2026年版・1-2

消費者行動理論の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経済学・経済政策」から、消費者行動理論に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-2

消費者の無差別曲線が持つ性質として、最も適切なものはどれか。

  • ①無差別曲線は、原点に対して凸型の形状で描かれるのが一般的である。
  • ②無差別曲線は、右上方に位置するものほど、効用水準が低いことを表す。
  • ③異なる効用水準を表す2本の無差別曲線は、互いに交わることがある。
  • ④無差別曲線は、右上がりに描かれるのが一般的な形状である。
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正解 ①無差別曲線は、原点に対して凸型の形状で描かれるのが一般的である。
解説
無差別曲線は、同一の効用水準をもたらす2財の消費量の組み合わせを結んだ曲線であり、通常は原点に対して凸型の形状で描かれる。これは、いずれか一方の財に偏った消費よりも、2財をバランスよく消費する組み合わせの方が、限界代替率逓減の法則のもとで選好されやすいことを反映している。

他の選択肢が誤りの理由
②は無差別曲線が右上方に位置するほど、より多くの財の組み合わせを表すため効用水準はむしろ高くなるはずであり、低いという記述は誤りです。③は同一の消費者の選好が一貫している限り、異なる効用水準を表す無差別曲線同士が交わることはないため誤りです。④は無差別曲線は一般に右下がりに描かれ、一方の財を減らせば他方の財を増やして効用を維持する必要があるため、右上がりという記述は誤りです。
問21-2

限界代替率とその変化に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①同一の無差別曲線上でX財の消費量を増やすと、限界代替率は逓増する傾向がある。
  • ②同一の無差別曲線上でX財の消費量を増やすと、限界代替率は逓減する傾向がある。
  • ③限界代替率は、無差別曲線の傾きではなく、予算制約線の傾きの絶対値として定義される。
  • ④限界代替率が一定である場合、無差別曲線は原点に対して凸型の形状となる。
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正解 ②同一の無差別曲線上でX財の消費量を増やすと、限界代替率は逓減する傾向がある。
解説
限界代替率は、同一の無差別曲線上でX財の消費量を増やしていくにつれて、次第に小さくなっていくのが一般的である。これを限界代替率逓減の法則といい、無差別曲線が原点に対して凸型の形状を持つことの背景にある性質である。

他の選択肢が誤りの理由
①は限界代替率がX財の消費を増やすにつれて逓減していくのが一般的であり、逓増するという記述は誤りです。③は限界代替率は無差別曲線の接線の傾きの絶対値(限界効用の比)として定義されるものであり、予算制約線の傾きと取り違えているため誤りです。④は限界代替率が一定である場合、無差別曲線は直線として描かれ、これは2財が完全代替の関係にあることを示すのであり、凸型になるという記述は誤りです。
問31-2

消費者の予算制約線に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①所得が増加すると、予算制約線はX軸との切片を変えずにY軸方向へ回転して広がる。
  • ②予算制約線の傾きの絶対値は、Y財の価格をX財の価格で除した値に等しい。
  • ③X財の価格が下落すると、予算制約線はY軸との切片を変えずに回転して広がる。
  • ④所得が増加すると、予算制約線は傾きを保ったまま原点に向かって内側にシフトする。
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正解 ③X財の価格が下落すると、予算制約線はY軸との切片を変えずに回転して広がる。
解説
予算制約線は、所得をM、X財の価格をPx、Y財の価格をPyとすると、Y軸の切片(M/Py)とX軸の切片(M/Px)を結んだ直線として描かれる。X財の価格Pxが下落すると、Y軸の切片(M/Py)は変わらないまま、X軸の切片(M/Px)が右方向に広がるため、Y軸との交点を固定した回転が生じる。

他の選択肢が誤りの理由
①は所得が増加した場合、予算制約線は傾きを保ったまま外側へ平行にシフトするのであり、X軸との切片を固定した回転が生じるという記述は誤りです。②は予算制約線の傾きの絶対値はX財の価格をY財の価格で除した値(Px/Py)に等しく、Y財の価格をX財の価格で除した値とする記述は分子と分母を取り違えており誤りです。④は所得が増加すると、予算制約線は原点から遠ざかる方向に外側へシフトするのであり、内側にシフトするという記述は誤りです。
問41-2

消費者の効用最大化条件として、最も妥当なものはどれか。

  • ①効用最大化を達成する消費点では、無差別曲線と予算制約線は2点で交わる。
  • ②効用最大化を達成する消費点では、限界代替率は2財の価格比よりも常に大きくなる。
  • ③限界効用が最大となる消費量を選べば、予算制約を無視しても効用は最大化される。
  • ④効用を最大化する消費者の消費点では、限界代替率と2財の価格比とが一致する。
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正解 ④効用を最大化する消費者の消費点では、限界代替率と2財の価格比とが一致する。
解説
消費者が効用を最大化する消費点では、無差別曲線と予算制約線が接する。この接点においては、無差別曲線の傾きである限界代替率と、予算制約線の傾きである2財の価格比とが一致するという条件が成り立つ。

