2026年版・5-1

会社法(設立と機関設計)の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「経営法務」から、会社法(設立と機関設計)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-1

株式会社の設立方法である発起設立と募集設立に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①募集設立では、株式の払込みを取り扱う機関から保管証明書の交付を受ける必要がある。
  • ②発起設立は、発起人以外の者からも設立時発行株式の引受人を募集する設立方法である。
  • ③発起設立と募集設立は、いずれも設立時に創立総会の開催が義務付けられている。
  • ④発起設立では、設立時取締役の選任に際して必ず種類株主総会の決議を要する。
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正解 ①募集設立では、株式の払込みを取り扱う機関から保管証明書の交付を受ける必要がある。
解説
募集設立では、発起人以外の者からも設立時発行株式の引受人を募集するため、出資の履行を確実にする目的で、払込みの取扱いをした銀行等の金融機関から保管証明書の交付を受け、これを設立登記の添付書類とする必要があります。発起設立にはこの手続はありません。

他の選択肢が誤りの理由
②は募集設立の内容の説明であり、発起設立の説明としては誤りです。発起設立は発起人のみが設立時発行株式の全部を引き受ける方法です。③は創立総会の開催が必要なのは募集設立のみであり、発起人だけで手続を完結する発起設立には創立総会の開催義務がないため誤りです。④は種類株主総会の決議が必要となるのは当該種類株式の内容として決議事項が定められている場合等に限られ、発起設立で常に必要というわけではないため誤りです。
問25-1

株式会社の資本金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①株式会社を設立するには、資本金として最低300万円を払い込まなければならない。
  • ②会社法上、株式会社の設立に際して払い込む資本金の額には下限が定められていない。
  • ③株式会社を設立するには、資本金として最低1000万円を払い込む必要がある。
  • ④資本金の額は、設立後は定款を変更しない限りいかなる場合も減少できない。
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正解 ②会社法上、株式会社の設立に際して払い込む資本金の額には下限が定められていない。
解説
2006年に施行された会社法により、それ以前の商法にあった最低資本金制度(株式会社1000万円等)は撤廃されました。現行の会社法には資本金の下限を定める規定がなく、理論上は1円の払込みでも株式会社を設立できます。もっとも実務上は、当面の運転資金等を考慮して資本金額を決めるのが一般的です。

他の選択肢が誤りの理由
①と③は、いずれも現行会社法には存在しない最低資本金の金額を挙げている点で誤りです。これらはかつての商法上の規制であり、会社法の施行によりすでに撤廃されています。④は資本金の減少(減資)は株主総会の決議等の所定の手続を経れば可能であり、定款変更だけで足りるものではない一方、常に不可能というのも誤りで、減資は債権者保護手続を伴う会社法上の手続として認められているため誤りです。
問35-1

株式会社の設立における現物出資と検査役の調査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①現物出資をする財産の価額にかかわらず、必ず検査役の調査を受けなければならない。
  • ②検査役の調査は、現物出資の目的物が不動産である場合には省略が一切認められない。
  • ③現物出資の価額の総額が500万円以下なら、原則として検査役の調査は不要である。
  • ④検査役の調査を省略できるのは、出資者が発起人以外の第三者である場合に限られる。
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正解 ③現物出資の価額の総額が500万円以下なら、原則として検査役の調査は不要である。
解説
会社法は、現物出資・財産引受けの目的物の価額の総額が500万円以下である場合には、財産の種類を問わず検査役の調査を不要としています。このほか、市場価格のある有価証券で定款記載の価額が市場価格を超えない場合や、弁護士・公認会計士・税理士等の証明(不動産の場合はこれに加えて不動産鑑定士の鑑定評価)を受けた場合にも調査は不要となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は価額が少額な場合等には調査が不要となる例外があるため誤りです。現物出資であれば無条件に調査が必要というわけではありません。②は不動産であっても弁護士等の証明と不動産鑑定士の鑑定評価を受ければ検査役の調査を省略できるため誤りです。④は調査の要否は出資者が発起人か第三者かではなく、目的物の価額や種類によって定まるため誤りです。
問45-1

