2026年版・8-7

基礎-7 中小企業の定義と支援策の基本の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「最初に覚える土台知識」から、基礎-7 中小企業の定義と支援策の基本に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-7

中小企業基本法が中小企業者かどうかを判定するときに用いる2つの基準はどれか。

  • ①資本金の額と従業員数
  • ②年間の売上高と従業員数
  • ③資本金の額と営業年数
  • ④年間の売上高と店舗数
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正解 ①資本金の額と従業員数
解説
中小企業基本法は業種ごとに、資本金の額(出資の総額)と常時使用する従業員の数という2つの基準を定めています(同法第2条第1項)。
中小企業庁は、このどちらか一方を満たせば中小企業者に該当すると説明しています。両方を満たす必要はありません。たとえば製造業で従業員が400人いても、資本金が3億円以下であれば中小企業者に当たります。逆に資本金が10億円あっても、従業員が300人以下であれば該当します。毎年のように問われる基本論点なので、最初に押さえておきましょう。
業種の判定は「主たる事業」で行います。複数の事業を営む会社でも、そのうち中心となる事業がどの業種かによって、当てはめる基準が決まります。
他の選択肢について

・年間の売上高と従業員数:売上高は中小企業基本法の判定基準には用いられていません。
・資本金の額と営業年数:創業してからの年数は、判定の材料にはなりません。
・年間の売上高と店舗数:いずれも基本法が定める基準として置かれているものではありません。
問28-7

中小企業基本法で、製造業その他の業種の中小企業者に当たる基準はどれか。

  • ①資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
  • ②資本金3億円以下又は従業員300人以下
  • ③資本金1億円以下又は従業員100人以下
  • ④資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
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正解 ②資本金3億円以下又は従業員300人以下
解説
製造業、建設業、運輸業その他の業種(卸売業・小売業・サービス業を除く業種)の中小企業者の基準は、資本金の額または出資の総額が3億円以下、または常時使用する従業員数が300人以下です。
4業種区分の中で最も大きな数値が設定されているのは、製造業などでは設備投資や雇用の規模が大きくなりやすいためです。運送業や建設業がこの区分に入る点も、判定でよく問われます。
なお中小企業基本法の基準は原則であり、同法第2条第1項も範囲は施策ごとに定めるとしています。中小企業庁は、個別の中小企業関連立法では政令により、ゴム製品製造業(一部を除く)は資本金3億円以下または従業員900人以下、旅館業は5,000万円以下または200人以下、ソフトウェア業・情報処理サービス業は3億円以下または300人以下を中小企業とする場合があると説明しています。
他の選択肢について

・1億円以下又は100人以下:卸売業の基準です。
・5,000万円以下又は100人以下:サービス業の基準です。
・5,000万円以下又は50人以下:小売業の基準で、4区分の中で最も小さい数値になります。
問38-7

中小企業基本法で、小売業の中小企業者に当たる基準はどれか。

  • ①資本金1億円以下又は従業員100人以下
  • ②資本金3億円以下又は従業員300人以下
  • ③資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
  • ④資本金5,000万円以下又は従業員100人以下
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正解 ③資本金5,000万円以下又は従業員50人以下
解説
小売業の中小企業者の基準は、資本金の額または出資の総額が5,000万円以下、または常時使用する従業員数が50人以下です。
小売業とサービス業は資本金基準がどちらも5,000万円で共通ですが、従業員基準は小売業50人、サービス業100人と異なります。この一致と相違の組み合わせが引っかけの定番なので、4業種を表の形で並べて覚えるのが確実です。
業種の判定は「主たる事業」で行います。複数の事業を営む会社でも、そのうち中心となる事業がどの業種かによって、当てはめる基準が決まる点に注意しましょう。
他の選択肢について

・5,000万円以下又は100人以下:サービス業の基準で、従業員基準が小売業とは異なります。
・1億円以下又は100人以下:卸売業の基準です。
・3億円以下又は300人以下:製造業その他の業種の基準です。
問48-7

