり、大きいことが前提となるという記述は逆であるため誤りです。③はコースの定理の要点は、取引費用が小さければ当初の権利配分がどちらに割り当てられても、実現する資源配分の効率性(結果)自体は変わらないという点にあり、権利の割り当て方によって効率性が変わるという記述は定理の核心と反するため誤りです。
問81-4

自然独占に対する政府の規制について、最も妥当な記述はどれか。

  • ①自然独占企業に限界費用価格形成原理を適用すると、その企業は必ず超過利潤(黒字)を得られる。
  • ②自然独占への規制における平均費用価格形成原理は、限界費用価格形成原理より常に効率的である。
  • ③自然独占企業に限界費用と等しい価格を設定させる限界費用価格形成原理は、企業に赤字をもたらすことがある。
  • ④自然独占が生じる産業では、政府による規制を行わなくても、価格や供給量は自然と社会的最適水準に落ち着く。
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正解 ③自然独占企業に限界費用と等しい価格を設定させる限界費用価格形成原理は、企業に赤字をもたらすことがある。
解説
自然独占企業の平均費用曲線は生産量の広い範囲で右下がりとなるため、限界費用は平均費用を下回る。このため、限界費用と等しい価格を設定させる限界費用価格形成原理を適用すると、価格が平均費用を下回ってしまい、企業に赤字(損失)が生じることがある。

他の選択肢が誤りの理由
①は自然独占企業では限界費用が平均費用を下回るため、限界費用価格形成原理のもとでは価格が平均費用を下回り赤字が生じ得るのであり、必ず超過利潤を得るという記述は誤りです。②は平均費用価格形成原理は企業の赤字は避けられるものの、価格が限界費用を上回るため資源配分の効率性という点では限界費用価格形成原理に劣るとされており、常に効率性が高いという記述は誤りです。④は自然独占企業は市場支配力を持つため、規制がなければ利潤最大化のために価格を限界費用より高く設定し、社会的に望ましい水準より生産量を過少にするのであり、規制なしに自然と最適水準に落ち着くという記述は誤りです。
問91-4

価値財(メリット財)・非価値財(デメリット財)について、正しいものはどれか。

  • ①価値財とは、市場に委ねると社会にとって望ましい水準を超えて過剰に消費されがちになる財を指す。
  • ②価値財とは、教育や医療のように、市場に委ねると望ましい水準より過小消費されがちな財をいう。
  • ③非価値財(デメリット財)の代表的な例として、義務教育や公的医療サービスが挙げられる。
  • ④価値財の概念は、個人の選好を尊重する立場から、政府介入を否定する根拠として用いられる。
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正解 ②価値財とは、教育や医療のように、市場に委ねると望ましい水準より過小消費されがちな財をいう。
解説
価値財(メリット財)とは、教育や医療のように、政府がその消費を社会にとって望ましいと考える財でありながら、消費者の判断に委ねる(市場に任せる)と、社会的に望ましい水準よりも過小にしか消費されない傾向がある財を指す。

他の選択肢が誤りの理由
①は価値財は市場に委ねると過小に消費されがちな財であり、過剰に消費されがちな財であるという記述は逆であるため誤りです。③は義務教育や公的医療サービスは、政府が消費を望ましいと考え促進しようとする価値財(メリット財)の代表例であり、抑制すべき非価値財(デメリット財、たばこ等が代表例)と取り違えているため誤りです。④は価値財の概念は、個人の選好だけに委ねると望ましい消費水準に達しないという判断のもとで、政府が個人の選択に一定の介入を行うことを正当化する根拠として用いられるものであり、介入を否定する根拠とする記述は逆であるため誤りです。
問101-4

外部性を是正する政策手法としてのピグー税と排出量取引制度に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①ピグー税は、汚染物質の排出量そのものに上限を設定し、その上限を超えた排出を禁止する制度である。
  • ②排出量取引制度のもとでは、排出量の合計が政策実施前と比べて増加しても問題は生じない。
  • ③ピグー税と排出量取引制度は、いずれも市場メカニズムを活用しない直接規制の代表例である。
  • ④排出量取引制度は、排出上限を定め、削減費用の低い主体から取引を通じて削減が進む仕組みである。
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正解 ④排出量取引制度は、排出上限を定め、削減費用の低い主体から取引を通じて削減が進む仕組みである。
解説
排出量取引制度は、政府が社会全体で許容する排出量の上限(総量)をあらかじめ定めて排出枠(排出権)を発行し、企業間でその排出枠を売買できるようにする制度である。排出削減費用が低い企業ほど自ら削減を進めて余った排出枠を売却し、削減費用が高い企業は排出枠を購入する方が合理的であるため、市場での取引を通じて社会全体の削減費用が低い主体から効率的に削減が進む。

他の選択肢が誤りの理由
①はピグー税は排出量1単位あたりに課す税額(価格)を通じて排出を抑制する制度であり、排出量そのものに上限を設定する仕組みは排出量取引制度の説明であるため誤りです。②は排出量取引制度は、発行される排出枠の総量によって排出量の合計に上限を設ける仕組みであり、合計が政策実施前より増加しても問題ないという記述は制度の目的に反するため誤りです。③はピグー税と排出量取引制度は、いずれも価格や数量のシグナルを通じて市場メカニズムを活用しながら外部性を是正する政策手法であり、直接規制(排出基準の一律義務付け等)とは異なる仕組みであるため誤りです。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。