2026年版・2-10

連結会計・税効果会計の一問一答

中小企業診断士(一次試験)「財務・会計」から、連結会計・税効果会計に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-10

連結財務諸表の作成目的に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①親会社と子会社がそれぞれ個別に締結した取引契約について、その法的な有効性を監査するために作成するものとされている。
  • ②企業集団を構成する各社の個別財務諸表を、内部取引の相殺消去などの調整を行わずにそのまま単純に合算するために作成する。
  • ③支配従属関係にある複数の会社からなる企業集団を単一の組織体とみなし、その財政状態等を総合的に報告するために作成する。
  • ④親会社が保有する子会社株式の時価を、決算日が到来するたびに再評価して株主へ開示するために作成するものとされている。
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正解 ③支配従属関係にある複数の会社からなる企業集団を単一の組織体とみなし、その財政状態等を総合的に報告するために作成する。
解説
連結財務諸表は、支配従属関係にある2つ以上の会社からなる企業集団を単一の組織体とみなして、親会社がその企業集団全体の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成するものです。個々の会社の個別財務諸表だけでは把握できない、企業集団全体としての実態を利害関係者に示すことを目的としています。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。連結財務諸表は企業集団全体の財政状態等を報告するために作成するものであり、個々の取引契約の法的な有効性を監査するために作成するものではありません。②は誤りです。連結財務諸表は、企業集団を構成する各社の個別財務諸表を単純に合算するのではなく、内部取引や債権債務などを相殺消去する調整を加えたうえで作成します。④は誤りです。連結財務諸表は子会社株式の時価再評価を目的とするものではなく、親会社の子会社に対する投資と子会社の資本を相殺消去する処理などを通じて作成されます。
問22-10

連結財務諸表における子会社の範囲の決定基準に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①子会社に該当するかどうかは、議決権の所有割合だけでなく、意思決定機関を実質的に支配しているか否かという基準で判定する。
  • ②子会社に該当するかどうかは、議決権の所有割合が50%を超えているかどうかのみによって、一律に機械的な判定を行う。
  • ③議決権の所有割合が40%以上50%以下である場合、他にどのような事実があっても、その会社が子会社に該当することはない。
  • ④連結の範囲に含めるかどうかの判定基準として、日本の会計基準は国際的な支配力基準を採用せず、独自の持株基準のみを用いている。
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正解 ①子会社に該当するかどうかは、議決権の所有割合だけでなく、意思決定機関を実質的に支配しているか否かという基準で判定する。
解説
子会社に該当するかどうかの判定には、議決権の所有割合が50%を超えるかどうかのみで機械的に判定する持株基準ではなく、議決権の所有割合以外の要素も加味して、他の会社の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関を実質的に支配しているかどうかという観点から判定する支配力基準が採用されています。議決権の所有割合が50%以下であっても、緊密な者と合わせて過半数の議決権を有し、かつ役員の派遣など一定の要件を満たす場合には子会社に該当します。

他の選択肢が誤りの理由
②は持株基準の説明であり誤りです。現在の会計基準は議決権の所有割合のみによる機械的な判定ではなく、実質的な支配関係の有無による支配力基準を採用しています。③は誤りです。議決権の所有割合が40%以上50%以下であっても、緊密な者及び同意している者が所有する議決権と合わせて過半数を占める場合や、役員等が相手先の取締役会の過半数を占める場合など、一定の要件を満たせば子会社に該当します。④は誤りです。日本の会計基準は、従来の持株基準に代えて、国際的にも広く採用されている支配力基準を導入しています。
問32-10