株式会社における取締役会の設置に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①取締役会の設置は任意であり、公開会社であっても設置しない選択が認められる。
  • ②非公開会社は、規模の大小を問わず取締役会を設置することが義務付けられている。
  • ③取締役会を設置した会社は、監査役を置かないことが会社法上一切認められない。
  • ④公開会社は、会社法上、取締役会を必ず設置しなければならないと定められている。
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正解 ④公開会社は、会社法上、取締役会を必ず設置しなければならないと定められている。
解説
会社法327条1項により、公開会社(発行する全部又は一部の株式に譲渡制限が付されていない会社)は取締役会を設置しなければなりません。公開会社では株主の異動が流動的で経営への関与も薄くなりやすいため、取締役の職務執行を監督する合議体である取締役会の設置を義務付けたものです。

他の選択肢が誤りの理由
②は非公開会社では取締役会の設置は任意とされており、規模にかかわらず義務ではないため誤りです。③は取締役会設置会社であっても、監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社を選択すれば監査役を置かない機関設計が認められるため誤りです。①は公開会社には取締役会の設置義務があり、設置しない選択は認められないため誤りです。
問55-1

会社法上の「大会社」の定義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①最終事業年度の資本金の額が5億円以上又は負債の合計額が200億円以上の株式会社をいう。
  • ②最終事業年度の資本金の額が1億円以上、かつ負債の合計額が50億円以上の株式会社をいう。
  • ③発行済みの株式総数が5億株以上である上場株式会社のみを大会社として取り扱う。
  • ④直前3事業年度における売上高の平均額が200億円以上である株式会社を大会社という。
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正解 ①最終事業年度の資本金の額が5億円以上又は負債の合計額が200億円以上の株式会社をいう。
解説
会社法2条6号により、大会社とは最終事業年度に係る貸借対照表上、資本金として計上した額が5億円以上であるか、または負債の部に計上した額の合計額が200億円以上である株式会社をいいます。いずれか一方の要件を満たせば足り、両方を満たす必要はありません。大会社には会計監査人の設置義務など、より厳格な規律が課されます。

他の選択肢が誤りの理由
②は資本金と負債の基準額が誤っているうえ、両方を満たす「かつ」の関係になっている点も誤りです。実際は資本金5億円以上「または」負債200億円以上のいずれかで足ります。③は大会社の定義は上場の有無ではなく貸借対照表上の資本金・負債の額によって定まるため誤りです。④は大会社の判定は売上高ではなく資本金・負債の額によって行われるため誤りです。
問65-1

取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く)における取締役の任期に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①取締役の任期は、公開会社・非公開会社を問わず一律に選任後1年までとされている。
  • ②非公開会社では、定款の定めにより取締役の任期を選任後10年まで伸長できる。
  • ③取締役の任期は、いかなる会社であっても定款によって短縮することができない。
  • ④公開会社では、定款の定めにより取締役の任期を選任後10年まで伸長できる。
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正解 ②非公開会社では、定款の定めにより取締役の任期を選任後10年まで伸長できる。
解説
会社法332条により、取締役の任期は原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。非公開会社(監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社を除く)は、定款によってこの任期を選任後10年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時まで伸長することが認められています。

他の選択肢が誤りの理由
①は任期の原則は選任後1年ではなく2年であるため誤りです。③は任期は定款または株主総会決議によって短縮することができ、短縮が一切認められないわけではないため誤りです。④は任期の伸長が認められるのは非公開会社であり、株式の流動性が高い公開会社では株主による経営監視の観点から任期の伸長は認められていないため誤りです。
問75-1

監査役会設置会社における監査役会の構成に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①監査役会を構成する監査役は、全員が社外監査役でなければならないとされている。
  • ②監査役会は監査役2人以上で組織すれば足り、社外監査役の選任は義務付けられない。
  • ③監査役会は監査役3人以上で組織し、半数以上は社外監査役でなければならない。
  • ④監査役会設置会社では、監査役会の構成員である監査役に常勤者は不要とされる。
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正解 ③監査役会は監査役3人以上で組織し、半数以上は社外監査役でなければならない。
解説
会社法335条3項により、監査役会設置会社の監査役は3人以上でなければならず、そのうち半数以上は社外監査役でなければなりません。また監査役会は、監査役の中から常勤の監査役を選定しなければならないとされています(会社法390条3項)。

