2026年版・2-1

簿記の基礎と財務諸表の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「財務・会計」から、簿記の基礎と財務諸表に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-1

複式簿記における取引の記帳ルールに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①資産の増加は借方に、負債の増加は貸方に記入する。
  • ②資産の増加は貸方に、負債の増加は借方に記入する。
  • ③収益の発生は借方に、費用の発生も借方に記入する。
  • ④収益の発生は貸方に、純資産の減少も貸方に記入する。
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正解 ①資産の増加は借方に、負債の増加は貸方に記入する。
解説
複式簿記では、資産の増加は借方(左側)に、資産の減少は貸方(右側)に記入します。負債と純資産はこの逆で、増加は貸方に、減少は借方に記入します。収益の発生は貸方に、費用の発生は借方に記入するというルールと合わせて、この5要素の記入ルールが複式簿記の土台になります。

他の選択肢が誤りの理由
②は資産の増加と負債の増加の記入方向が実際とは逆になっており誤りです。③は収益の発生を借方としている点が誤りで、収益の発生は貸方に記入します。④は収益の発生を貸方としている点は正しいものの、純資産の減少を貸方としている点が誤りで、純資産の減少は借方に記入します。
問22-1

貸借対照表における資産・負債の流動・固定の分類基準に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①すべての資産・負債は、決算日の翌日から1年以内に現金化・支払期限が到来するかどうかのみで分類する。
  • ②正常営業循環基準を優先して適用し、正常な営業取引で生じた資産・負債は1年超でも流動項目とする。
  • ③固定資産は取得原価が一定金額を超えるものに限られ、金額基準のみで流動・固定を区分する。
  • ④使途が長期の設備投資に限定されている預金であっても、現金及び預金は常に流動資産に分類する。
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正解 ②正常営業循環基準を優先して適用し、正常な営業取引で生じた資産・負債は1年超でも流動項目とする。
解説
資産・負債の流動・固定分類は、まず正常営業循環基準を適用し、売掛金や買掛金、棚卸資産など通常の営業取引の循環過程にあるものは、回収・支払までの期間の長短にかかわらず流動項目とします。この基準に該当しないものについて、決算日の翌日から1年以内かどうかで判定する1年基準(ワンイヤールール)を適用します。

他の選択肢が誤りの理由
①は正常営業循環基準を無視して1年基準のみで判定しており誤りです。③は固定資産の区分が金額基準のみで行われるとしている点が誤りで、実際には使用目的や保有期間などにより区分します。④は使途が長期の設備投資に拘束されている預金は、通常は投資その他の資産などの固定資産に分類されるため誤りです。
問32-1

ある企業の当期の損益計算書に関する資料は次のとおりである。営業利益として正しい金額はどれか。売上高:8,000万円、売上原価:5,200万円、販売費及び一般管理費:1,800万円、営業外収益:150万円、営業外費用:100万円。

  • ①2,800万円
  • ②1,050万円
  • ③1,000万円
  • ④1,150万円
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正解 ③1,000万円
解説
営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて求めます。売上総利益は売上高8,000万円から売上原価5,200万円を差し引いた2,800万円であり、そこから販売費及び一般管理費1,800万円を差し引くと営業利益は1,000万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の2,800万円は、販売費及び一般管理費を差し引く前の売上総利益の金額であり、営業利益ではありません。②の1,050万円は、営業利益1,000万円に営業外収益150万円を加え営業外費用100万円を差し引いた経常利益の金額です。④の1,150万円は、営業利益1,000万円に営業外収益150万円を加えただけで、営業外費用100万円を差し引き忘れた誤った計算です。
問42-1

商品80万円を掛けで仕入れ、引取運賃2万円を現金で支払った(三分法によって記帳している)。この取引の仕訳として、最も適切なものはどれか。

  • ①仕入80万円(借方)、買掛金80万円(貸方)、現金2万円(借方)
  • ②仕入82万円(借方)、買掛金82万円(貸方)、現金2万円(借方)
  • ③仕入80万円(借方)、買掛金82万円(貸方)、現金2万円(貸方)
  • ④仕入82万円(借方)、買掛金80万円(貸方)、現金2万円(貸方)
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正解 ④仕入82万円(借方)、買掛金80万円(貸方)、現金2万円(貸方)
解説
三分法で記帳する場合、当社が負担する引取運賃などの仕入諸掛は、仕入原価に算入するのが原則です。したがって仕入は商品代金80万円に引取運賃2万円を加えた82万円(借方)となり、貸方は買掛金80万円と、現金で支払った引取運賃2万円を計上します。