企業結合によって生じる「のれん」の会計処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①のれんは無形固定資産として計上した後は一切償却を行わず、毎期実施する減損テストのみによってその価値を見直すこととされる。
  • ②のれんの金額がどれほど僅少なものであっても、必ず20年で均等に償却しなければならず、一括での費用処理は一切認められない。
  • ③買収価額が被買収企業の時価純資産額を下回った場合に生じる差額についても、これをのれんとして資産に計上する必要がある。
  • ④のれんは資産に計上したうえで、20年以内のその効果が及ぶと見積もられる期間にわたり、定額法等の方法で規則的に償却する。
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正解 ④のれんは資産に計上したうえで、20年以内のその効果が及ぶと見積もられる期間にわたり、定額法等の方法で規則的に償却する。
解説
企業結合によって生じたのれんは、資産として貸借対照表に計上したうえで、その効果が及ぶと見積もられる期間(20年以内)にわたり、定額法その他の合理的な方法によって規則的に償却します。なお、のれんの金額に重要性が乏しい場合には、その全額を発生した事業年度の費用として一括処理することも認められています。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。のれんを償却せず減損テストのみで価値を見直す取扱いは国際財務報告基準(IFRS)等における処理であり、日本の会計基準では規則的な償却が求められます。②は誤りです。のれんの金額に重要性が乏しい場合には、20年での均等償却によらず、発生した事業年度に一括して費用処理することも認められています。③は誤りです。買収価額が被買収企業の時価純資産額を下回った場合に生じる差額は負ののれんと呼ばれ、資産として計上するのではなく、原則として発生した事業年度の利益として処理します。
問42-10

連結財務諸表における持分法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①持分法の対象となる関連会社については、連結子会社と同様に、その資産・負債・収益・費用のすべての科目を親会社の財務諸表に合算する。
  • ②持分法は、原則として議決権の20%以上50%以下を保有する関連会社等に適用され、財務諸表は合算せず投資勘定を修正する方法である。
  • ③持分法は、議決権を50%超保有しており、支配力基準によって子会社と判定された会社に対してのみ適用される会計処理とされている。
  • ④持分法を適用する場合であっても、投資会社の連結損益計算書上、被投資会社の当期純利益にかかわらず一切の損益を反映させないとされる。
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正解 ②持分法は、原則として議決権の20%以上50%以下を保有する関連会社等に適用され、財務諸表は合算せず投資勘定を修正する方法である。
解説
持分法は、子会社には該当しないものの、原則として議決権の20%以上50%以下を保有するなど、財務及び営業又は事業の方針決定に対して重要な影響を与えることができる関連会社等に適用される会計処理です。連結子会社のように資産・負債・収益・費用の科目を合算するのではなく、投資会社が保有する投資勘定の金額を、被投資会社の純資産及び損益の変動に応じて修正するにとどめる方法であり、一行連結とも呼ばれます。

他の選択肢が誤りの理由
①は連結子会社に適用される全部連結の説明であり誤りです。持分法の対象となる関連会社では、資産・負債・収益・費用の科目を合算する処理は行いません。③は誤りです。持分法は子会社ではなく関連会社等に適用される方法であり、支配力基準によって子会社と判定された会社には、持分法ではなく連結(全部連結)が適用されます。④は誤りです。持分法を適用する場合、被投資会社の当期純利益のうち投資会社の持分に応じた金額は、連結損益計算書上「持分法による投資損益」として反映されます。
問52-10

連結財務諸表における非支配株主持分に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①非支配株主持分は、子会社が将来負担すべき返済義務のある債務とみなされ、連結貸借対照表上は負債の部に表示される。
  • ②非支配株主持分の金額は、親会社が子会社株式を取得した際の取得原価のまま、その後の業績にかかわらず一定に保たれる。
  • ③非支配株主持分は、連結子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分であり、連結貸借対照表上、純資産の部に表示される。
  • ④非支配株主持分は、連結損益計算書上、当期純利益の金額を計算した後に控除される特別損失として処理されるものとされる。
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正解 ③非支配株主持分は、連結子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分であり、連結貸借対照表上、純資産の部に表示される。
解説
非支配株主持分とは、連結子会社の資本(純資産)のうち、親会社の持分に属しない部分をいいます。親会社の子会社に対する投資と、これに対応する子会社の資本を相殺消去する資本連結の過程で、子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分を非支配株主持分に振り替え、連結貸借対照表上は純資産の部に区分して表示します。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。非支配株主持分は返済義務のある債務ではなく、子会社の資本のうち非支配株主に帰属する持分であるため、連結貸借対照表上は負債の部ではなく純資産の部に表示されます。②は誤りです。非支配株主持分の金額は、取得時点の金額に固定されるものではなく、その後の子会社の損益や配当などによる資本の変動に応じて、非支配株主に帰属する部分だけ毎期変動します。④は誤りです。非支配株主に帰属する当期純利益は、連結損益計算書上、当期純利益を親会社株主に帰属する部分と非支配株主に帰属する部分とに按分して表示する項目であり、当期純利益から控除される特別損失として処理されるものではありません。
問62-10