他の選択肢が誤りの理由
②は監査役会を構成する監査役は3人以上必要であり2人では足りず、また半数以上を社外監査役とする義務もあるため誤りです。①は監査役の全員を社外監査役とする必要はなく、半数以上という規律であるため誤りです。④は監査役会には常勤の監査役を置く必要があり、常勤者が不要というのは誤りです。
問85-1

指名委員会等設置会社と監査等委員会設置会社の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①監査等委員会設置会社は、必ず監査役を併せて置かなければならないとされる。
  • ②監査等委員会設置会社は、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3委員会を置く。
  • ③指名委員会等設置会社には、業務執行を担う執行役を置くことが認められていない。
  • ④指名委員会等設置会社は、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3委員会を置く。
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正解 ④指名委員会等設置会社は、指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3委員会を置く。
解説
指名委員会等設置会社は、取締役会の中に指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3つの委員会を置き、業務執行は取締役会が選任する執行役が担う機関設計です。これに対し監査等委員会設置会社は、監査等委員会という単一の委員会のみを置く機関設計であり、3委員会を置くものではありません。

他の選択肢が誤りの理由
②は3委員会を置くのは指名委員会等設置会社であり、監査等委員会設置会社は監査等委員会という単一の委員会のみを置くため誤りです。③は指名委員会等設置会社では取締役会が選任した執行役が業務執行を担う仕組みが採られており、執行役を置けないというのは誤りです。①は監査等委員会設置会社では監査等委員会が監査役に代わる機関として位置付けられており、監査役を置くことはできないため誤りです。
問95-1

発起人が株式会社の設立に際して出資の履行を仮装した場合の責任に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①出資の履行を仮装した発起人は、会社に対し仮装した出資に係る金銭全額の支払義務を負う。
  • ②出資の履行を仮装しても、設立登記が完了した後であれば発起人の責任は一切問われない。
  • ③出資の履行の仮装は、発起人以外の設立時取締役には何らの責任も生じさせない行為である。
  • ④出資の履行を仮装した場合、会社は当該発起人に対して損害賠償請求をすることができない。
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正解 ①出資の履行を仮装した発起人は、会社に対し仮装した出資に係る金銭全額の支払義務を負う。
解説
会社法52条の2により、出資の履行を仮装した発起人は、株式会社に対し、仮装した払込金額の全額の支払いをする義務を負います。現物出資を仮装した場合も同様に、給付を仮装した財産の価額に相当する金銭の全額を支払う義務を負います。この義務は総株主の同意がなければ免除することができません。

他の選択肢が誤りの理由
②は仮装払込みの責任は設立登記後であっても消滅せず、発覚すれば追及され得るため誤りです。③は出資の履行の仮装に関与した設立時取締役等にも、当該仮装に係る金銭の全額等について会社に対する支払義務(会社法52条の2第2項)が生じ得るため誤りです。④は仮装払込みをした発起人に対する支払義務の追及は損害賠償請求とは別の性質を持つ責任であり、会社が請求できないというのは誤りです。
問105-1

株式会社の定款の絶対的記載事項に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①取締役の氏名及び住所は、定款の絶対的記載事項として必ず記載しなければならない。
  • ②目的、商号、本店の所在地、出資される財産の価額等が絶対的記載事項である。
  • ③会社が発行する株式の譲渡制限に関する定めは、定款の絶対的記載事項に含まれる。
  • ④監査役を置く旨の定めは、株式会社の定款における絶対的記載事項に含まれる。
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正解 ②目的、商号、本店の所在地、出資される財産の価額等が絶対的記載事項である。
解説
会社法27条により、株式会社の定款の絶対的記載事項は、目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額又はその最低額、発起人の氏名又は名称及び住所の5つです。これらを欠くと定款自体が無効となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は設立時取締役の氏名は定款の記載事項ではなく、発起人の議決権の過半数による選任事項であるため誤りです(募集設立では創立総会の決議事項)。③は譲渡制限に関する定めは、定めを置く場合に効力を生じさせるために必要な相対的記載事項であり、必ず記載すべき絶対的記載事項ではないため誤りです。④は監査役を置く旨の定めも、置く場合に記載が必要となる相対的記載事項であって、すべての株式会社に必須の絶対的記載事項ではないため誤りです。

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