他の選択肢が誤りの理由
①は効用最大化点では無差別曲線と予算制約線は1点で接するのであり、2点で交わるという記述は、その手前の未達成な状態を表すため誤りです。②は効用最大化点では限界代替率と価格比が等しくなるのであり、限界代替率が常に価格比を上回るという記述は誤りです。③は効用最大化は所得という制約のもとで達成されるものであり、予算制約を無視した限界効用の議論だけでは消費者の実際の選択を説明できないため誤りです。
問51-2

エンゲル曲線と所得消費曲線に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①ある財が上級財である場合、その財のエンゲル曲線は右上がりの形状を描く。
  • ②ある財が下級財である場合、その財のエンゲル曲線は右上がりの形状を描く。
  • ③所得消費曲線は、所得を一定に保ち価格を変化させたときの消費点の軌跡を指す。
  • ④エンゲル曲線は、X財とY財、それぞれの数量の組み合わせを2つの軸にとって描かれる。
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正解 ①ある財が上級財である場合、その財のエンゲル曲線は右上がりの形状を描く。
解説
エンゲル曲線は、横軸に所得、縦軸にある財の需要量をとって描かれる曲線である。上級財(正常財)の場合、所得が増えるほどその財の需要量も増えるため、エンゲル曲線は右上がりの形状を描く。

他の選択肢が誤りの理由
②は下級財(劣等財)の場合、所得が増えるとかえって需要量が減少するため、エンゲル曲線は右上がりではなく右下がりの形状になるはずであり誤りです。③は所得消費曲線は所得を変化させたときの消費点の軌跡であり、価格を変化させたときの軌跡である価格消費曲線の説明と取り違えているため誤りです。④はエンゲル曲線の縦軸・横軸はX財とY財など2財の数量ではなく、所得とある1つの財の需要量であるため誤りです。
問61-2

価格消費曲線と需要曲線の導出についての説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①価格消費曲線は、所得を変化させたときの消費点の軌跡として描かれる線である。
  • ②価格消費曲線上の価格と需要量の対応関係をたどることで、需要曲線を導出できる。
  • ③価格消費曲線は、財の種類にかかわらず、必ず右下がりの形状を描く曲線である。
  • ④需要曲線は、価格消費曲線上の2財の数量の組み合わせをそのまま描いたものである。
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正解 ②価格消費曲線上の価格と需要量の対応関係をたどることで、需要曲線を導出できる。
解説
価格消費曲線は、所得と一方の財の価格を一定に保ったまま、もう一方の財(X財)の価格だけを変化させたときの、消費者の最適な消費点の軌跡である。この価格消費曲線上の各点におけるX財の価格と需要量の組み合わせを、横軸に需要量、縦軸に価格をとって改めてプロットすることで、需要曲線を導出することができる。

他の選択肢が誤りの理由
①は所得を変化させたときの消費点の軌跡は価格消費曲線ではなく所得消費曲線の説明であるため誤りです。③は価格消費曲線の形状は財の性質(代替財か補完財か等)によって右下がりにも右上がりにもなり得るため、必ず右下がりになるという記述は誤りです。④は需要曲線はX財の価格とX財の需要量の対応関係を描いたものであり、2財の数量の組み合わせをそのまま描いたものではないため誤りです。
問71-2

価格変化の効果を代替効果と所得効果に分解する分析についての記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①所得効果は、財の種類にかかわらず、価格が下落した財の需要量を増加させる方向に働く。
  • ②上級財の場合、代替効果と所得効果は互いに逆方向に働き、常に代替効果を打ち消す。
  • ③代替効果は、財の種類にかかわらず、価格が下落した財の需要量を増加させる方向に働く。
  • ④価格効果は、所得効果のみによって説明され、代替効果は影響を及ぼさない。
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正解 ③代替効果は、財の種類にかかわらず、価格が下落した財の需要量を増加させる方向に働く。
解説
ある財の価格が下落したときの需要量の変化(価格効果)は、代替効果と所得効果に分解できる。このうち代替効果は、財が上級財であるか下級財であるかにかかわらず、相対的に安くなった財の需要量を増加させる方向に常に働くという性質を持つ。

他の選択肢が誤りの理由
①は所得効果の向きは財の種類によって異なり、下級財(劣等財)の場合には所得効果はむしろ需要量を減少させる方向に働くため、財の種類にかかわらず増加させるという記述は誤りです。②は上級財の場合、代替効果と所得効果はいずれも需要量を増加させる同じ方向に働き、互いに補強し合う関係にあるため、逆方向に働き打ち消すという記述は誤りです。④は価格効果は代替効果と所得効果の両方によって説明されるものであり、代替効果は影響を及ぼさないという記述は誤りです。
問81-2