税効果会計の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①税効果会計は、企業会計上の資産・負債の額と課税所得計算上の資産・負債の額との差異に応じ、法人税等の額を適切に期間配分する会計処理である。
  • ②税効果会計は、企業が実際に納付すべき法人税等の税額そのものについて、会計上の見積りに基づいて直接減額させるための手続きである。
  • ③税効果会計は、交際費の損金不算入額のように、将来にわたって解消することのない差異について、繰延税金資産を計上するための手続きである。
  • ④税効果会計を適用するかどうかについては各企業が任意に自由に選択できる制度とされており、その適用は法律上、義務付けられているものではない。
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正解 ①税効果会計は、企業会計上の資産・負債の額と課税所得計算上の資産・負債の額との差異に応じ、法人税等の額を適切に期間配分する会計処理である。
解説
税効果会計は、貸借対照表に計上されている資産・負債の金額と、課税所得計算上の資産・負債の金額との間に差異がある場合に、その差異に対応する法人税等の額を、発生した会計期間ではなく、その差異が解消する期間に適切に配分することで、税引前当期純利益と法人税等の額を合理的に対応させるための会計処理です。

他の選択肢が誤りの理由
②は誤りです。税効果会計は、会計上の見積りによって法人税等の申告納税額そのものを減額する制度ではなく、あくまで損益計算書上の表示(法人税等調整額)を通じて、利益と税金費用を対応させるための会計処理です。③は誤りです。交際費の損金不算入額のように将来も解消しない差異は永久差異と呼ばれ、税効果会計の対象にはなりません。税効果会計の対象となるのは、将来解消する一時差異です。④は誤りです。税効果会計は、金融商品取引法や会社法に基づく監査の対象となる企業などにおいて適用が求められる会計処理であり、任意に適用の要否を選択できるものではありません。
問72-10

税効果会計における将来減算一時差異に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①将来減算一時差異がその後に解消するときには、その期の課税所得を増額させる効果があるとされており、繰延税金負債を計上して処理する。
  • ②将来減算一時差異とは、受取配当金の益金不算入額のように、会計上の利益計算には反映されるものの永久に解消しない差異のことをいう。
  • ③将来減算一時差異に係る税効果会計については、連結財務諸表上においてのみ適用され、親会社や子会社の個別財務諸表上では実際には適用されない。
  • ④貸倒引当金の繰入限度超過額のように、差異解消時の課税所得を減額する効果を持つ一時差異は将来減算一時差異と呼ばれ、繰延税金資産を計上する。
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正解 ④貸倒引当金の繰入限度超過額のように、差異解消時の課税所得を減額する効果を持つ一時差異は将来減算一時差異と呼ばれ、繰延税金資産を計上する。
解説
会計上の貸倒引当金の計上額のうち、法人税法上の繰入限度額を超える部分(繰入限度超過額)は、計上した期には損金に算入されませんが、貸倒れの発生など差異が解消する期には課税所得を減額する効果を持ちます。このように、差異が解消する期の課税所得を減額する効果を持つ一時差異は将来減算一時差異と呼ばれ、これに法定実効税率を乗じた金額を繰延税金資産として計上します。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。将来減算一時差異が解消するときには課税所得を減額する効果があるため、対応して計上するのは繰延税金負債ではなく繰延税金資産です。②は誤りです。受取配当金の益金不算入額のように将来にわたって解消することのない差異は永久差異と呼ばれ、一時差異とは区別されます。将来減算一時差異は、あくまで将来解消することが見込まれる差異です。③は誤りです。税効果会計は連結財務諸表に限らず、親会社や子会社それぞれの個別財務諸表においても適用されます。
問82-10

