2026年版・2-6

投資評価(NPV・IRR等)の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「財務・会計」から、投資評価(NPV・IRR等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-6

ある投資案は、初期投資額500万円、毎年の年末に得られるキャッシュフローが3年間にわたり各年200万円である。資本コスト(割引率)を10%としたときの現価係数は、1年:0.909、2年:0.826、3年:0.751とする。この投資案の正味現在価値(NPV)に最も近いものはどれか。

  • ①100万円
  • ②約△3万円
  • ③497万円
  • ④△153万円
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正解 ②約△3万円
解説
正味現在価値(NPV)は、将来キャッシュフローの現在価値の合計から初期投資額を差し引いて求めます。本問では、毎年200万円のキャッシュフローの現在価値合計は200万円×(0.909+0.826+0.751)=200万円×2.486=497.2万円です。ここから初期投資額500万円を差し引くと、NPV=497.2万円-500万円=△2.8万円(約△3万円)となり、NPVがマイナスであるためこの投資案は採用すべきではないと判断されます。

他の選択肢が誤りの理由
①の100万円は、割引計算を行わずに単純にキャッシュフローの合計600万円(200万円×3年)から初期投資額500万円を差し引いた金額であり、貨幣の時間価値を考慮していません。③の497万円は、キャッシュフローの現在価値合計そのものであり、初期投資額を差し引き忘れています。④の△153万円は、3年分ではなく2年分の現価係数のみを用いて計算した場合に生じる金額です。
問22-6

内部収益率法(IRR法)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①内部収益率が資本コストを下回る場合、その投資案は採用すべきであると判断される。
  • ②相互排他的な投資案の比較では、内部収益率法とNPV法は常に同じ優劣の判定結果をもたらす。
  • ③内部収益率は、投資案から得られるキャッシュフローの絶対額(金額)そのものを表す指標である。
  • ④内部収益率法には、投資規模の違いが評価結果に反映されにくいという限界があるとされる。
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正解 ④内部収益率法には、投資規模の違いが評価結果に反映されにくいという限界があるとされる。
解説
内部収益率(IRR)は、投資案の正味現在価値(NPV)をちょうどゼロにする割引率として定義されますが、比率(%)による評価であるため、投資規模(投資額の大小)の違いが評価結果に反映されにくいという限界があるとされます。小規模で高いIRRの投資案と、大規模でやや低いIRRの投資案とでは、企業価値への貢献額はNPVで比較しないと正しく判断できない場合があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は判断基準が逆であり誤りです。内部収益率が資本コストを上回る場合に、その投資案は採用すべきと判断されます。②は誤りです。相互に排他的な投資案の比較では、投資規模やキャッシュフローの時期の違いにより、内部収益率法とNPV法の判定結果が食い違う(逆転する)ことがあります。③は誤りです。内部収益率は割引率(%)として表される指標であり、キャッシュフローの絶対額を表すものではありません。
問32-6

ある投資案の初期投資額は800万円であり、毎年のキャッシュフローは1年目300万円、2年目300万円、3年目300万円、4年目300万円と見込まれる(各年とも年間を通じて均等に発生するものとする)。単純回収期間法による回収期間として正しいものはどれか。

  • ①2.7年
  • ②2.0年
  • ③3.0年
  • ④2.5年
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正解 ①2.7年
解説
単純回収期間法では、投資額を何年で回収できるかを計算します。本問では、1年目300万円、2年目300万円の累計で600万円が回収され、残り200万円を3年目のキャッシュフロー300万円の中から回収することになります。3年目の中で必要な期間は200万円÷300万円=0.67年であるため、回収期間=2年+0.67年=2.7年となります。

他の選択肢が誤りの理由
②の2.0年は、2年目までの累計600万円で投資額800万円を回収できたと誤認した場合の値です。③の3.0年は、3年目で初めて累計額が投資額を上回ることのみに着目し、3年目の中での端数期間を計算しなかった場合に生じる値です。④の2.5年は、端数期間の計算を誤った数値で行った場合に生じる値です。
問42-6

ある投資案の初期投資額は600万円、将来キャッシュフローの現在価値合計は750万円である。収益性指数(PI:Profitability Index)として正しいものはどれか。

  • ①0.80
  • ②1.50
  • ③1.25
  • ④1.80
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正解 ③1.25
解説
収益性指数(PI)は、将来キャッシュフローの現在価値合計を初期投資額で割って算出する指標で、1を上回れば投資価値があると判断されます。本問では、将来キャッシュフローの現在価値合計750万円を初期投資額600万円で割ると、PI=750万円÷600万円=1.25となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の0.80は、分子と分母を逆にして初期投資額600万円を将来キャッシュフローの現在価値合計750万円で割ってしまった場合の値です。②の1.50は、初期投資額を600万円ではなく500万円と読み違えて750万円÷500万円と計算した場合に生じる値です。④の1.80は、正しくない数値の組み合わせによって生じうる値です。
問52-6