他の選択肢が誤りの理由
①は引取運賃を仕入原価に算入せず仕入を80万円としている点に加え、現金で支払ったはずの引取運賃を借方に計上しており、支払いという事実に反しています。②は仕入を82万円と正しく算入していますが、買掛金も82万円としてしまい現金で支払った引取運賃分まで掛け代金に含めてしまっている点と、現金を借方に計上している点が誤りです。③は仕入を80万円としており引取運賃を仕入原価に算入していない点と、その分を買掛金82万円に含めてしまっている点が誤りです。
問52-1

取得原価600万円、耐用年数10年、残存価額をゼロとする備品を定額法で減価償却する場合、1年分の減価償却費として正しい金額はどれか。

  • ①60万円
  • ②54万円
  • ③50万円
  • ④66万円
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正解 ①60万円
解説
定額法による減価償却費は、(取得原価-残存価額)÷耐用年数で計算します。残存価額をゼロとする本問では、600万円÷10年=60万円が1年分の減価償却費となります。定額法は耐用年数にわたって毎期同額の減価償却費を計上する方法です。

他の選択肢が誤りの理由
②の54万円は、現在は廃止されている旧税法上の残存価額10%を前提に、600万円×0.9÷10年として計算した場合の金額であり、残存価額をゼロとする本問の条件には合いません。③の50万円は、耐用年数10年を誤って12(か月)と混同するなどして600万円を12で割ってしまった場合の金額です。④の66万円は、取得原価600万円を誤って1.1倍した660万円をもとに10年で割ってしまった場合の金額です。
問62-1

取得原価500万円、償却率年20%の備品を定率法で減価償却する場合、2年目(2期目)の減価償却費として正しい金額はどれか。なお、端数処理による影響はないものとする。

  • ①100万円
  • ②80万円
  • ③90万円
  • ④64万円
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正解 ②80万円
解説
定率法では、各期首の帳簿価額に一定の償却率を掛けて減価償却費を計算します。1年目の減価償却費は500万円×20%=100万円で、1年目末の帳簿価額は500万円-100万円=400万円です。2年目の減価償却費はこの400万円に償却率20%を掛けた80万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の100万円は1年目の減価償却費であり、2年目の金額ではありません。定率法では帳簿価額が年々減少するため、2年目以降の減価償却費は通常前期より少なくなります。③の90万円は、1年目と2年目の帳簿価額(500万円と400万円)を平均するなど、定率法とは異なる計算方法によるものです。④の64万円は、3年目の減価償却費(400万円-80万円=320万円に20%を掛けた金額)であり、1年先の期の金額を計算してしまっています。
問72-1

当月の商品(甲商品)の受払いは次のとおりである。先入先出法によって月末棚卸高を計算した場合の金額として正しいものはどれか。月初棚卸:100個(@200円)、当月仕入:200個(@230円)、当月払出(販売):250個、月末在庫:50個。

  • ①10,000円
  • ②11,000円
  • ③11,500円
  • ④23,000円
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正解 ③11,500円
解説
先入先出法では、先に仕入れたものから先に払い出されると仮定して原価を計算します。当月の払出250個は、月初棚卸100個(@200円)をすべて払い出した後、当月仕入200個(@230円)のうち150個を払い出したものと考えます。したがって月末棚卸の50個は当月仕入分(@230円)から構成され、月末棚卸高は50個×230円=11,500円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の10,000円は、直近の仕入分から先に払い出すと仮定する後入先出法によった場合に、月末在庫が月初棚卸の単価200円で構成されると計算した金額であり、先入先出法の考え方とは異なります。②の11,000円は、月初棚卸と当月仕入の総平均単価(220円)を用いる総平均法によった場合の金額であり、先入先出法によるものではありません。④の23,000円は、月末在庫の個数と仕入単価の対応を取り違えるなど、計算過程に誤りがある金額です。
問82-1

