2026年版・7-15

価格転嫁と賃上げ・生産性向上の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「中小企業経営・中小企業政策」から、価格転嫁と賃上げ・生産性向上に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-15

「価格交渉促進月間」に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①2021年9月に初めて実施されて以降、この取組は継続的に行われている。
  • ②実施主体は公正取引委員会であり、中小企業庁はこの取組に関与していない。
  • ③この価格交渉促進月間は、毎年3月と9月の年2回にわたって設定されている。
  • ④月間の終了後には、中小企業に対して価格交渉等の状況を尋ねる調査が実施される。
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正解 ②実施主体は公正取引委員会であり、中小企業庁はこの取組に関与していない。
解説
価格交渉促進月間は、中小企業と発注側企業との間の適正な価格交渉・価格転嫁を後押しするため、中小企業庁が2021年9月から毎年3月と9月の年2回設定し、中心となって実施している取組です。公正取引委員会が単独で実施しているのではなく、中小企業庁が実施主体となっている点で、この記述は誤りです。

他の選択肢が正しい理由
①は2021年9月に初めて実施されて以降、継続的に実施されているという正しい説明です。③は毎年3月と9月の年2回設定されているという正しい説明です。④は月間終了後に取引先との価格交渉・価格転嫁の状況等を尋ねる調査が実施されるという正しい説明です。
問27-15

「価格交渉促進月間」のフォローアップ調査における結果の取りまとめ方に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①調査結果は業界ごとの平均値のみを公表する方式であり、個別の企業名は一切明らかにされない。
  • ②評価は5段階のA~Eの区分によって行われており、区分ごとに発注側企業の実名が公表される。
  • ③受注側の中小企業からの回答を点数化し、ア~エの4区分に整理し発注側企業の実名を公表する。
  • ④回答した受注側の中小企業自身の社名が、評価区分とともに一覧化されたうえで公表される。
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正解 ③受注側の中小企業からの回答を点数化し、ア~エの4区分に整理し発注側企業の実名を公表する。
解説
フォローアップ調査では、価格交渉・価格転嫁・支払条件等について受注側の中小企業から寄せられた回答を点数化し、その平均値をもとに発注側企業をア~エの4区分に整理したうえで、発注側企業の実名を明らかにして公表しています。取引先からの評価が公になる仕組みとすることで、発注側企業に価格交渉への前向きな対応を促す狙いがあります。

他の選択肢が誤りの理由
①は業界平均のみを公表し個別企業名を明らかにしないとしていますが、実際には発注側企業ごとの実名が公表されるため誤りです。②は評価区分をA~Eの5段階としていますが、実際にはア~エの4区分で整理されるため誤りです。④は回答した受注側の中小企業の社名が公表されるとしていますが、実名が公表されるのは発注側企業であり、回答者である中小企業側の匿名性は確保されるため誤りです。
問37-15

内閣官房と公正取引委員会が連名で公表した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①この指針は中小企業庁が単独で公表したものであり、公正取引委員会は策定には全く関与していない。
  • ②指針が定めるのは発注者側の行動のみであり、受注者側が採るべき行動には一切言及していない。
  • ③この指針は法律に基づく行政上の命令であり、違反した発注者には直ちに罰金が科されるとされる。
  • ④2023年11月に公表され、発注者・受注者双方の行動を12の指針として整理したものである。
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正解 ④2023年11月に公表され、発注者・受注者双方の行動を12の指針として整理したものである。
解説
「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」は、2023年11月に内閣官房と公正取引委員会が連名で公表したもので、労務費の上昇分を取引価格に反映させる価格交渉に関して、発注者・受注者それぞれが採るべき行動・求められる行動を12の行動指針として整理しています。発注者が協議に応じずに一方的に代金を据え置く行為等への対応を促す狙いがあります。

他の選択肢が誤りの理由
①は公表主体を中小企業庁単独としていますが、実際には内閣官房と公正取引委員会が連名で公表したものであるため誤りです。②はこの指針が発注者側の行動のみを定めているとしていますが、実際には受注者側が採るべき行動もあわせて示されているため誤りです。③はこの指針を罰則を伴う法律上の命令としていますが、指針自体は行動の在り方を示すものであり、違反に直ちに罰金を科す法的な命令ではないため誤りです。
問47-15

「パートナーシップ構築宣言」の宣言事項及び法的性格に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①宣言事項には原材料費や労務費等のコスト転嫁への配慮が含まれるが、法的な強制力は伴わない。
  • ②この宣言は経済産業省による個別審査を経て認定される制度であり、自己申告のみでは足りない。
  • ③宣言事項はコスト上昇分の転嫁への配慮を含まず、取引先の新規開拓についてのみ定めている。
  • ④宣言を行った企業は、その後、業界団体への加入が法律上義務付けられることとなるとされる。
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正解 ①宣言事項には原材料費や労務費等のコスト転嫁への配慮が含まれるが、法的な強制力は伴わない。
解説
パートナーシップ構築宣言では、サプライチェーン全体の共存共栄と、原材料費・エネルギーコスト・労務費等のコスト上昇分を取引価格に適切に反映させることへの配慮が宣言事項に含まれています。もっとも、この宣言はあくまで企業の代表者による自主的な意思表示であり、行政による個別審査や認定を経るものではなく、宣言内容の不履行に対して法律上の罰則が科される仕組みでもありません。