ある投資案は、初期投資額1,000万円、1年後に400万円、2年後に400万円、3年後に500万円のキャッシュフローが得られる見込みである。割引率5%のときの現価係数は、1年:0.952、2年:0.907、3年:0.864とする。この投資案のNPVに最も近いものはどれか。

  • ①300万円
  • ②176万円
  • ③1,176万円
  • ④△205万円
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正解 ②176万円
解説
NPVは、各年のキャッシュフローの現在価値を合計し、そこから初期投資額を差し引いて求めます。本問では、現在価値合計=400万円×0.952+400万円×0.907+500万円×0.864=380.8万円+362.8万円+432万円=1,175.6万円です。ここから初期投資額1,000万円を差し引くと、NPV=1,175.6万円-1,000万円=175.6万円(約176万円)となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の300万円は、割引計算を行わずに単純にキャッシュフローの合計1,300万円から初期投資額1,000万円を差し引いた金額であり、貨幣の時間価値を考慮していません。③の1,176万円は、キャッシュフローの現在価値合計そのものであり、初期投資額を差し引き忘れています。④の△205万円は、1年目のキャッシュフローの現在価値を見落として2年目・3年目分のみで計算した場合に生じる金額です。
問62-6

投資評価手法としてのNPV法とIRR法の比較に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①NPV法は、投資案から得られる価値を金額ではなく比率で示すため、企業価値への影響を直接把握しやすい。
  • ②IRR法は、計算過程で途中に得られるキャッシュフローを、常に資本コストと同じ利率で再投資すると仮定している。
  • ③相互排他的な投資案の順位付けでは、規模の異なる投資案の間でNPV法とIRR法の判定が食い違うことはない。
  • ④NPV法は、途中のキャッシュフローを資本コストで再投資すると仮定し、一般にIRR法より優れるとされる。
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正解 ④NPV法は、途中のキャッシュフローを資本コストで再投資すると仮定し、一般にIRR法より優れるとされる。
解説
NPV法は、投資案から得られるキャッシュフローの再投資利率として資本コストを仮定しており、これは企業が通常調達できる資金の機会費用に基づく現実的な仮定とされています。この点や、価値を金額で直接示せる点などから、NPV法は一般にIRR法より優れた投資評価手法とされています。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。NPV法は投資案がもたらす価値を金額(円)で示す手法であり、比率で示すのはIRR法の特徴です。②は誤りです。IRR法は、途中で得られるキャッシュフローをその投資案自身の内部収益率(IRR)と同じ利率で再投資すると仮定しており、これはIRRが非常に高い場合には非現実的な仮定になりやすいとされています。③は誤りです。相互に排他的な投資案の順位付けでは、投資規模やキャッシュフローの時期の違いにより、NPV法とIRR法の判定結果が食い違うことがあります。
問72-6

単純回収期間法(投資額を何年で回収できるかを基準に投資案を評価する方法)の限界に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①単純回収期間法では、回収期間経過後に生じるキャッシュフローの大きさが、評価にまったく反映されない。
  • ②単純回収期間法は、貨幣の時間価値を明示的に考慮するため、割引計算を必要とする点が実務上の負担となる。
  • ③単純回収期間法によって計算される回収期間は、必ずNPV法による判断結果と完全に一致する。
  • ④単純回収期間法は、他のどの投資評価手法よりも計算が複雑で、実務ではほとんど利用されていない。
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正解 ①単純回収期間法では、回収期間経過後に生じるキャッシュフローの大きさが、評価にまったく反映されない。
解説
単純回収期間法は、投資額をキャッシュフローの累計で回収するまでの期間の長短のみに着目するため、回収期間経過後に生じるキャッシュフローの大きさが評価にまったく反映されないという限界があります。回収期間が同じでも、その後に得られる利益の大きさが大きく異なる投資案を適切に区別できません。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。単純回収期間法は、貨幣の時間価値(割引計算)を考慮しない手法であり、この点がむしろ主な批判点の一つとされています。③は誤りです。回収期間の長短と正味現在価値の大小は必ずしも一致せず、両手法の判断が食い違うことがあります。④は誤りです。単純回収期間法は、他の投資評価手法と比べてむしろ計算が単純であることから、実務でも簡便な判断基準として広く利用されています。
問82-6