売掛金の期末残高は300万円であり、これに対して2%の貸倒引当金を設定する(差額補充法)。設定前の貸倒引当金残高は3万円であった。当期の貸倒引当金繰入額として正しい金額はどれか。

  • ①6万円
  • ②9万円
  • ③12万円
  • ④3万円
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正解 ④3万円
解説
差額補充法では、貸倒引当金の当期末必要額と、設定前の貸倒引当金残高との差額を繰入額とします。当期末に必要な貸倒引当金額は、売掛金残高300万円に設定率2%を掛けた6万円です。設定前の残高が3万円あるため、当期の繰入額はその差額である6万円-3万円=3万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の6万円は、当期末に必要な貸倒引当金の総額であり、既存の残高3万円を考慮せずにそのまま繰入額としてしまった誤りです。②の9万円は、必要額6万円に既存残高3万円を誤って加算してしまった金額です。③の12万円は、売掛金残高に対する設定率を2%ではなく4%として計算してしまった場合などに生じる金額です。
問92-1

当期の11月1日に向こう1年分の火災保険料12万円を現金で支払い、支払時に全額を支払保険料(費用)として処理していた。決算日(3月31日、会計期間は4月1日~3月31日)を迎えた場合の決算整理仕訳として、最も適切なものはどれか。

  • ①前払保険料7万円(借方)、支払保険料7万円(貸方)
  • ②支払保険料7万円(借方)、前払保険料7万円(貸方)
  • ③前払保険料5万円(借方)、支払保険料5万円(貸方)
  • ④前払保険料6万円(借方)、支払保険料6万円(貸方)
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正解 ①前払保険料7万円(借方)、支払保険料7万円(貸方)
解説
支払時に1年分12万円を全額費用処理しているため、決算日時点でまだ保険期間が到来していない翌期分(次期4月から10月までの7か月分)は、当期の費用から控除して前払費用として次期に繰り延べる必要があります。1か月あたりの保険料は12万円÷12か月=1万円であり、未経過の7か月分は1万円×7か月=7万円です。したがって、借方に前払保険料7万円、貸方に支払保険料7万円と仕訳して、費用を7万円減額し前払費用(資産)を計上します。

他の選択肢が誤りの理由
②は借方・貸方が逆であり、これでは前払費用を減額し支払保険料を増額することになってしまいます。③の5万円は、未経過期間ではなく既に経過した期間(11月から3月までの5か月分)の保険料を前払費用として計上してしまった誤りです。④の6万円は、保険期間12か月の経過・未経過を正しく数えずに単純に半分にしてしまった金額です。
問102-1

試算表(合計試算表・残高試算表)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①試算表の貸借合計が一致していれば、個々の仕訳や転記には誤りが存在しないと判断してよい。
  • ②ある取引の仕訳を貸借とも本来と異なる勘定科目に記入した場合でも、試算表の貸借合計は一致する。
  • ③仕訳の借方と貸方の両方に、同額の誤った金額を記入した場合、試算表の貸借合計は一致しなくなる。
  • ④ある取引の仕訳を二重に行った場合、貸借が不均衡になり試算表の貸借合計は一致しなくなる。
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正解 ②ある取引の仕訳を貸借とも本来と異なる勘定科目に記入した場合でも、試算表の貸借合計は一致する。
解説
試算表は貸借合計の一致を確認する集計表ですが、これはあくまで貸借の金額が一致していることを示すに過ぎません。ある取引の仕訳を、本来とは異なる勘定科目に貸借ともに記入してしまった場合(勘定科目の選択を誤った場合)、借方・貸方の金額自体は正しく対応しているため、試算表の貸借合計は変わらず一致してしまい、この種の誤りを試算表だけで発見することはできません。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。試算表の貸借合計が一致していても、勘定科目の誤りや二重記帳、記入漏れなど、貸借の金額的な均衡を崩さない種類の誤りは発見できないため、誤りが一切存在しないと判断することはできません。③は誤りです。借方・貸方の両方に同額の誤った金額を記入した場合、貸借の金額的な均衡自体は崩れないため、試算表の貸借合計は一致したままになり、この種の誤りを試算表だけで発見することはできません。④は誤りです。仕訳を二重に行った場合も、借方・貸方が同額ずつ重複して記帳されるため貸借の均衡自体は崩れず、試算表の貸借合計は一致したままになります。

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