中小企業基本法が定める小規模企業者の要件はどれか。

  • ①従業員50人以下、商業・サービス業では20人以下の事業者をいう。
  • ②資本金1,000万円以下で、かつ従業員20人以下の事業者をいう。
  • ③資本金3,000万円以下で、かつ従業員5人以下の事業者をいう。
  • ④従業員20人以下、商業・サービス業では5人以下の事業者をいう。
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正解 ④従業員20人以下、商業・サービス業では5人以下の事業者をいう。
解説
小規模企業者は、常時使用する従業員の数が20人以下(商業=卸売業・小売業、およびサービス業では5人以下)の事業者をいいます(中小企業基本法第2条第5項)。
中小企業者の判定と違い、資本金の額は要件に含まれず、従業員数だけで判定する点が最大の特徴です。条文でいう「商業」とは卸売業と小売業のことを指します。
日本の企業の大半はこの小規模企業者であり、経営者が現場も回しているため、大企業と同じ支援策では届きにくいという事情があります。そこで、持続的な発展を基本原則として掲げる小規模企業振興基本法など、専用の枠組みが用意されています。
他の選択肢について

・50人以下・20人以下:数値がいずれも実際の基準と異なります。
・資本金1,000万円以下かつ従業員20人以下:小規模企業者の判定に資本金基準は用いられません。
・資本金3,000万円以下かつ従業員5人以下:同様に資本金基準は用いられず、また両方を求める点でも誤りです。
問58-7

現在の中小企業基本法が基本理念として掲げているものはどれか。

  • ①多様で活力ある成長発展
  • ②大企業への統合と規模拡大
  • ③大企業との格差の是正
  • ④企業数を一定に保つこと
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正解 ①多様で活力ある成長発展
解説
現在の中小企業基本法は、「独立した中小企業者の多様で活力ある成長発展」を基本理念として掲げています(同法第3条)。
1963年に制定された当初の基本法は、中小企業を弱い立場の存在と捉え、大企業との格差を是正することを政策の柱にしていました。1999年の抜本改正でこの考え方が改められ、中小企業を日本経済のダイナミズムの源泉と位置づけ、新たな産業の創出や就業機会の増大といった役割を積極的に評価する方向へ転換しています。
この理念のもと、同法第5条は施策の基本方針として、経営の革新と創業の促進、経営基盤の強化、経済的社会的環境の変化への適応の円滑化、資金供給の円滑化と自己資本の充実という4つを定めています。
他の選択肢について

・大企業との格差の是正:1963年制定当時の旧基本法の政策理念であり、現在の基本理念ではありません。
・企業数を一定に保つこと:企業数の維持を目的とする規定は基本法には置かれていません。
・大企業への統合と規模拡大:独立した中小企業者の成長発展という理念とは正反対の内容です。
問68-7

中小企業庁の公表資料で、日本の全企業に占める中小企業の割合として示されている数値はどれか。

  • ①約50.2%
  • ②約99.7%
  • ③約90.5%
  • ④約75.0%
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正解 ②約99.7%
解説
中小企業庁の公表資料では、日本の企業数の約99.7%を中小企業・小規模事業者が占めるとされています。
企業数では圧倒的多数を占め、従業者数でも約7割を中小企業が担っています。一方で付加価値額のシェアは5割台にとどまり、企業数ほど高い水準にはなりません。
この「数と雇用では大半を占めるが、生み出す付加価値のシェアはそこまでではない」という構図が、1社あたりの生産性を高めることが政策課題とされる背景です。中小企業向けの支援策が、設備投資やデジタル化、事業承継といった方向に厚く用意されているのもこのためです。
他の選択肢について

・約90.5%:公表されている水準より低く、中小企業が企業数のほぼすべてを占めるという実態と合いません。
・約75.0%:企業数のシェアとしては大きく下回る数値です。
・約50.2%:付加価値額のシェアの水準に近い数値で、企業数のシェアとは異なります。
問78-7

信用保証協会の役割として正しいものはどれか。

  • ①中小企業の株式を買い取り経営に関与
  • ②納める税額を減らし国が補填する
  • ③借入の債務を保証し資金調達を支える
  • ④中小企業へ直接に資金を貸し付ける
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正解 ③借入の債務を保証し資金調達を支える
解説
信用保証協会は、信用保証協会法に基づく公的機関で、中小企業が金融機関から借入を行う際に債務を保証し、資金調達を後押しします。
担保や実績が十分でない中小企業でも、保証が付くことで金融機関が貸しやすくなり、融資を受けられるようになります。中小企業・金融機関・信用保証協会の三者による仕組みで、協会の保証は日本政策金融公庫が保険で引き受ける信用保険制度に支えられています(これを信用補完制度といいます)。
保証を受けるには信用保証料の支払いが必要です。申込みは、取引のある金融機関を経由する方法と、協会へ直接相談する方法があります。
他の選択肢について