他の選択肢が誤りの理由
②はこの宣言が経済産業省による個別審査を経て認定される制度であるとしていますが、実際には企業が自ら宣言を行い公表する自己申告型の仕組みであるため誤りです。③は宣言事項がコスト上昇分の転嫁への配慮を含まないとしていますが、実際には主要な宣言事項の一つとして含まれているため誤りです。④は宣言を行った企業に業界団体への加入が法律上義務付けられるとしていますが、そのような義務付けは行われていないため誤りです。
問57-15

中小企業庁が配置する「取引Gメン」(2026年1月に「下請Gメン」から改称)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①訪問対象は資本金3億円を超える大企業のみであり、中小企業を訪問することはない。
  • ②現地訪問は行わず、電話や書面によるアンケートのみで実態を把握する調査員である。
  • ③中小企業を戸別訪問し、価格の決め方や支払条件等を守秘義務の下でヒアリングする。
  • ④ヒアリングで得た内容は、回答した企業の名前とともにただちに一般へ公表される。
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正解 ③中小企業を戸別訪問し、価格の決め方や支払条件等を守秘義務の下でヒアリングする。
解説
取引Gメン(2026年1月1日に「下請Gメン」から改称)は、中小企業庁が配置する取引調査員で、年間1000社を超える中小企業を戸別に訪問し、価格の決め方や支払条件等について、守秘義務の下でヒアリングを行っています。現場の生の声を取引実態の把握や政策の検討に活かす狙いがあります。

他の選択肢が誤りの理由
①は訪問対象を大企業のみとしていますが、実際に戸別訪問の対象となるのは取引上弱い立場に置かれやすい中小企業であるため誤りです。②は現地訪問を行わず電話や書面のみで調査するとしていますが、実際には現場を戸別に訪問してヒアリングを行う点が特徴であるため誤りです。④はヒアリング内容が回答企業名とともに公表されるとしていますが、実際には守秘義務の下でヒアリングが行われ、個別の回答内容がそのまま公にされることはないため誤りです。
問67-15

中小企業向け賃上げ促進税制の適用要件となる給与支給額の考え方に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①中小企業向け・大企業向けのいずれにおいても、継続雇用者に限った給与等支給額のみを用いる。
  • ②中小企業向けは新規雇用者を含む全雇用者の支給額を用いるが、大企業向けは継続雇用者の支給額を用いる。
  • ③中小企業向けは新規雇用者を含む全雇用者の支給額を用いるが、大企業向けも同一の指標を用いて判定する。
  • ④中小企業向けは前期・当期とも支給を受けた者の支給額を用い、大企業向けは全雇用者の支給額を用いる。
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正解 ②中小企業向けは新規雇用者を含む全雇用者の支給額を用いるが、大企業向けは継続雇用者の支給額を用いる。
解説
中小企業向け賃上げ促進税制は、新規雇用者を含む国内雇用者全体に対する給与等の支給額である「雇用者給与等支給額」が前年度比1.5%以上増加したかどうかで判定します。これに対し大企業向け制度は、前事業年度・適用事業年度の両方で給与等の支給を受けた雇用者に限定した「継続雇用者給与等支給額」を用いて判定するため、両者は指標の範囲が異なります。

他の選択肢が誤りの理由
①は中小企業向けも継続雇用者に限った支給額のみを用いるとしていますが、実際には新規雇用者も含む全雇用者の支給額を用いるため誤りです。③は大企業向けも中小企業向けと全く同一の指標を用いるとしていますが、実際には大企業向けは継続雇用者に限定した異なる指標を用いるため誤りです。④は中小企業向けと大企業向けで用いる指標の範囲を逆に説明しており、実際には中小企業向けが全雇用者、大企業向けが継続雇用者に限定という対応関係であるため誤りです。
問77-15

中小企業向け賃上げ促進税制の上乗せ要件に関する2026年度税制改正による変更点として、最も適切なものはどれか。

  • ①くるみん・えるぼし認定の上乗せ措置が廃止され、最大控除率は45%から40%に縮小した。
  • ②上乗せ要件がすべて廃止され、賃上げ率にかかわらず控除率は一律15%に固定された。
  • ③新たに上乗せ要件が追加されたことにより、最大控除率は45%から50%に拡大された。
  • ④教育訓練費の増加による上乗せ措置が廃止され、最大控除率は45%から35%に縮小した。
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正解 ④教育訓練費の増加による上乗せ措置が廃止され、最大控除率は45%から35%に縮小した。
解説
令和8年度税制改正により、令和8年4月1日以後に開始する事業年度からは、教育訓練費の増加を理由とする上乗せ措置(改正前は最大10%)が廃止されました。一方でくるみん・えるぼし(2段階目以上)認定による上乗せ(5%)は維持されているため、基本要件による最大30%にこの5%を加えた35%が、現行の中小企業向け制度における最大控除率となります。

