2026年版・2-8

企業価値評価・M&Aの一問一答

中小企業診断士(一次試験)「財務・会計」から、企業価値評価・M&Aに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全920問) 財務・会計の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-8

企業価値評価におけるDCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①DCF法では、過去の実績財務諸表の数値のみを用いて評価を行い、将来の事業計画は一切考慮しない。
  • ②DCF法による評価額は、割引率(資本コスト)の水準にかかわらず、常に一定の値になるとされる。
  • ③DCF法では、類似する上場企業の株価収益率(PER)などの倍率を用いて対象企業の価値を算定する。
  • ④DCF法では、将来生み出すと見込まれるフリーキャッシュフローを資本コストで割り引いて算定する。
答えと解説を見る
正解 ④DCF法では、将来生み出すと見込まれるフリーキャッシュフローを資本コストで割り引いて算定する。
解説
DCF法は、対象企業が将来生み出すと見込まれるフリーキャッシュフローを、その企業のリスクに応じた資本コストで現在価値に割り引くことによって、企業価値を算定する方法です。将来の事業計画を反映できる点が特徴です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。DCF法は将来の事業計画に基づく予測キャッシュフローを用いる方法であり、過去の実績のみに基づくものではありません。②は誤りです。DCF法による評価額は、用いる割引率の水準によって大きく変動します。③は類似会社比較法(マルチプル法)の説明であり誤りです。DCF法は、類似企業の倍率ではなく、対象企業自身の将来キャッシュフローに基づいて評価します。
問22-8

企業価値評価における類似会社比較法(マルチプル法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①類似会社比較法では、対象企業の将来キャッシュフローを独自に予測し、資本コストで割り引いて評価する。
  • ②類似会社比較法によって算定される価値は、市場での取引実態を一切反映しない理論値であるとされる。
  • ③類似会社比較法は、非上場企業の評価においては理論上一切利用することができないとされている。
  • ④類似会社比較法では、類似する上場企業のPERやEBITDA倍率を参考に対象企業の価値を推計する。
答えと解説を見る
正解 ④類似会社比較法では、類似する上場企業のPERやEBITDA倍率を参考に対象企業の価値を推計する。
解説
類似会社比較法(マルチプル法)は、評価対象企業と事業内容や規模が類似する上場企業を選定し、それらのPER(株価収益率)やEV/EBITDA倍率などの指標を参考にして、対象企業の価値を推計する方法です。市場での実際の取引・評価水準を反映できる点が特徴です。

他の選択肢が誤りの理由
①はDCF法の説明であり誤りです。類似会社比較法は、対象企業自身のキャッシュフロー予測ではなく、類似企業の倍率を用いる点が特徴です。③は誤りです。類似会社比較法は、非上場企業の評価においても、類似する上場企業の倍率を参考にする方法として広く用いられています。②は誤りです。類似会社比較法は、実際の株式市場における類似企業の取引水準(倍率)を反映した評価方法であり、市場実態と無関係な理論値ではありません。
問32-8

ある企業の貸借対照表上の総資産(簿価)は5億円、負債(簿価)は3億円である。保有する土地の簿価は8,000万円であるが、時価は1億5,000万円と評価された(他の資産・負債の簿価と時価に差異はないものとする)。時価純資産価額法による企業価値として正しいものはどれか。

  • ①2億7,000万円
  • ②2億円
  • ③3億5,000万円
  • ④1億3,000万円
答えと解説を見る
正解 ①2億7,000万円
解説
時価純資産価額法では、貸借対照表上の資産・負債を時価に評価替えした上で、純資産額(時価総資産-時価総負債)を企業価値とします。本問では、簿価による純資産は総資産5億円-負債3億円=2億円です。土地には時価評価により1億5,000万円-8,000万円=7,000万円の含み益があるため、これを簿価純資産に加算し、時価純資産=2億円+7,000万円=2億7,000万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
②の2億円は、土地の含み益を反映しない簿価純資産価額であり、時価純資産価額法による評価額ではありません。③の3億5,000万円は、含み益(7,000万円)ではなく、土地の時価そのもの(1億5,000万円)を簿価純資産に加算してしまった誤りです。④の1億3,000万円は、含み益を加算せず誤って減算してしまった場合に生じる金額です。
問42-8

ある企業を6億円で買収した。買収時点における当該企業の時価純資産額は4億5,000万円であった。この買収によって計上される、のれん(営業権)の金額として正しいものはどれか。

  • ①6億円
  • ②4億5,000万円
  • ③1億5,000万円
  • ④1億円
答えと解説を見る
正解 ③1億5,000万円
解説
のれん(営業権)は、企業買収の際に支払った買収価額が、買収対象企業の時価純資産額を上回る部分の金額として計上されます。本問では、買収価額6億円から時価純資産額4億5,000万円を差し引いた、6億円-4億5,000万円=1億5,000万円がのれんの金額となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の6億円は、買収価額そのものであり、時価純資産額を差し引いていません。②の4億5,000万円は、時価純資産額そのものであり、のれんの金額ではありません。④の1億円は、正しくない数値の組み合わせによって生じうる金額です。
問52-8