設備投資の経済性計算において、正味運転資本(売上債権や棚卸資産の増加に伴い追加的に必要となる資金など)の扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①正味運転資本の増加額は、投資評価上のキャッシュフローの計算に含める必要はないとされている。
  • ②正味運転資本として投じた資金は、投資期間の終了時であっても回収されないと仮定するのが通常である。
  • ③正味運転資本の増加額は、追加の資金需要としてキャッシュアウトフローに含めて評価すべきである。
  • ④正味運転資本は、有形固定資産と異なり減価償却の対象となるため、投資額には含めないとされる。
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正解 ③正味運転資本の増加額は、追加の資金需要としてキャッシュアウトフローに含めて評価すべきである。
解説
新規プロジェクトの実施に伴って売上債権や棚卸資産が増加する場合、その増加額に相当する資金を追加的に手当てする必要があるため、正味運転資本の増加額は投資評価上のキャッシュアウトフローに含めて計算するのが適切です。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。正味運転資本の増加は実質的な資金需要であるため、キャッシュフローの計算に含める必要があります。②は誤りです。正味運転資本として投じた資金は、通常、投資期間の終了時に売上債権の回収や棚卸資産の売却などを通じて回収されるものと仮定し、その時点のキャッシュインフローとして計算に含めます。④は誤りです。正味運転資本(売上債権や棚卸資産など)は減価償却の対象となる資産ではなく、この理由付け自体が誤りです。
問92-6

相互に排他的な(どちらか一方しか採用できない)投資案A・Bを比較する。投資案Aの初期投資額は1,000万円でNPVは150万円、投資案Bの初期投資額は500万円でNPVは120万円である。NPV法に基づく判断として、最も適切なものはどれか。

  • ①投資案Bの方が投資額に対する資金効率が良いため、必ず投資案Bを選択すべきであるとされる。
  • ②資金調達に特段の制約がなければ、NPVの金額そのものが大きい投資案Aを選択するのが基本である。
  • ③投資案AとBのNPVの差は30万円しかないため、両案の間に優劣の差はないとも判断すべきである。
  • ④投資案A・Bのいずれも、内部収益率(IRR)を計算しなければ優劣を判断することはできない。
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正解 ②資金調達に特段の制約がなければ、NPVの金額そのものが大きい投資案Aを選択するのが基本である。
解説
相互に排他的な投資案を比較する場合、資金調達に特段の制約(資本制約)がなければ、NPV法では正味現在価値(NPV)の金額そのものが大きい投資案を選択するのが基本的な判断基準です。本問では投資案AのNPV150万円が投資案BのNPV120万円を上回るため、投資案Aを選択するのが基本となります。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。投資額に対する効率性(収益性指数など)を重視すべき場面は、複数の投資案に振り向けられる資金に制約がある場合(資本制約がある場合)であり、そのような制約がなければNPVの金額が大きい投資案を優先するのが基本です。③は誤りです。NPVの差30万円は、企業価値への影響額の差を意味しており、優劣がないとはいえません。④は誤りです。NPV法単独でも、NPVの金額の大小によって投資案の優劣を判断でき、IRRの計算は必須ではありません。
問102-6

資本コスト(割引率)とNPVの関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①資本コストが高くなるほど、将来キャッシュフローの現在価値は大きくなり、NPVも増加する傾向がある。
  • ②資本コストは、投資案の収益性にかかわらず、常に一定の値として法令で定められているものである。
  • ③資本コストとして用いる割引率は、投資案から得られるキャッシュフローの金額そのものによって決定される。
  • ④資本コストが高くなるほど、将来キャッシュフローの現在価値は小さくなり、NPVは減少する傾向がある。
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正解 ④資本コストが高くなるほど、将来キャッシュフローの現在価値は小さくなり、NPVは減少する傾向がある。
解説
割引計算では、将来のキャッシュフローを割引率で割り引いて現在価値を求めるため、割引率(資本コスト)が高くなるほど、同じ将来キャッシュフローであってもその現在価値は小さくなります。したがって、資本コストが高くなるほど、投資案のNPVは減少する傾向があります。

他の選択肢が誤りの理由
①は資本コストとNPVの関係が逆であり誤りです。資本コストが高くなるほど現在価値は小さくなります。②は誤りです。資本コストは、企業の資金調達構造やリスクなどに応じて個々の企業ごとに異なり、法令によって一律に定められているものではありません。③は誤りです。資本コストとして用いる割引率は、資金調達コストやリスクの大きさなどによって決定されるものであり、評価対象の投資案自体のキャッシュフローの金額によって決まるものではありません。

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