他の選択肢が誤りの理由
①はくるみん・えるぼし認定による上乗せが廃止されたとしていますが、実際に廃止されたのは教育訓練費の上乗せであり、認定による上乗せは維持されているため誤りです。②は上乗せ要件がすべて廃止され控除率が一律15%になったとしていますが、実際には賃上げ率に応じた基本要件の段階(15%・30%)は存置され、認定による上乗せも残っているため誤りです。③は最大控除率が45%から50%に拡大したとしていますが、実際には教育訓練費の上乗せ廃止により45%から35%に縮小しているため誤りです。
問87-15

中小企業向け賃上げ促進税制における税額控除の繰越制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  • ①大企業向け・中堅企業向けの賃上げ促進税制にも、これと同様の繰越の仕組みが設けられている。
  • ②この繰越税額控除の制度は、2024年度税制改正によって新たに導入されたものである。
  • ③当期の法人税額から控除しきれなかった金額を、最大5年間にわたって繰り越すことができる。
  • ④確定申告の際に、この制度の適用を受けるために必要な書類を添付する等の手続きが必要である。
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正解 ①大企業向け・中堅企業向けの賃上げ促進税制にも、これと同様の繰越の仕組みが設けられている。
解説
中小企業向け賃上げ促進税制の繰越税額控除制度は、2024年度税制改正によって新たに導入されたもので、当期の法人税額から控除しきれなかった金額を最大5年間にわたって繰り越し、翌期以降の法人税額から控除できる仕組みです。もっとも、この繰越の仕組みは中小企業向け制度に設けられた特例であり、大企業向け・中堅企業向けの賃上げ促進税制には同様の繰越の仕組みは設けられていないため、この記述は誤りです。

他の選択肢が正しい理由
②は2024年度税制改正によって新たに導入された制度であるという正しい説明です。③は当期に控除しきれなかった金額を最大5年間にわたって繰り越すことができるという正しい説明です。④は確定申告の際にこの制度の適用を受けるために必要な書類を添付する等の手続きが必要であるという正しい説明です。
問97-15

中小企業白書で指摘されている中小企業の労働分配率と賃上げ原資に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①中小企業の労働分配率は大企業より低い水準にあり、賃上げの原資には十分な余裕があるとされる。
  • ②労働分配率は企業規模による差がほとんどなく、賃上げ余力も規模を問わず同程度とされる。
  • ③中小企業の労働分配率は大企業より高い水準にあり、更なる賃上げ原資の確保は厳しいとされる。
  • ④労働分配率という概念は、中小企業白書における賃上げに関する分析では用いられていない。
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正解 ③中小企業の労働分配率は大企業より高い水準にあり、更なる賃上げ原資の確保は厳しいとされる。
解説
労働分配率(付加価値額に占める人件費の割合)は、中小企業、とりわけ小規模企業において大企業より高い水準で推移していることが中小企業白書で繰り返し指摘されています。これは、稼いだ付加価値のうちすでに多くを人件費に充てていることを意味し、大企業と比べて更なる賃上げの原資を確保する余力が厳しい状況にあることを示しています。そのため、生産性向上等により「稼ぐ力」を高め、賃上げの原資そのものを増やしていくことが政策上の重要な課題とされています。

他の選択肢が誤りの理由
①は中小企業の労働分配率が大企業より低く原資に余裕があるとしていますが、実際には大企業より高い水準にあり余力は厳しいとされているため誤りです。②は労働分配率に企業規模による差がほとんどないとしていますが、実際には規模間で明確な差があると指摘されているため誤りです。④は労働分配率という概念が白書の賃上げ分析で用いられていないとしていますが、実際には賃上げ原資を論じる上で重要な指標として繰り返し取り上げられているため誤りです。
問107-15

厚生労働省が実施する「業務改善助成金」の制度の仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①最低賃金の引き上げのみを要件としており、設備投資の実施は助成を受ける要件とされていない。
  • ②事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上に資する設備投資を行った事業者に費用の一部を助成する。
  • ③この助成金の制度は中小企業庁が所管するものとされ、厚生労働省は実施に一切関与していない。
  • ④生産性向上に資する設備投資の実施のみを要件としており、最低賃金の引き上げは助成の要件ではない。
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正解 ②事業場内最低賃金を引き上げ、生産性向上に資する設備投資を行った事業者に費用の一部を助成する。
解説
業務改善助成金は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げるとともに、生産性向上に資する設備投資等(機器の導入や業務改善のためのコンサルティング等)をあわせて行った中小企業・小規模事業者に対し、その費用の一部を助成する厚生労働省の制度です。最低賃金の引き上げと生産性向上への投資をセットで行うことを助成の要件としている点が特徴です。

他の選択肢が誤りの理由
①は設備投資の実施が要件とされていないとしていますが、実際には生産性向上に資する設備投資等をあわせて行うことが助成の要件であるため誤りです。③はこの助成金を中小企業庁が所管する制度としていますが、実際には厚生労働省が実施する制度であるため誤りです。④は最低賃金の引き上げが要件でないとしていますが、実際には事業場内最低賃金の引き上げが助成を受けるための中心的な要件であるため誤りです。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。