企業価値評価の各手法(DCF法、類似会社比較法、純資産価額法)の使い分けに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①純資産価額法は、将来の収益力を最も精緻に反映できる手法であるため、成長企業の評価に最も適しているとされる。
  • ②DCF法は、将来キャッシュフローの予測を必要としないため、事業計画のない企業にも等しく適用しやすい。
  • ③類似会社比較法は、比較対象となる類似上場企業が存在しない業種であっても、常に高い精度で評価できる。
  • ④実務上、複数の評価手法を併用し、それぞれの結果を比較検討したうえで総合的に価値を判断することが多い。
答えと解説を見る
正解 ④実務上、複数の評価手法を併用し、それぞれの結果を比較検討したうえで総合的に価値を判断することが多い。
解説
実務上の企業価値評価では、DCF法・類似会社比較法・純資産価額法など複数の手法を併用し、それぞれの評価結果を比較検討したうえで、総合的に価値を判断することが一般的です。単一の手法のみに依拠すると、その手法固有の限界による偏りが生じるおそれがあるためです。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。純資産価額法は貸借対照表上の資産・負債(現在または過去の価値)に基づく手法であり、将来の収益力を反映する点ではDCF法に劣るとされ、成長企業の評価には不向きとされることが多いです。②は誤りです。DCF法は将来キャッシュフローの予測を前提とする手法であり、事業計画のない企業には適用が困難です。③は誤りです。類似会社比較法の精度は、適切な比較対象企業の有無に大きく左右され、類似する上場企業が存在しない業種では精度が低下します。
問62-8

M&A(企業買収)の手法の一つである株式譲渡に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①株式譲渡では、対象会社の個々の資産・負債・契約を、原則として個別に相手方の同意を得て移転させる必要がある。
  • ②株式譲渡では、対象会社の株主が交代するのみであり、その権利義務は原則としてそのまま維持される。
  • ③株式譲渡を行うには、会社法上の組織再編行為として、株主総会の特別決議による承認が常に必要とされる。
  • ④株式譲渡が行われると、対象会社という法人格そのものが消滅し、譲渡先の会社に吸収されるとされる。
答えと解説を見る
正解 ②株式譲渡では、対象会社の株主が交代するのみであり、その権利義務は原則としてそのまま維持される。
解説
株式譲渡は、対象会社の株式を売主から買主へ譲渡する手法であり、対象会社そのものの法人格や、対象会社が保有する資産・負債・契約上の地位などの権利義務には変更が生じません。変わるのは対象会社の株主(オーナー)のみです。

他の選択肢が誤りの理由
①は事業譲渡の特徴の説明であり誤りです。事業譲渡では、対象となる資産・負債・契約を個別に移転させる必要があり、契約の相手方の同意が必要になる場合があります。③は誤りです。株式譲渡は株主間の株式の売買であり、合併や会社分割のような会社法上の組織再編行為とは異なり、対象会社の株主総会の特別決議が常に必要というわけではありません。④は誤りです。株式譲渡が行われても対象会社の法人格は消滅せず、そのまま存続します。法人格が消滅するのは合併の場合です。
問72-8

M&A(企業買収)の手法の一つである事業譲渡に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①事業譲渡は、対象となる資産・負債・契約等を個別に特定して移転する取引で、対象の選別自由度が高い。
  • ②事業譲渡は、包括承継の手法であるため、譲渡対象に含めたくない簿外債務なども自動的にすべて承継される。
  • ③事業譲渡を行う場合、譲渡会社の債権者に対する個別の同意取得や対抗要件の具備は一切不要とされる。
  • ④事業譲渡は、会社法上、必ず譲渡会社・譲受会社双方の株主総会の特別決議による承認を要する取引である。
答えと解説を見る
正解 ①事業譲渡は、対象となる資産・負債・契約等を個別に特定して移転する取引で、対象の選別自由度が高い。
解説
事業譲渡は、譲渡の対象となる資産・負債・契約・従業員などを個別に特定して移転させる取引です。譲渡する側・譲り受ける側の合意により対象を選別できる自由度が高い一方、対象ごとに移転手続き(契約上の地位の移転についての相手方の承諾、不動産の登記など対抗要件の具備等)が必要になります。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。事業譲渡は個々の資産・負債を特定して移転させる特定承継の手法であり、包括承継とは異なるため、契約で移転対象に含めていない簿外債務などが自動的に承継されるわけではありません。③は誤りです。事業譲渡では、契約上の地位の移転についての相手方の同意や、対抗要件の具備などの個別の手続きが必要になる場合があります。④は誤りです。重要な事業の譲渡は原則として譲渡会社側で株主総会の特別決議が必要とされますが、譲受け側は簡易な譲受けに該当する場合など不要となる場合があり、常に双方で必要というわけではありません。
問82-8