ギッフェン財の性質について、最も妥当な説明はどれか。

  • ①ギッフェン財は、上級財(正常財)の一種に分類され、所得が増加すると需要量も増加する。
  • ②すべての下級財(劣等財)は、例外なくギッフェン財としての性質を併せ持つ。
  • ③ギッフェン財は、代替効果が所得効果よりも大きいために、価格下落時に需要量が減少する。
  • ④ギッフェン財とは、価格が下落すると需要量がかえって減少する、需要法則の例外財をいう。
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正解 ④ギッフェン財とは、価格が下落すると需要量がかえって減少する、需要法則の例外財をいう。
解説
ギッフェン財とは、価格が下落したにもかかわらず、需要量がかえって減少してしまうという、通常の需要法則が成り立たない例外的な財を指す。これは、下級財(劣等財)としての性質を持つ財のうち、価格下落による(実質所得上昇を通じた)マイナスの所得効果が、価格下落による需要量増加という代替効果を上回るほど強く働く、きわめて特殊なケースで生じるとされる。

他の選択肢が誤りの理由
①はギッフェン財は上級財ではなく下級財(劣等財)の一種として位置づけられ、所得が増加すると需要量はむしろ減少するため誤りです。②はギッフェン財となるのは下級財の中でもごく一部の特殊なケースに限られ、下級財のすべてがギッフェン財としての性質を持つわけではないため誤りです。③はギッフェン財では所得効果が代替効果を上回ることで需要量が減少するのであり、代替効果が所得効果を上回るとする記述は両者の大小関係が逆であるため誤りです。
問91-2

限界効用逓減の法則について、最も妥当な説明はどれか。

  • ①ある財の消費量が増えるにつれて、その財の消費から得られる限界効用は逓減する傾向がある。
  • ②ある財の消費量が増えるにつれて、その財の消費から得られる限界効用は逓増する傾向がある。
  • ③限界効用が逓減している局面では、財の消費量が増えても総効用は必ず減少する。
  • ④限界効用逓減の法則は、無差別曲線を用いた分析においてのみ成立する考え方である。
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正解 ①ある財の消費量が増えるにつれて、その財の消費から得られる限界効用は逓減する傾向がある。
解説
限界効用逓減の法則とは、ある財の消費量を1単位ずつ増やしていくとき、追加的な消費から得られる満足度の増分(限界効用)が、消費量が増えるにつれて次第に小さくなっていくという経験則である。この法則は、需要曲線が右下がりになることの伝統的な説明根拠の一つとされている。

他の選択肢が誤りの理由
②は限界効用は消費量の増加とともに逓減していくのが一般的であり、逓増するという記述は誤りです。③は限界効用が逓減していても、その値が正である限り総効用は増加し続けるのであり、消費量の増加に伴って総効用が必ず減少するという記述は誤りです。④は限界効用逓減の法則は、無差別曲線を用いない伝統的な限界効用理論(基数的効用理論)においても中心的な考え方であり、無差別曲線分析においてのみ成立するという記述は誤りです。
問101-2

価格下落時における代替効果・所得効果と需要量の変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①下級財の場合、価格が下落すると、代替効果・所得効果はいずれも需要量を増加させる方向に働く。
  • ②上級財の場合、価格が下落すると、代替効果・所得効果はいずれも需要量を増加させる方向に働く。
  • ③ギッフェン財の場合、価格が下落すると、代替効果が所得効果を上回るため需要量は増加する。
  • ④上級財の場合、価格が下落したとしても、所得効果は需要量に何の影響も与えないとされる。
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正解 ②上級財の場合、価格が下落すると、代替効果・所得効果はいずれも需要量を増加させる方向に働く。
解説
上級財(正常財)の価格が下落した場合、代替効果は相対的に安くなったその財の需要量を増加させる方向に働き、所得効果も実質所得の上昇を通じて同じ財の需要量をさらに増加させる方向に働く。両方の効果が同じ向きに作用するため、上級財では価格下落時に需要量が増加することが強く裏付けられる。

他の選択肢が誤りの理由
①は下級財(劣等財)の場合、代替効果は需要量を増加させる方向に働く一方、所得効果は需要量を減少させる方向に働き、両者は逆方向に作用するため、いずれも増加させる方向に働くという記述は誤りです。③はギッフェン財では、需要量を減少させる方向に働く所得効果が、需要量を増加させる方向に働く代替効果を上回った結果として需要量が減少するのであり、代替効果が所得効果を上回るために需要量が増加するという記述は、両者の大小関係と結論がいずれも誤りです。④は上級財であっても所得効果は需要量に影響を与え、代替効果と同じ向きに作用して需要量をさらに増加させるため、何の影響も与えないという記述は誤りです。

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