・直接に資金を貸し付ける:直接融資を行うのは日本政策金融公庫や民間金融機関であり、協会の役割は保証です。
・株式を買い取り経営に関与:これは投資育成会社やファンドの役割に近く、協会の業務ではありません。
・税額を減らし国が補填する:税制上の措置は税法に基づくもので、信用保証協会が運営するものではありません。
問88-7

商工会および商工会議所について正しいものはどれか。

  • ①国が直接に設置した行政機関
  • ②会員の出資で運用する株式会社
  • ③会員に融資をする民間の金融機関
  • ④地域の商工業者を会員とする団体
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正解 ④地域の商工業者を会員とする団体
解説
商工会と商工会議所は、いずれも地域の商工業者を会員とする団体で、経営指導員による小規模事業者への経営支援を担っています。
主な違いは設置される地域と根拠法で、商工会は商工会法に基づき主として町村部に、商工会議所は商工会議所法に基づき主として市部に置かれます。経営指導員は、記帳や税務、資金繰り、販路開拓といった相談に無料で応じる立場の職員です。
また、無担保・無保証人で日本政策金融公庫から借入ができるマル経融資(小規模事業者経営改善資金)の推薦を行う機関としても重要な役割を果たしています。
他の選択肢について

・民間の金融機関:融資そのものを行う機関ではなく、公的融資の推薦や相談を担う立場です。
・国が設置した行政機関:いずれも特別法に基づく民間の団体であり、行政機関ではありません。
・会員の出資で運用する株式会社:営利を目的とする会社ではなく、会員のための非営利の団体です。
問98-7

中小企業のあらゆる経営相談に無料で応じるため、国が各都道府県に設けた窓口はどれか。

  • ①よろず支援拠点
  • ②信用保証協会
  • ③日本政策金融公庫
  • ④中小企業投資育成株式会社
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正解 ①よろず支援拠点
解説
よろず支援拠点は、中小企業・小規模事業者のあらゆる経営相談に無料で応じる、国が全国の各都道府県に設置した相談窓口です。
売上拡大、資金繰り、事業承継、人手不足など内容を問わずに受け付け、必要に応じて専門家や他の支援機関につなぐ役割を担います。相談は何度でも無料で、対応するのはチーフコーディネーターをはじめとする各分野の専門家です。
中小企業向けの支援策は数が多く、どこに何を相談すればよいか分かりにくいのが実情です。よろず支援拠点は、その入口として「まずここに来れば適切な先へつないでもらえる」という位置づけで設けられた仕組みです。
他の選択肢について

・信用保証協会:借入の債務保証を担う機関で、経営全般の総合相談窓口として設置されたものではありません。
・日本政策金融公庫:政策に基づく融資を行う政府系の金融機関です。
・中小企業投資育成株式会社:中小企業の株式などを引き受けて自己資本の充実を支援する機関です。
問108-7

国の政策に基づき、中小企業や創業者へ事業資金を直接貸し付ける政府系の機関はどれか。

  • ①信用保証協会
  • ②日本政策金融公庫
  • ③よろず支援拠点
  • ④中小企業投資育成株式会社
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正解 ②日本政策金融公庫
解説
株式会社日本政策金融公庫は、株式会社日本政策金融公庫法に基づく政策金融機関で、中小企業や創業者に事業資金を直接貸し付けています。
同法第1条は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般・中小企業者・農林水産業者の資金調達を支援すると定めています。創業したばかりで実績がない、担保が乏しいといった理由で民間からは借りにくい事業者を支えるのが役割です。株式は政府がそのすべてを保有しており(同法第3条)、災害や感染症などの非常時に必要な資金を供給する危機対応業務も担います。
信用保証協会が保証をつけて民間からの借入を助けるのに対し、公庫は自ら貸し出します。両者は役割を分け合っていると整理すると、支援機関の全体像がつかみやすくなります。
他の選択肢について

・信用保証協会:中小企業の借入に保証をつける機関で、自ら資金を貸し出すものではありません。
・中小企業投資育成株式会社:株式などを引き受けて自己資本の充実を支援する機関で、融資は行いません。
・よろず支援拠点:経営相談に無料で応じる国の相談窓口で、資金の貸付は行いません。

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