繰延税金資産の回収可能性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①将来減算一時差異に該当する金額であれば、将来の課税所得の水準にかかわらず、その全額をそのまま無条件に繰延税金資産として計上しなければならない。
  • ②繰延税金資産は、将来の税金負担額を軽減する効果が実際に見込まれる範囲でのみ計上が認められ、将来の課税所得の見込み等に基づく検討が必要である。
  • ③繰延税金資産の回収可能性についての判断は、将来加算一時差異に対応して計上される繰延税金負債についても、同様に必要とされる検討である。
  • ④繰延税金資産の回収可能性については、あくまで過去の課税所得の実績のみに基づいて判断し、将来の業績予測は一切考慮しないものとされる。
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正解 ②繰延税金資産は、将来の税金負担額を軽減する効果が実際に見込まれる範囲でのみ計上が認められ、将来の課税所得の見込み等に基づく検討が必要である。
解説
繰延税金資産は、将来の税金負担額を軽減する効果を持つ資産ですが、その効果は将来の課税所得が確保できて初めて実現します。そのため、企業の収益力に基づく将来の課税所得の見積りや、一時差異の解消時期のスケジューリングなどに基づいて回収可能性を検討し、将来の税金負担額を軽減する効果が実際に見込まれる範囲でのみ計上が認められます。

他の選択肢が誤りの理由
①は誤りです。将来減算一時差異に該当する金額であっても、将来の課税所得が見込めず税金負担を軽減する効果が実現しないと判断される部分については、繰延税金資産を計上することはできません。③は誤りです。回収可能性の検討が必要とされるのは、将来の税金負担を軽減する効果を持つ繰延税金資産についてであり、将来の税金負担を増額させる効果を持つ繰延税金負債には、このような回収可能性の検討という概念は当てはまりません。④は誤りです。繰延税金資産の回収可能性の判断では、過去の課税所得の実績だけでなく、将来の業績予測に基づく課税所得の見積りも重要な判断要素とされます。
問92-10

親会社であるP社は、S社の発行済株式の70%を取得してS社を子会社とした。株式取得時点におけるS社の資本(純資産)は5,000万円であった。この時点で連結貸借対照表に計上される非支配株主持分の金額として正しいものはどれか。

  • ①3,500万円
  • ②5,000万円
  • ③1,500万円
  • ④1,000万円
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正解 ③1,500万円
解説
非支配株主持分は、子会社の資本(純資産)のうち、親会社に帰属しない部分の金額です。本問では、親会社であるP社がS社の株式を70%取得しているため、S社に対する非支配株主(親会社以外の株主)の持株比率は100%-70%=30%です。したがって非支配株主持分は、S社の資本5,000万円に30%を乗じた5,000万円×30%=1,500万円となります。

他の選択肢が誤りの理由
①の3,500万円は、S社の資本5,000万円にP社の持株比率70%を乗じた、親会社に帰属する持分相当額であり、非支配株主持分ではありません。②の5,000万円は、S社の資本(純資産)の全額であり、親会社と非支配株主の持分に按分する前の金額です。④の1,000万円は、非支配株主の持株比率を30%ではなく20%と誤って計算した場合などに生じる金額です。
問102-10

ある企業は当期に売掛金に対する貸倒引当金1,000万円を計上したが、法人税法上の繰入限度額は650万円であり、350万円が損金不算入(繰入限度超過額)となった。法定実効税率を30%とする場合、この将来減算一時差異に対応して計上される繰延税金資産の金額として正しいものはどれか。なお、この一時差異の回収可能性に問題はないものとする。

  • ①105万円
  • ②300万円
  • ③195万円
  • ④350万円
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正解 ①105万円
解説
税効果会計における繰延税金資産は、将来減算一時差異の金額に法定実効税率を乗じて計算します。本問における将来減算一時差異は、貸倒引当金の会計上の計上額1,000万円のうち、法人税法上の繰入限度額650万円を超える部分である繰入限度超過額350万円です。この将来減算一時差異が解消する期には課税所得を減額する効果があるため、350万円に法定実効税率30%を乗じた350万円×30%=105万円が、計上すべき繰延税金資産の金額となります。

他の選択肢が誤りの理由
②の300万円は、繰入限度超過額350万円ではなく貸倒引当金の計上額1,000万円全体に法定実効税率30%を乗じてしまった誤りです。③の195万円は、繰入限度超過額ではなく法人税法上の繰入限度額650万円に法定実効税率30%を乗じてしまった誤りです。④の350万円は、将来減算一時差異の金額そのものであり、法定実効税率を乗じる計算を行っていません。

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