M&A(企業買収)の手法の一つである合併に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①吸収合併が行われても、消滅する会社の法人格は存続し、存続会社とは別の法人として併存し続けるとされる。
  • ②合併は、資産・負債を個別に選別して移転させる特定承継の手法で、事業譲渡と本質的に同じ性質を持つ。
  • ③吸収合併では、消滅する会社の権利義務は、個別の移転手続きを経ることなく、包括的に存続会社に承継される。
  • ④新設合併は、当事会社の一方が存続し、他方が消滅してその権利義務を存続会社が承継する方式であるとされる。
答えと解説を見る
正解 ③吸収合併では、消滅する会社の権利義務は、個別の移転手続きを経ることなく、包括的に存続会社に承継される。
解説
吸収合併では、消滅する会社の資産・負債・契約上の地位などの権利義務が、個別の移転手続き(相手方の同意取得など)を経ることなく、法律上当然に、包括的に存続会社へ承継されます(包括承継)。この点が、個別に対象を選別して移転させる事業譲渡との大きな違いです。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。吸収合併が行われると、消滅する会社の法人格は消滅し、存続会社と併存し続けることはありません。②は誤りです。合併は権利義務が包括的に承継される包括承継の手法であり、個別に対象を選別する事業譲渡(特定承継)とは異なる性質を持ちます。④は誤りです。一方が存続し他方が消滅する方式は吸収合併であり、新設合併は当事会社すべてが消滅し、新たに設立する会社がその権利義務を承継する方式です。
問92-8

M&Aにおけるシナジー効果に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①シナジー効果とは、買収対象企業の株価が、買収発表前の水準よりも下落する効果のことを指すとされる。
  • ②売上シナジーと費用シナジーのうち、売上シナジーは一般に効果の発現時期が早く、実現の予測も容易であるとされる。
  • ③M&Aによって想定されたシナジー効果は、買収後の統合プロセス(PMI)の巧拙にかかわらず、必ず実現する。
  • ④シナジー効果とは、買収側と買収される側が統合することで、単独で得られる価値の合計を上回る効果のことをいう。
答えと解説を見る
正解 ④シナジー効果とは、買収側と買収される側が統合することで、単独で得られる価値の合計を上回る効果のことをいう。
解説
シナジー効果とは、買収する側の企業と買収される側の企業が統合することによって、両社がそれぞれ単独で事業を行う場合に得られる価値の単純合計を上回る、追加的な価値が生み出される効果のことをいいます(いわゆる「1+1が2以上になる」効果)。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。シナジー効果は株価の下落を指す概念ではなく、統合によって生み出される価値の増加を指す概念です。②は誤りです。一般に、重複部門の統合などによるコスト削減効果(費用シナジー)の方が、売上シナジーよりも効果の発現時期が早く、実現の予測も容易であるとされることが多いです。③は誤りです。想定したシナジー効果が実際に実現するかどうかは、買収後の統合プロセス(PMI:Post Merger Integration)の巧拙に大きく左右され、必ず実現するとは限りません。
問102-8

TOB(株式公開買付け)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①TOBは、証券取引所における通常の市場取引を通じて、対象会社の株式を市場価格でひそかに買い集める手法である。
  • ②TOBでは、買付けの価格・期間・株数などの条件をあらかじめ公告し、不特定多数の株主から買付けの申込みを募る。
  • ③友好的TOBと敵対的TOBの区別は、TOBを行う際の買付価格の高低のみによって決定されるとされている。
  • ④TOBが成立して経営権を取得した後は、対象会社の少数株主を締め出す手続きを行うことは一切認められない。
答えと解説を見る
正解 ②TOBでは、買付けの価格・期間・株数などの条件をあらかじめ公告し、不特定多数の株主から買付けの申込みを募る。
解説
TOB(株式公開買付け)は、買付けを行う者があらかじめ買付価格・買付期間・買付予定株数などの条件を公告し、不特定多数の株主に対して株式の買付けの申込みを勧誘する手法です。証券取引所を通さずに、公開された条件のもとで株式を取得する点が特徴です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。TOBは、通常の市場取引を通じてひそかに買い集める手法ではなく、条件を公告したうえで行う公開の手続きです。③は誤りです。友好的TOBと敵対的TOBの区別は、対象会社の経営陣(取締役会)がその買収に賛同しているかどうかによるものであり、買付価格の高低のみで決まるものではありません。④は誤りです。TOBによって議決権の一定割合以上を取得した場合、その後の手続き(スクイーズアウト)により少数株主の保有株式を金銭を対価として取得し、完全子会社化することが法律上認められています。

中小企業診断士(一次試験)の対策問題(全920問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。